夏に旬を迎える「トマト」。そのまま食べるのはもちろん、ジュースやスープ、パスタなど、幅広い料理に大活躍の野菜ですよね。生で食べても加熱調理してもおいしいトマトですが、じつはトマトを加熱すると、ある決定的な変化が起こることを、ご存じでしょうか…?今回は、加熱調理したトマトの驚くべき利点について徹底解説!後半では、トマトを加熱して作る絶品レシピもご紹介しますよ。ぜひ最後までご覧くださいね。
“トマト”は加熱するのが正解!?意外と知られていない真相に「そうだったのか!」

トマトを加熱することで起こる変化は?
トマトに含まれる成分として広く知られている「リコピン」。じつは、トマトを加熱することで、この「リコピン」の吸収率が大きく変わってくるんです!
リコピンとは、植物などに含まれる赤色の色素成分。トマトに多く含まれ、健康な体づくりや、老化などに影響するとされる「活性酸素」を除去するという働きがあります。
しかしこのリコピン、固い細胞壁の中にあるため、生のまま食べても吸収されにくいという難点があります。トマトを加熱するとこの細胞壁が壊れ、リコピンの吸収率が高まります。この変化こそが、トマトを加熱することで生まれる利点なんです!
また、リコピンは「油に溶けやすい」という性質があります。この性質をいかして、トマトを油で炒めるなど調理法を工夫すると、さらにリコピンの吸収率を高めることができるのだそうですよ。
おいしいトマトの選び方
ちなみに、トマトの選び方のポイントとしては以下のようなものがあります。
■ 赤い方がリコピンが多いため、より赤いもの
■ 全体の色が均一で、皮にツヤとハリがあるもの
■ お尻の部分に放射線状の筋がくっきりと入っているもの
■ ヘタは濃い緑色で、ピンと張っているもの
トマトは生でももちろんおいしいですが、加熱すればリコピンの吸収率もよくなり、献立の幅も広がって一石二鳥!ぜひこの後ご紹介する、加熱したトマトのレシピも参考にしてみてくださいね。
おいしい加熱トマトレシピをご紹介!
さてここからは、トマトを加熱して作る絶品レシピをご紹介します。シンプルな味つけでトマトの甘みが引き立つ、卵とトマトの中華風炒めや、トマトを器に見立てたサバ味噌ファルシーなどをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。
1.とっても簡単!卵とトマトの中華風炒め
パパッと作れる簡単レシピ、卵とトマトの中華風炒めのご紹介です。加熱したトマトはとても甘く、卵のコクと相性抜群ですよ。卵にマヨネーズを混ぜることで、ふんわり食感に仕上がります。トマトの赤に卵の黄色が映えて、テーブルが華やかになりますよ。ごはんにもよく合うので、ぜひお試しくださいね。
材料(2人前)
- トマト・・・2個
- 卵 (Mサイズ)・・・2個
- (A)鶏ガラスープの素・・・小さじ1
- (A)マヨネーズ・・・小さじ1
- 塩・・・ふたつまみ
- 粗挽きこしょう・・・ふたつまみ
- サラダ油・・・大さじ1
- 小ねぎ (小口切り)・・・適量
作り方
1.トマトは半分に切り、ヘタを取り除いて8等分のくし切りにします。
2.ボウルに卵を溶きほぐし、(A)を加えて混ぜ合わせます。
3.中火で熱したフライパンにサラダ油をひき、2を流し入れ、菜箸で大きく混ぜ、半熟状になったら一度取り出します。
4.フライパンの余分な油を拭き取り、中火で熱し、1を入れて炒めます。トマトがしんなりしたら3を戻し入れます。
5.塩、粗挽き黒こしょうを入れて炒め合わせ、全体に味がなじみ、卵に火が通ったら火から下ろします。
6.器に盛り付け、小ねぎを散らして完成です。
※ご高齢の方や、2才以下の乳幼児、妊娠中の女性、免疫機能が低下している方は卵の生食を避け、仕上がりが半熟状態になる場合はしっかりと加熱してお召し上がりください。
2.トマトとアボカドの焼きカプレーゼ
パーティーのオードブルにもおすすめの、トマトとアボカドの焼きカプレーゼはいかがでしょうか。濃厚なアボカドと、とろりととろけたモッツァレラチーズがベストマッチ!バジルとオリーブオイルの香りが効いていて、ワインのお供にぴったりですよ。ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
材料(2人前)
- モッツァレラチーズ・・・100g
- トマト・・・1個
- アボカド・・・1/2個
- バジル (生)・・・5枚
- (A)オリーブオイル・・・大さじ1
- (A)塩・・・少々
- (A)黒こしょう・・・少々
作り方
1.モッツァレラチーズを8等分のスライスにします。トマトのヘタをとり、8等分のくし切りに、アボカドは皮を剥きを8等分のスライスにします。
2.耐熱皿に、1を交互に並べ、(A)をかけます。
3.天板にのせてトースターで7〜8分、モッツァレラチーズがとろけて焼き色がつくまで焼きます。
4.バジルをちらして出来上がりです。
※お使いのトースター機種によって焼き加減が異なりますので、様子を見ながらご調整ください。今回は1000W200℃で焼いています。トースターは庫内が狭く、食材と熱源の距離が近いため、加熱中の食材の油が落ちたり、油はねなどが原因で発煙、発火の恐れがあります。加熱中は目を離さないでください。
3.丸ごとトマトのサバ味噌ファルシー
見た目のインパクト大!丸ごとトマトのサバ味噌ファルシーのレシピをご紹介します。フレッシュなトマトとサバ味噌の旨味が相まって、まさに絶品ですよ。トマトの中身も余さず使って作るので、トマトを存分に楽しめる一品ですよ。一見作るのが難しそうに思うかもしれませんが、じつはお手軽なので、ぜひ作ってみてくださいね。
材料(2人前)
- サバの味噌煮缶・・・150g
- トマト (計350g)・・・2個
- 玉ねぎ・・・1/4個
- バジル (生)・・・2枚
- めんつゆ (2倍濃縮)・・・大さじ1
トッピング
- マヨネーズ・・・小さじ2
- バジル (生)・・・2枚
作り方
準備.サバの味噌煮缶は汁気を切っておきます。
1.玉ねぎとバジルをみじん切りにします。
2.トマトの上部1/4を切り、中身をくり抜き、蓋、器、中身に分けます。
3.ボウルにサバの味噌煮、1を入れて混ぜ合わせ、2の器に詰めます。
4.フライパンに2の中身とめんつゆを入れて3を並べ、中火にかけます。汁気をスプーンでかけながら加熱し、沸騰したら弱火にして蓋をしトマトに火が通るまで8分程加熱して、火から下ろします。
5.器に盛り、2の蓋を添え、マヨネーズとバジルをトッピングして完成です。
加熱トマトのおいしさ新発見!
いかがでしたか?トマトを加熱調理したときに起こる驚くべき変化についてと、トマトを加熱して作るおすすめレシピをご紹介しました。トマトは加熱するととっても甘くなり、生のときとは違うおいしさに出会えますよね。ぜひこの機会に、加熱トマト料理のレパートリーを増やしてみてくださいね!
※20歳未満の飲酒はやめましょう。