みそ汁や酒蒸しなどにして食べる、旨味たっぷりの「アサリ」。加熱しても口が開かないアサリは食べちゃダメ!とよく聞きますが、悩ましいのは「ちょっとだけ開いた」状態ですよね。そんなとき、どうやって判断すればよいのでしょうか…?今回は、そんな疑問について徹底解説します!アサリを使ったおすすめレシピもご紹介するので、ぜひ最後までご覧くださいね。
アサリ、口が開かない!無理やり開けて食べても大丈夫?「知れてよかった...」

「加熱しても開かない貝」を食べちゃいけない理由とは?
そもそも、なぜ「加熱しても開かない貝」を食べてはいけないんでしょうか?よく考えると不思議ですよね。その理由は、「二枚貝の体のしくみ」に隠されていました!
アサリなどの二枚貝は、「蝶番(ちょうつがい)」の部分にある「靭帯(じんたい)」によって殻を開こうとする力と、「貝柱」によって貝を閉じようと引っ張る力が働いています。この2つの力を利用して、貝は自身の開き具合を調節しながら生きています。そんな二枚貝を加熱すると、貝柱のたんぱく質が変成してしまい、最終的には殻から離れてしまいます。そうすると、貝にかかる力が靭帯の「開こうとする力」のみになるため、結果的に口がパカッと開くんですね。
と、いうことは…加熱しても開かない=貝柱のたんぱく質の変成が起こっていないということになり、貝の中身に何かしらの異常が生じている可能性があるため、食べない方が安全、という判断になるんです。
ちょっとだけ開いているアサリ、食べても大丈夫…?
加熱してもぴったりと閉じたままの貝を食べないほうがいい理由はわかったけれど、「ちょっとだけ開いている」という状態だと、食べられるのかどうか悩んでしまいますよね。そんなときは、どのように判断すればよいのでしょうか…?
加熱してもアサリがちょっとしか開かない理由として、いくつかの原因が考えられます。
①加熱不足
鍋やフライパンに入れたアサリが全体的に開ききっていない場合は、加熱不足の可能性があります。先ほど見てきたように、貝が開くためのメカニズムの重要なポイントに「加熱」があります。加熱が不足していると貝柱の変成が起こらず、結果として貝が開きません。このような状態だと食中毒の恐れもあるため、しっかり加熱して、貝が十分に開いてから食べるようにしてくださいね。
②蝶番部分にある靭帯の損傷
靭帯部分に損傷があると、貝を開く方向の力がなくなってしまうため、加熱してもうまく開かないことがあります。この場合、フライパンごと強くゆするなどして衝撃を与えると、開くことがあるそう。試してみる価値はありそうですね!
③解凍方法が適切でない
こちらは、冷凍アサリを使用したときのパターン。冷凍しても貝柱のたんぱく質は変成しないため、冷凍アサリも、生のアサリと同様に加熱するとパカッと口を開きます。でも、じつは解凍方法にちょっとしたコツがあるんです!
冷凍のアサリを料理に使うときは、凍った状態のまま鍋やフライパンに入れて、強火で一気に加熱しましょう。冷蔵庫や常温で解凍してしまうと、食べられる状態のアサリでも口を開かないことがあるので、注意してくださいね。
いずれの原因も、調理前後に気をつければ対応可能なものばかり!もしこれらの方法を試しても開き具合が気になる場合は、残念ですが食べるのを控えるのがよさそうです。ポイントを押さえて、旬のアサリをおいしくいただきたいですね!
アサリのおすすめレシピをご紹介!
