最終更新日 2023.9.25

いぶりがっことは?名前の由来やおすすめレシピをご紹介!

いぶりがっことは?名前の由来やおすすめレシピをご紹介!

干し大根を燻製して作る「いぶりがっこ」。秋田県の内陸南部地方で作られている伝統的な大根の漬物です。最近では居酒屋などでもよく見かけるので、食べたことがある方も多いのではないでしょうか。今回はいぶりがっこについて、名前の由来や作り方、おすすめレシピをご紹介します。

  • 目次
  • いぶりがっことは?
  • 製造方法
  • たくあんとの違い
  • いぶりがっこはどんな味?
  • いぶりがっこの作り方
  • 番外編:いぶりがっこ以外の「がっこ」
  • いぶりがっこを使ったおすすめレシピをご紹介
  • いぶりがっこの豆乳パングラタン

いぶりがっことは?

いぶりがっことは、秋田県の内陸南部地方で作られる漬物で、秋田県の名産品の一つです。秋田弁で燻すを意味する「いぶり」、また漬物のことを「がっこ」と呼ぶことから、この名が付けられました。

製造方法

いぶりがっこは生の大根を囲炉裏火で燻って乾燥させ、米ぬかや塩、ザラメなどの調味料に漬けこんで作られます。低温で2ヶ月以上かけて発酵熟成させているため、茶色っぽい色をしており、特有の風味があるのが特徴です。

たくあんとの違い

同じような大根を使った漬物に「たくあん」がありますが、こちらは大根を天日干しで乾燥させたのち、塩などを加えた糠床に漬けて作られます。保存性を高めるためにも、しっかりと水分を抜いてから漬ける必要があるのです。

しかし、秋田県の内陸南部の地域では日照時間が少ないこと、また降雪の時期が早いこともあり、大根を戸外で十分に乾燥させることが難しく、囲炉裏の熱や煙を利用して作られるようになったと言われています。

いぶりがっこはどんな味?

いぶりがっこは、甘じょっぱくてスモーキーな風味と、パリパリとした歯ごたえのある食感が特徴です。ごはんのお供にはもちろん、チーズと組み合わせるなど、意外なアレンジで楽しむこともできるんですよ!

ちなみに、いぶりがっこは地元の食品会社をはじめ、農家の方も作って販売しています。秋田県横手市にある道の駅では、30人ほどの作り手が作ったいぶりがっこが販売されており、その作り手の名前もわかるように陳列されているのだとか!それぞれ少しずつ味が違うので、食べ比べて味の違いを楽しむ方や、お気に入りの作り手から買い求める方もいるそうですよ。

いぶりがっこの作り方

先ほども軽くお伝えしましたが、ここではいぶりがっこがどのように作られているのか、より詳しくご紹介します。

1.大根の葉を取り除き、水で洗う 2.大根を吊り下げるために、8~10本を紐で編み込みつなげる
3.編み込んだ大根を天井から吊るし、4~5日かけて燻す
4.調味料と一緒に樽の中に入れ、冷気にさらしながら2ヶ月以上漬け込んで完成

このように、いぶりがっこは大変な手間や時間をかけて作られている漬物だということがわかりますね。いぶりがっこに使う大根は鮮度が大事なので、収穫された翌日の夕方までには燻す工程に入ります。
燻す工程では、ナラや桜、ケヤキ、りんごなどの薪を使いますが、使う薪の種類によって風味が変わるのもいぶろがっこの魅力です。

番外編:いぶりがっこ以外の「がっこ」

秋田弁で漬物という意味の「がっこ」ですが、秋田県ではごはんのお供だけでなく、お酒のおつまみやお茶うけとしても、がっこを楽しむ習慣があるそうです。なかでもいぶりがっこがやはり有名ですが、ほかにもさまざまながっこがあります。

■あねっこ漬け
もち米、にんじん、大根、きゅうりの古漬けなどを、赤しそを使って漬けた漬物です。鮮やかなピンク色が目を引きます。

■花ずし
ナスの上に、黄色い菊と唐辛子が飾ってあり、花のブローチのような見た目の漬物です。塩気と甘みをしっかり感じられます。

■ネクタリン
ネクタリンの中にシソの実を詰めた漬物で、クセがなくあっさりとした味わいが特徴です。

■ナタ漬け
大根をナタでザクザクと切って塩と米麹で漬けたものです。ナタで切ることで切り口がギザギザして、味が染みこみやすくなります。

■柿漬け
焼酎で漬けた渋柿の甘さを利用した大根の漬物で、砂糖を使っていないのにしっかりとした甘みを感じられます。

■味噌漬け
長期保存できるので、保存食として各家庭でもよく作られている漬物です。

このようにたくさんの種類があり、おもてなし用のお茶うけとして、これらのいくつかを盛り合わせた「がっこ盛り」を作ることもあるそうですよ。

いぶりがっこを使ったおすすめレシピをご紹介

さてここからは、いぶりがっこを使ったおすすめレシピをご紹介します。いぶりがっこはごはんにはもちろん、組み合わせる食材によってパンやクラッカーにも合う洋風おつまみに変身します!和酒にも洋酒にも合うので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。

いぶりがっこを使ったアレンジレシピをもっと知りたい方はこちら!

