だしには、かつおだしや昆布だし、煮干しだしなどさまざまな種類がありますが、近年、乾燥させたトビウオを原料とした「あごだし」が注目されています。主に九州で使用されていましたが、強い旨味と上品な味わいから今や全国で人気があるんですよ。今回はそんなあごだしの特徴や種類、代用方法に加え、活用レシピをご紹介します。
あごだしとは?種類や代用の仕方、活用レシピもご紹介
- 目次
- 濃厚でおいしいと話題!あごだしとは?
- あごだしにはどんな種類がある?
- おいしいあごだしの取り方
- あごだしの代用になるものは?
- いつもの料理がワンランクアップ!あごだしを使ったおすすめレシピ
- あごだしのあっさりうどん
- あごだししいたけおろしそば
- 出汁がおいしい ふわふわケランチム
濃厚でおいしいと話題!あごだしとは?
あごだしとは、乾燥させたトビウオを原料とした、主に九州で使われることの多いだしです。トビウオは昔から九州で親しまれている縁起のいい高級食材。海上を飛んで移動するため身が引き締まっていて、ほかの魚と比べて脂肪分が少ないのが特徴です。
力強い旨味がありながらも、雑味や臭みのないすっきりとした上品な口当たりで、その味わいは「一本筋が通っている」と表現されるほど。「飲むとあごが落ちるほどおいしい」ことからあごだしと名づけられたという説もあるのだそうですよ。かつお節や昆布などとも相性がよく、シンプルにすまし汁で楽しむほか、味噌汁や鍋料理、煮物などに使うと芳醇な旨味を味わえます。
あごだしにはどんな種類がある?
あごだしには、加工法が異なるさまざまな種類があります。用途によって使い分けることで、よりおいしい一品を作ることができるので、ぜひチェックしてみてくださいね。
■あご煮干し/焼きあご煮干し
トビウオを乾燥させたものがあご煮干し、トビウオに焼き目をつけて乾燥させたものが焼きあご煮干しです。あご煮干しはすっきりとして澄んだだしが取れるのに対し、焼きあご煮干しは香ばしく力強いだしを取ることができます。漉す必要があるので少し手間がかかりますが、あご本来の味わいをお楽しみいただけますよ。
■粉末/顆粒タイプ
粉末および顆粒のあごだしは、お湯を注ぐだけで手軽にだしのおいしさを味わうことができます。サイズも小分けになっているものが多いので、収納場所がかさばらないのもうれしいポイント!手間と時間をかけずにあごだしの味わいを活かした料理を作りたいときは、こちらのタイプがおすすめです。
■だしパック
手軽だけど本格派!だしパックを使えば、簡単にあご煮干しから煮出したような旨味を味わえます。計量する手間がなく、煮出し時間も短く済むので、手軽に本格的な味わいの一品を作りたいときに便利ですよ。
■液体
液体タイプの最大のメリットは料理に直接加えられることです。濃縮タイプであれば味を見ながら微調整できるので、お好みの濃さに仕上げることができます。手軽にあごだしのおいしさを楽しみたい方はもちろん、洗いものを少なくしたい方にもおすすめです。
料理をする状況はご家庭によってさまざまです。スーパーなどには種類豊富に展開されているので、使いやすいものを選んでくださいね。
おいしいあごだしの取り方
あごだしの特徴や種類について分かったところで、ここでは本格的なあごだしの取り方をご紹介します。あご煮干しが手に入ったときはぜひ参考にしてくださいね。
■煮出し
1.あご煮干しを水に入れ、半日ほどおく
2.鍋を中火にかけ、沸騰直前で弱火にする
3.火を止めてから5〜10分ほど放置し、その後ざるで漉す
あごだしは、煮出しはもちろん旨味のあるだしを抽出できます。沸騰させすぎると苦みや臭みが出てしまうので注意してくださいね。より風味を出したい場合は、煮出す前にあごをさっと炙るのもおすすめですよ。
あごだしの代用になるものは?
あごだしを使いたいと思ったときに、たまたま切らしていることもありますよね。そんなときに便利な魚介系だしの代用品をご紹介します。
・煮干しだし
煮干しは力強い旨味をはっきりと感じられます。魚そのものの風味が前面に出ているだしでもあり、特に味噌汁との相性がよく味にコクを出してくれます。
・かつおだし
和食の基本ともいえるかつおだしは、味も香りもはっきりしていて短時間で旨味が出るのが特徴です。あっさりとした具材と組み合わせて香りを楽しめるだしでもあります。
あごだしは煮干しやかつおだしよりも上品な口あたりのため、代用品でまったく同じ風味にするのは難しいですが、近い味は表現できるでしょう。しいたけだしや昆布だしなど、違うだしを組み合わせて旨味を補うこともできますよ。
いつもの料理がワンランクアップ!あごだしを使ったおすすめレシピ
あごだしはどんな料理と相性がいいのかわからないという方のために、ここからはおすすめレシピをご紹介します。おいしさがワンランクアップすること間違いありませんので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
あごだしのあっさりうどん
あごだしの風味をシンプルに味わえるあっさりかけうどんのご紹介です。ほんのりと甘味を感じる上品なだしは、すっきりとしていながらも旨味たっぷり!お箸がどんどん進んでしまうおいしさですよ。焼きあごを前もって水につけておくことで長時間煮込まなくても濃厚なだしが抽出できます。少し時間はかかりますが、簡単に作れるのでぜひ挑戦してみてくださいね。
あごだししいたけおろしそば
寒い季節にうれしい、あったかいおろしそばはいかがでしょうか?あごだしの上品な旨味としいたけの風味、さらにさっぱりとした大根おろしの組み合わせが絶妙ですよ。シンプルですがしっかりと旨味を感じられる、ちょっと小腹がすいたときや食事をパパッとすませたいときにおすすめの一品です。お好みで七味唐辛子をかければ、ピリッとした辛味がアクセントになり風味が増すので、ぜひお試しくださいね。
出汁がおいしい ふわふわケランチム
韓国風茶碗蒸し、ケランチムをあごだしを使って作ってみましょう!このレシピでは顆粒あごだしを使用しているので、手軽に作ることができますよ。長ねぎとカニカマを加えることで旨味がアップするだけでなく、彩りよく仕上がります。トゥッペギがない場合は土鍋でも作れますので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。
かつお菜たっぷり 博多雑煮風
本来はぶりを使う博多雑煮ですが、このレシピでは鶏もも肉を使って作りやすくアレンジしました。あごだしと干ししいたけの戻し汁を使っただしは、濃厚な旨味がありながらもあっさりとした味わいで、具材の味を引き立てます。九州ではおなじみのかつお菜を添えることで彩りよく仕上がりますよ。お正月のときはもちろん、お祝いの日にも食べたい華やかな一品です。
新たな定番のあごだしを味わってみよう!
あごだしは、雑味の少ないすっきりとした上品な味わいが特徴で、九州を中心に使われていました。そのおいしさが少しずつ知れ渡り、今では全国のスーパーなどでも購入できるようになっています。あごだしは煮干しタイプやだしパックタイプなどさまざまな種類が展開されているので、ぜひ使いやすいものを選んで濃厚な旨味を味わってみてくださいね。