最終更新日 2024.3.26

春の山菜「たらの芽」をおいしく!特徴やおすすめレシピをご紹介

春の山菜「たらの芽」をおいしく!特徴やおすすめレシピをご紹介

山菜の王様とも呼ばれるタラノキから取れる「たらの芽」。そのほろさと特有の風味は、春の訪れを感じさせる味わいです。今回は「たらの芽」の特徴や使い方について解説します。「たらの芽」のおいしさを堪能できるレシピもご紹介しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

  • 目次
  • たらの芽とは?
  • 「タラノキ」とは?
  • タラの芽の旬の時期はいつごろ?
  • タラの芽ってどんな味?
  • おいしいタラの芽の選び方
  • たらの芽をおいしく食べるための下処理方法
  • 固い部分を取り除く
  • アク抜き

たらの芽とは?

「たらの芽」とは、タラノキという植物の新芽のことです。日本では古くからタラノキから新芽を採って、天然のたらの芽を楽しむ習慣がありました。山菜の中でも非常に人気が高いことから「山菜の王様」という名前で親しまれているんですよ。

以前は春の限られた期間にだけ採れる希少なものでしたが、最近ではハウス栽培が盛んになっており、それほど珍しいものではなくなってきています。以下で、味わいや旬の時期などについても詳しく見てみましょう。

「タラノキ」とは?

タラノキは、ウコギ科の落葉低木で、沖縄、奄美、小笠原などの離島を除く日本全国に広く自生している植物です。また、朝鮮半島や中国の中南部、千島列島やサハリンなどでも見られます。

高さは5メートルほどになり、ほとんど枝分かれしない一本幹です。枝の先端には5cmほどの葉が付きます。非常に生命力が強く、荒れ地や伐採地でもいち早く成長するのも特徴です。

タラノキの種類はオンダラ(男ダラ)と女ダラ(メダラ)の2つで、オンダラは枝に鋭くてかたいトゲがあり、新芽の部分にも赤いポツポツとしたトゲ状のものが見られます。メダラは木にも、新芽にもトゲは見られません。天然のタラノキの多くはオンダラですが、栽培にはトゲがなく育てやすいメダラが使われます。

タラの芽の旬の時期はいつごろ?

たらの芽の旬は、一般的には木の芽が芽吹く3〜5月頃とされています。気候にもよりますが、山間部では6月頃の初夏まで採れることがあるようです。桜が咲き始める時期がちょうどたらの芽が芽吹く頃と重なっているので、桜を見たらたらの芽の旬のシーズンが始まると覚えておくとわかりやすいですね。
ハウス栽培の場合は期間が長く、12月頃から4月にかけて出荷されます。料亭などに出荷されることも多いため、早い時期から出荷が始まるそうです。出荷のピークは2月下旬から3月となっています。

タラの芽ってどんな味?

ほとんどの山菜には特有の苦味やえぐみがありますが、たらの芽は比較的食べやすいと言われています。ほのかな苦味と香り、コクがあり、もちっとした独特の食感が特徴です。季節感を感じさせてくれる格別な味わいで「山のバター」とも呼ばれています。とくに天然物はたらの芽本来の香りや苦味などが強く、野趣あふれる風味が特徴です。一方、ハウス栽培のものはクセや苦味が少なく食べやすいですが、その分香りや風味は弱くなっています。

おいしいタラの芽の選び方

おいしいたらの芽は、3~5cmほどに成長したものと言われています。葉が少し開き、赤紫色がかっているものを選びましょう。これよりも若い蕾のような芽もやわらかくておいしいですが、食べる部分が少ないことと特有の風味が薄いという特徴があります。反対に成長しすぎたものは苦味やえぐみが強く出始めるため、食べにくく感じる人もいるかもしれません。好みに合わせて、適度な大きさのものを選ぶのがよいでしょう。

たらの芽をおいしく食べるための下処理方法

特有の苦みやえぐみを取り除いたり、食べにくい部分を取り除いておいしく食べるための下処理の方法をご紹介します。

固い部分を取り除く

「はかま」と呼ばれる、たらの芽が芽吹く前に出てくる付け根のかたい部分を取り除きます。
根元のかたい部分の皮も包丁でむきましょう。

アク抜き

和え物やおひたしにする場合はアク抜きをします。 2%濃度の塩水を沸騰させ、2分ほどゆでた後、冷水に入れてしばらく水にさらします。小さめのものはさっとくぐらせる程度にし、ゆですぎないよう注意しましょう。ゆですぎると特有の香りや歯ごたえがなくなってしまうので、手際よく行うのがポイントです。