いぶりがっこの豆乳パングラタン

いぶりがっことツナを具材にした、豆乳パングラタンです。顆粒和風だしを加えて和風の味わいに仕上げました。豆乳クリームにいぶりがっこの香りが相性抜群で、クセになる味わいですよ。刻んだいぶりがっこの食感もいいアクセントとなっています。

※お使いのトースター機種によって焼き加減が異なりますので、様子を見ながらご調整ください。今回は1000W200℃で焼いています。トースターは庫内が狭く、食材と熱源の距離が近いため、加熱中の食材の油が落ちたり、油はねなどが原因で発煙、発火の恐れがあります。加熱中は目を離さないでください。

いぶりがっこチーズのおにぎり

いぶりがっこの香りが口いっぱいに広がる、いぶりがっことチーズのおにぎりはいかがでしょうか。意外に思われるかもしれませんが、いぶりがっことチーズの相性は抜群!粗みじん切りにしたいぶりがっこは噛みごたえがあるので、満足感も得られますよ。ごま油の香りもよく、朝ごはんやお酒を飲んだあとのシメにもおすすめです。

いぶりがっこの焼きおにぎり

いつもとひと味違う焼きおにぎりを食べたくなったら、こちらのレシピがおすすめです!刻んだいぶりがっこと大葉を混ぜて握ったおにぎりに、オリーブオイルを塗ってオーブントースターで焼きあげました。大葉のさわやかな香りが鼻に抜け、何個でも食べたくなるようなおいしさですよ。

※お使いのトースター機種によって焼き加減が異なりますので、様子を見ながらご調整ください。今回は1000W220℃で焼いています。トースターは庫内が狭く、食材と熱源の距離が近いため、加熱中の食材の油が落ちたり、油はねなどが原因で発煙、発火の恐れがあります。加熱中は目を離さないでください。

※アルミホイルが熱源に直接触れると溶けてしまう恐れがあります。熱源に触れないようご注意ください。

いぶりがっこつくね

パリパリとした食感が楽しめる、いぶりがっこつくねです。みじん切りにしたいぶりがっこを加えることで、食感だけでなく豊かな味わいのつくねに仕上がります。今回は豚ひき肉で作りましたが、鶏ひき肉で代用することもできますよ。ごはんのおかずはもちろん、お酒のおつまみにも最適な一品です。

いぶりがっこのチーズディップ

パパッとおつまみを作りたいときは、いぶりがっこのチーズディップがおすすめです。クリームチーズに、刻んだいぶりがっこと大葉、みそを混ぜ合わせるだけととっても簡単にお作りいただけます。いぶりがっこの風味とみそのコクが加わったチーズディップは、軽い食感のクラッカーと相性抜群で手が止まらないおいしさですよ!

いぶりがっことカマンベールのカナッペ

材料を切ってのせるだけの簡単レシピ!いぶりがっことカマンベールのカナッペを作ってみませんか?輪切りにしたいぶりがっこのパリパリとした食感とスモーキーな香りが濃厚なカマンベールチーズとよく合います。見た目もおしゃれなので、おもてなしにもおすすめですよ。

いぶりがっこのポテサラ

いつもとはひと味もふた味も違う、クセになる味わいのポテトサラダをご紹介します。いぶりがっこの燻製の風味と心地よい歯ざわりが、ホクホクのじゃがいもと好相性!かいわれ大根のピリッとした辛味もアクセントとなり、お酒のおつまみにもぴったりです。ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。

お酒にピッタリ!いぶりがっことクリームチーズのトマトのせ

さっぱりと食べられるおつまみ、いぶりがっことクリームチーズのトマトのせを作ってみましょう!クリームチーズにいぶりがっことゆず胡椒の風味がよく合い、やみつき必至のおいしさ!トマトの酸味が全体の味を引き締めてくれますよ。赤、白、緑と彩りがよく華やかな見た目なので、パーティーメニューにもおすすめです。

いぶりがっこを使っておいしい一品を作ろう!

今回は、いぶりがっこの名前の由来や味わい、おすすめレシピをご紹介しました。特有のスモーキーな風味と食感を持ついぶりがっこは、雪国で暮らす先人の知恵と工夫が詰まった漬物です。もし食べる機会があったら、そのままごはんのおかずとして食べるのはもちろん、チーズなどと組み合わせてそのおいしさを堪能してみてくださいね。

クラシルでは、いぶりがっこを使ったレシピをほかにもご紹介しています。そちらも、ぜひ参考にしてみてください。

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