最終更新日 2023.3.30

料理のコクを引き出す!食べればクセになる“八丁味噌”の特徴とおすすめレシピ5選

料理のコクを引き出す!食べればクセになる“八丁味噌”の特徴とおすすめレシピ5選

愛知県の伝統食材「八丁味噌」とは?

愛知県の名産品のひとつである「八丁味噌」。愛知県のご当地グルメ名古屋めしをはじめ、東海地方の郷土料理には欠かせない存在です。しかし、地域に根付いた味噌だからこそ「聞いたことはあるけどその実態はよくわからない」という方も少なくないはず。

そこで今回は、八丁味噌の特徴や歴史、おすすめレシピなどをご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。

八丁味噌とは

「八丁味噌」とは愛知県岡崎市八帖町で作られている豆味噌のことです。

味噌カツや味噌煮込みうどん、どて煮など、名古屋名物「名古屋めし」で使われている味噌といえばピンと来る方も多いかもしれませんね。

その歴史は古く、誕生したのは江戸時代初期のころ。徳川家康生誕の土地でもある岡崎城から西へ八丁(約900メートル)離れた八丁村(現・八帖町)で作られたことから、「八丁味噌」と呼ばれるようになりました。

そもそも、4本の川に囲まれた八丁村の高温多湿な気候は、味噌作りには適していませんでした。そこで、このような環境にも耐えられる味噌を作るため、水分を減らし保存性の向上を追求した結果、独特の風味をそなえた「八丁味噌」が完成したのです。

今もなお、八帖町に所在する2軒の老舗が当時の伝統製法を守って作り続けているというのですから驚きですよね。

さて、そんな八丁味噌の特徴は、濃い赤褐色をした見た目と、大豆の旨みが凝縮された濃厚なコク。適度な酸味とかすかな苦渋みも有し、他の味噌とは一線を画す独特の味わいがクセになると評判です。

現在では、東海地方の家庭料理には欠かせない存在として広く親しまれるようになった「八丁味噌」。見かけたらぜひ手に取ってみてくださいね。

八丁味噌ができるまで

江戸時代から続く伝統的な製法で造られている八丁味噌。伝統の技と味を貫きながら、今日も当時と変わらない味噌を作り続けています。

それでは早速その作り方を、順を追って見ていきましょう。

1.大豆を蒸し、大豆麹を作る

まずは大豆を蒸し、麹菌を生やして大豆麹を作ります。もちろん、原料も当時のまま大豆と塩のみで、添加物は一切使用していません。

2.大桶に仕込み、重石をする

完成した大豆麹に塩と水を加えてよく混ぜたら、大きな杉桶に仕込み、重石をします。この重石の総重量は、なんと約3トン。熟練した職人の手によって、ひとつひとつバランスよく積み上げます。この重石が崩れないように乗せるにはコツがあり、完璧に習得するためには約10年もの経験が必要とされているんですよ。

3.熟成させる

石積み後は熟成させます。通常の味噌は、コストを下げるため温度調整を施し、熟成を早める「速醸法」で作られますが、八丁味噌は自然の熟成を待つ「天然醸造」で二夏二冬、2年以上の年月をかけてじっくり熟成させます。長期熟成させることで旨みが凝縮し、塩分濃度が低いにも関わらず濃厚な味わいに仕上がるのです。

八丁味噌と他の味噌の違いは?

北は北海道、南は沖縄まで、日本全国で製造されている味噌。

気候や風土、原料の配合や製造方法の違いにより、地域によってさまざまな種類の味噌が存在しています。

味や色などさまざまな違いはありますが、味噌の種類はざっくり大きく分けて4つ。「米味噌」「麦味噌」「豆味噌」「調合味噌」に分けることが出来ます。ちなみに、八丁味噌は大豆から作られるため、「豆味噌」に分類されます。

さて、「豆味噌(八丁味噌)」と他の味噌には、原料に大きな違いがあります。他の味噌は米もしくは麦・大豆・食塩の3つの原料から作られるのに対し、八丁味噌の原料はなんと大豆・食塩の2つのみ。他の味噌に比べて色も濃くなります。

それでは、それぞれの味噌の特徴を見てみましょう。

・豆味噌(八丁味噌)

「八丁味噌」や「赤だし」「赤味噌」とも呼ばれる豆味噌は、主に東海地方で親しまれています。大豆・塩と2つの原料から作られ、色が濃く、適度な酸味と強い旨み、かすかな渋みを有しています。

・米味噌

国内生産の約8割を占める、日本で最もポピュラーな味噌です。原料は米・大豆・塩の3つで、日本全国で生産されています。

・麦味噌

麦・大豆・塩を原料とする麦みその特徴は、麦特有の香ばしい香りと優しい甘さ。原料である大麦の生産が盛んな中国・四国・九州地方を中心に生産されています。また、かつてこれらの地域の各農家で麦みそが作られていたことから、「田舎味噌」とも呼ばれています。

・調合味噌

「豆みそ」「米みそ」「麦みそ」を2種類以上混合した味噌で、「合わせ味噌」とも呼ばれます。単独味噌に比べてクセが少なく、マイルドな風味のものが多い傾向にあります。

味噌の種類についてもっと知りたい方はこちらもチェック!

八丁味噌を使ったレシピのご紹介

八丁味噌は、非常にコク深く濃厚な味わいが特徴の味噌です。

煮込んでも風味が飛びにくいため、みそ汁や煮込み料理など火を入れるメニューにぴったり。味が濃いので、野菜や豆腐など水分が多い食材ともよく合いますよ。

ここでは、八丁味噌を使ったおすすめレシピを5つご紹介します。ぜひ挑戦してみてくださいね。

基本の和食 なめこの赤だし

最初にご紹介するのは、身も心も温まる、なめこの赤だしです。丁寧に取った一番だしが、八丁味噌のコク深さを引き立てます。お好みで刻みネギを散らしてもおいしいですよ。

レンジで簡単 さばの八丁味噌煮

和食の定番サバの味噌煮はいかがですか?濃厚な味噌ダレがサバによくからみ、ごはんがもりもり進む一品。電子レンジで作れるお手軽さも嬉しいポイントです。

鶏むね肉と長ねぎの赤味噌炒め

甘辛い味付けがたまらない、鶏むね肉と長ネギの赤味噌炒めをご紹介します。調理のポイントは、鶏むね肉に下味をつけること。このひと手間で味に奥行きが加わり、より一層おいしく仕上がります。

赤味噌で作る ゆず味噌

濃厚なみその味わいにゆずの風味が効いた、ゆず味噌です。ゆでたこんにゃくや焼いた野菜に付けて食べたり、おにぎりに塗って焼きおにぎりにしてもおいしいですよ。万能な味噌なので、ぜひお試しくださいね。

アツアツ 牡蠣の味噌土手鍋

最後にご紹介するのは、アツアツ牡蠣の味噌土手鍋です。ぷりっぷりの牡蠣にこってりとした味噌がよく絡み合い、一口食べると箸が止まらなくなること間違いなし!野菜をたくさん食べたいときにもおすすめですよ。

江戸時代から変わらない味を堪能しよう

今回は、八丁味噌の特徴やおすすめレシピなどをご紹介しました。

八丁味噌は江戸時代から続く伝統製法で作られる、唯一無二の味噌です。当時から変わらない独特な風味と旨みは、一度食べればクセになること間違いなし!ぜひさまざまなお料理に取り入れてみてくださいね。

クラシルでは、今回ご紹介した以外にも八丁味噌や赤味噌を使ったレシピを掲載しています。ぜひ参考にしてみてください。

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