最終更新日 2023.9.5

たまり醤油とは?醤油との違いや代用の仕方についてもご紹介

たまり醤油とは?醤油との違いや代用の仕方についてもご紹介

東海地方の豆味噌づくりから生まれた「たまり醤油」。原料のほとんどが大豆で、濃厚な旨味とコク、特有の香りが特徴です。この記事ではたまり醤油の特徴や、濃口醤油などほかの醤油との違いを解説します。記事の後半ではおすすめの使い方や、たまり醤油がないときの代用法もご紹介します。ぜひチェックしてみてくださいね。

  • 目次
  • たまり醤油とは
  • 製造方法
  • たまり醤油の魅力
  • たまり醤油と普通の醤油の違い
  • 醤油の種類
  • 原材料の違い
  • 水の違い
  • 塩分量の違い

たまり醤油とは

たまり醤油とは、原料の大豆を蒸して麹を加え、できた味噌玉を1年間以上発酵させて作られる醤油のこと。江戸時代のころまでは醤油といえばたまり醤油のことと言われるほど、メジャーな調味料でした。現在では三重、愛知、岐阜の東海地方3県や九州地方でおもに生産されています。

たまり醤油はもともと、東海地方特産の豆味噌づくりから生まれたようです。豆味噌を作る過程で出た液体が桶の底にたまり、これを取り出したのが始まりと言われています。

製造方法

たまり醤油を作る際は、水分量が少ないため撹拌せず、味噌玉から染み出すもろみ液を汲み出して味噌玉にかけるくみ掛けを行います。この作業を何度も繰り返し、数年間かけてじっくりと熟成させます。伝統製法で作られるたまり醤油は大変手間がかかっているため、生産量が少なく高価です。ちなみに一般的に流通している価格の安いものは、さまざまな調味料や添加物を加えて大量生産したものになります。

たまり醤油の魅力

たまり醤油は濃い色合いととろりとした粘り気が特徴で、濃厚なコクと香りの高さが魅力です。旨味の強さは醤油の中でもトップクラスと言われています。旨味を活かしてそのままつけ醤油にすると絶品です。特有の香りと濃厚な旨味から刺身や寿司と相性がよいことで知られ、別名「さしみたまり」とも呼ばれています。つけダレとして使うのはもちろん、さまざまな料理の調味料として使うと素材の味が引き立ちますよ。照り焼きや煮物、せんべいなどにも幅広く使われています。

たまり醤油と普通の醤油の違い

たまり醤油と一般的なほかの醤油との違いをご紹介します。濃口醤油や淡口醤油とは原材料や水、塩分量などさまざまな違いがあるのでチェックしてみましょう!

醤油の種類

醤油は原料の違いや熟成期間の長さによって大きく5種類に分けられます。たまり醤油のほか、もっとも広く用いられている濃口醤油や、関西で一般的な淡口醤油、生揚醤油で仕込む再仕込み醤油、愛知県碧南生まれの白醤油などです。

濃口醤油と淡口醤油の違いはこちらをチェック!

原材料の違い

醤油の原料は大豆や小麦などの穀物です。大豆と小麦の割合は種類によって異なり、濃口醤油、淡口醤油、再仕込み醤油に使われる原料の割合は大豆と小麦がほぼ50%ずつとなっています。白醤油はほとんどが小麦なのに対し、たまり醤油の場合はほとんどが大豆で作られるのが大きな特徴です。小麦を使う場合も少量だけ用います。大豆は醤油の旨味のもとなので、大豆を多く使うたまり醤油は旨味たっぷりになるわけです。

水の違い

たまり醤油は仕込みに使う水の量が少ないのも大きな特徴です。一般的な濃口醤油は、大豆や小麦などから作る麹の量に対し120~130%ほどの塩水で仕込みますが、たまり醤油は50~100%とかなり水分量が少なめです。そのため、たまり醤油特有のとろりとした粘り気とコクのある味わいが生まれます。

たまり醤油の中にもいくつか種類があり、水分量が50%のものは「五分仕込みたまり醤油」、100%のものは「十水仕込みたまり醤油」と呼ばれます。水分量が少ない方がより濃厚な味わいの醤油に仕上がります。

塩分量の違い

たまり醤油の大きな特徴のひとつに、塩分量が少なめなことも挙げられます。濃い色合いからして塩辛く見られがちですが、日本食品標準成分表2020年版によると、実はたまり醤油100g中の塩分量は13gほど。濃口醤油が14.5g、淡口醤油が16gなのと比較すると、意外と塩分が少なめだということがわかります。また、たまり醤油は濃厚な旨味があるため少量でも満足しやすく、醤油のつけすぎを防げるのもポイントです。

※参照:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)

おすすめの使い方

たまり醤油は濃口醤油と同じようにつけダレとして使うことができますが、とくに濃い味わいの素材と一緒に味わうと一体感を感じやすくなります。

濃厚な味わいの料理と相性抜群!

赤ワインと白ワインで相性のよい食材があるのと同じく、醤油も種類によって合う食材が違います。たとえば、淡白な味わいの白醤油や淡口醤油は、白ワインに合うと言われる食材と相性抜群。白身の刺身や冷奴など、さっぱりとした素材のつけダレにすると素材の持ち味を活かせます。

一方、たまり醤油は濃厚な旨味があり、赤ワインと相性のよい食材と好相性です。濃厚な味わいのものや少しクセのある食材と合わせるのがおすすめ。また、魚や肉の生臭さを抑えてくれるので、力強い味わいの赤身のお刺身や脂ののったお肉とよく合います。マグロの刺身やステーキなどと合わせると旨味が引き立ちますよ!

刺身醤油について知りたい方はこちらもチェック!

濃口醤油の代わりに使うとコクアップ!

濃口醤油の代わりにたまり醤油を調味料として使うと、料理に深いコクをプラスすることができます。煮物に加えると濃口醤油とはひと味違う深みのある味わいに。たまり醤油で煮ると肉や魚、貝類などの具材が硬くなりにくいので、佃煮やしぐれ煮、豚の角煮などにも最適です。

また、濃口醤油よりも糖分が多く粘り気も強いため、照り焼きや蒲焼に使うと表面に美しい照りを出せます。さらに、熱を加えると赤みが増すという特徴もあるので、焼きおにぎりやせんべいにもおすすめですよ!

最近ではたまり醤油の濃厚なコクや旨味、特有の香りを洋食や中華に活かすことも増えているようです。パンやスイーツの隠し味として用いるなど、たまり醤油が活躍できる場が広がっています。

たまり醤油の代用品

レシピにたまり醤油が出てきたけれど、家に置いていないという場合は、いつもの醤油で代用することができます。濃口醤油で代用する場合は、同じ分量で置き換えてみましょう。たまり醤油よりも塩分量が多い淡口醤油を使う場合は、そのままだと塩辛くなってしまうので、少なめの分量で調節するのがポイントです。

代用はできますが、コクや香りが違うため、興味のある方は一度購入して使い比べてみるのも良いかもしれませんね。

旨味たっぷりのたまり醤油を気軽に食卓に取り入れよう

いかがでしたか。たまり醤油の特徴やほかの醤油との違い、たまり醤油の特徴を活かす食べ方や代用法などについてご紹介しました。いつもの醤油の代わりにたまり醤油を使うと旨味と深みが増し、コク深い味わいをお楽しみいただけます。今まで使ったことがなかったという方も、旨味たっぷりのたまり醤油を食卓に気軽に取り入れてみてはいかがでしょうか。

クラシルでは他の醤油についての記事もご紹介しています。ぜひ参考にしてみてくださいね。

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