たらの芽の苦味やえぐみは、油であげたり炒めたりすると旨味へと変化します。そのため、生のまま揚げて天ぷらにする場合にはアク抜きは必要ありません。

保存方法

たらの芽は、常温保存がしにくい山菜のひとつです。常温保存でおいしく食べられるのは1~2日程度が限度。それ以降は苦味やえぐみが強くなり、特有の香りが逃げてしまいます。特に空気に触れて乾燥すると鮮度が落ちてしまうので、乾燥させない工夫をすることが大切です。

冷蔵庫で保存する場合

新聞紙でやさしく包み、穴を開けたポリ袋に入れて野菜室で保存します。4~5日程度を目処に使い切るようにしましょう。

冷凍庫で保存する場合

かためにゆでて冷凍し、小分けに保存するのがポイント。繊維の食感と苦味が少し強くなってしまいますが、2~3週間ほど保存可能です。

たらの芽はどうやって食べればいいの?

たらの芽は、特有の香りや苦味を活かす天ぷらやおひたしなどが定番の食べ方です。以下、たらの芽の代表的な食べ方とその味わいについてまとめました。

天ぷら

天ぷらは苦味やえぐみが旨味になるため初めて食べる人でも食べやすく、たいへん人気があります。油であげるとほくほくとした食感になり、そのおいしさは格別ですよ。

おひたし

おひたしにするとたらの芽の持ち味である香りやほろ苦さ、もちっとした食感を存分に堪能できます。大人な味わいで、お酒と一緒に楽しみたいときにおすすめですよ。また、ゴマ和えもたらの芽と相性抜群!甘めの濃厚なゴマダレがからみ、たらの芽の苦味が和らいで食べやすくなります。

そのほか、パスタやソテーなど洋風の料理にも使うことができます。そのほろ苦さを活かして、さまざまな料理に応用して楽しみましょう。

春を告げるたらの芽を使った絶品レシピ

ここからはたらの芽の特徴を活かしたおいしいレシピをご紹介します。定番の天ぷらや酢味噌がけ、おかずにもぴったりの肉巻きなど、簡単にお作りいただけるレシピをピックアップしました。ぜひ参考にしていただき、春の味わいを食卓に取り入れてみてくださいね。

たらの芽の天ぷら

これぞ王道!たらの芽の天ぷらです。カラッと揚げた天ぷらは、香りと風味がよく春の味。天ぷらにするとたらの芽特有のほろ苦さと甘みを存分に堪能することができます。衣を軽めにし、揚げすぎないのがほくほくの食感に仕上げるポイントです。

たらの芽の磯辺揚げ

お酒のおつまみにぴったりな、たらの芽の磯辺揚げレシピをご紹介します。たらの芽にたっぷりの青のりを入れた天ぷら衣をまぶし、香ばしく揚げました。磯の香りと風味豊かな青のりが、ほろ苦いたらの芽とよく合います。揚げたての磯辺揚げは、シンプルに塩をつけていただくのがおすすめです。

豚肉でボリュームアップ たらの芽の豚巻き天ぷら

定番のたらの芽の天ぷらに旨味の強い豚ロース肉を巻いて、食べ応え抜群の一品に仕上げました。おつまみにはもちろん、おかずにもぴったり!たらの芽のほくほくとした食感が絶品で、手が止まらなくなりますよ。いつもとはひと味違うたらの芽の天ぷらが食べたいときに、ぜひ作ってみてくださいね。

たらの芽の肉巻き

お酒もごはんも進む、たらの芽の肉巻きを作ってみませんか?もちっとしたたらの芽にジューシーな豚バラ肉の旨味が染み込み、たまらないおいしさ!めんつゆベースの甘みのある濃厚なタレで、苦味が和らぎ食べやすく仕上がります。

たらの芽の酢味噌がけ

晩酌のお供におすすめな、たらの芽の酢味噌がけです。ゆでたエビもプラスして彩りよく仕上げました。白味噌や酢、練りからしで作る風味豊かな酢味噌と、ほろ苦いたらの芽が相性抜群!春の香りを存分に堪能できる一品です。

※ご使用の電子レンジの機種や耐熱容器の種類、食材の状態により加熱具合に誤差が生じます。様子を確認しながら完全に火が通るまで、必要に応じて加熱時間を調整しながら加熱してください。

春の山菜「たらの芽」で季節を味わおう

いかがでしたか?たらの芽の特徴や調理法のほか、特有の苦味や風味を活かした絶品レシピなどをご紹介しました。たらの芽は下処理も少なく、山菜の中でも食べやすいことで人気の食材です。春を感じさせてくれるたらの芽を使って、ぜひ旬の味わいを堪能してみてくださいね。

クラシルでは、たらの芽を使ったさまざまなレシピをご紹介しています。そちらも、ぜひ参考にしてみてくださいね。

※20歳未満の飲酒はやめましょう。

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