さてここからは、アサリで作るおいしいレシピをご紹介します。小松菜がたっぷり入ったアサリの蒸し炒めや、アサリのゆで汁で炊き上げたアサリとタケノコの炊き込みごはんなどをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。
1.小松菜とアサリの蒸し炒め
お酒のおつまみにもぴったりな、小松菜とアサリの蒸し炒めのご紹介です。アサリの旨味と小松菜の風味がベストマッチ!味つけもシンプルで作りやすいですよ。ニンニクの香りが効いていて、思わずスープまで飲み干したくなるおいしさです。簡単なので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
材料(2人前)
- アサリ・・・100g
- 小松菜・・・180g
- 玉ねぎ・・・1/4個
- ニンニク・・・1片
- 鷹の爪輪切り・・・小さじ1
- 料理酒・・・大さじ2
- しょうゆ・・・大さじ1/2
- 塩・・・小さじ1/4
- 粗挽き黒こしょう・・・小さじ1/4
- オリーブオイル・・・大さじ1
手順
準備.アサリは砂抜きをしておきます。
1.小松菜は根元を切り落とし3cm幅に切ります。
2.玉ねぎは薄切りにします。
3.ニンニクは薄切りにします。
4.フライパンを中火で熱しオリーブオイル、3、鷹の爪輪切りを入れ炒めます。
5.ニンニクの香りが立ったら、アサリ、料理酒を加えて混ぜ合わせ蓋をして、アサリが開くまで1分ほど加熱します。
6.1、2を加えて中火で炒め、小松菜がしんなりしたらしょうゆ、塩、粗挽き黒こしょうを加えて味を調え、火から下ろします。皿に盛り付けてできあがりです。
2.タラとあさりでアクアパッツァ風
テーブルが華やかになる、「タラとあさりでアクアパッツァ風」を作ってみませんか?ホロホロとやわらかいタラと弾力のあるアサリが相性抜群!フレッシュなミニトマトの酸味が加わり、さっぱりと食べられます。キリッと冷やした白ワインのお供にもおすすめですよ。おもてなしにも重宝するので、ぜひお試しくださいね。
材料(2人前)
- タラ (切り身)・・・200g
- 塩・・・ふたつまみ
- 白こしょう・・・ふたつまみ
- アサリ (砂抜き済み)・・・100g
- しめじ・・・50g
- ミニトマト・・・6個
- ニンニク・・・5g
- オリーブオイル・・・大さじ2
- 白ワイン・・・100ml
- パセリ (みじん切り)・・・適量
手順
準備.ミニトマトのヘタを取り除いておきます。
1.タラの両面に塩と白こしょうをふります。
2.しめじは石づきを取り手でほぐします。
3.ニンニクは粗みじん切りにします。
4.フライパンにオリーブオイルを入れて弱火にかけ3を入れ、ニンニクの香りが立ったら1を入れて中火で両面を焼いて薄く焼き色をつけます。
5.アサリ、2、ミニトマト、白ワインを入れ、中火で加熱し、煮立ったら蓋をして10分ほど加熱します。
6.タラとアサリに火が通ったら火から下ろします。お皿に盛り付け、パセリを散らして完成です。
※こちらのレシピは白ワインを使用しております。加熱の状態によってはアルコールが含まれる可能性がありますので、お子様やアルコールに弱い方、妊娠中の方、授乳中の方はご注意ください。また、運転時、スポーツ時、入浴時はアルコールの摂取をお控えください。
3.あさりとタケノコの炊き込みご飯
一口食べれば思わず笑顔になる!アサリとタケノコの炊き込みごはんのご紹介です。アサリのゆで汁でお米を炊くことで、旨味がぎゅっと詰まった絶品ごはんに仕上がりますよ。食感のよいタケノコと生姜の風味がよく合い、おかわり必至のおいしさです。ぜひ今晩の献立に取り入れてみてくださいね。
材料(4人前)
- 米・・・2合
- アサリ (殻付き)・・・300g
- お湯・・・600ml
- タケノコの水煮・・・200g
- 生姜・・・40g
- 白だし・・・大さじ3
- 小ねぎ (小口切り)・・・適量
手順
準備.米は洗って30分以上浸水させ、水気を切っておきます。アサリは砂抜きをしておきます。生姜は皮をむいておきます。
1.タケノコの水煮は1cm角に切ります。生姜は千切りにします。
2.お湯を沸騰させた鍋にアサリを入れ、5分程煮込み、アサリの殻が開いたら火から下ろし、アサリとゆで汁に分けます。
3.粗熱が取れたら殻から身を取ります。
4.炊飯釜に米、白だし、2のゆで汁を2合の目盛りまで注ぎ、1、3を入れ、炊飯します。
5.炊き上がったらさっくりと混ぜ、茶碗に盛り付け、小ねぎをちらして完成です。
アサリの旨味が楽しめる一品を作ろう!
いかがでしたか?アサリにまつわる食の豆知識と、アサリを使った絶品レシピをご紹介しました。アサリは蒸したり炊き込みごはんにしたりと、幅広くアレンジが楽しめますよ。ぜひこの機会にアサリでおいしい一品を作ってみてくださいね。
※20歳未満の飲酒はやめましょう。