「梅水晶(うめすいしょう)」は、サメの軟骨が使われた日本の居酒屋などで親しまれている珍味のひとつです。サメの軟骨の独特な食感と梅の風味があとを引き、日本酒や焼酎などのお酒にもよく合います。今回は、そんな梅水晶の名前の由来や特徴を解説!さらに、おいしい食べ方やアレンジ方法について詳しくご紹介します。
「梅水晶」ってどんな食べ物?特徴や由来、おいしい食べ方について解説!

梅水晶とは?
梅水晶は少し珍しい名前ですが、読み方は「うめすいしょう」と読みます。サメの軟骨をゆでてスライスや千切りにし、梅肉で和えた、さっぱりとした味わいが特徴の一品です。
サメ軟骨のコリコリとした食感と梅干しのさっぱりとした酸味がよく合い、箸休めやお酒のおつまみにもぴったりなので、居酒屋などで見かけたら必ず頼むという方も多いかもしれません。
梅水晶の発祥は宮城県気仙沼市
梅水晶は、サメの漁獲量が日本一である宮城県の気仙沼市が発祥とされている料理です。気仙沼漁港では、昔からサメが網にかかって暴れてしまうことがあり、漁師たちからは厄介者扱いされていました。1990年代に入り、大阪の食品メーカーが国産サメを有効活用する方法として商品開発したことがきっかけで、梅水晶が全国に広まっていったのだそうです。比較的新しい珍味であり、20〜30代の認知度が高い食べ物といわれています。
しかし、2011年の震災以降、サメの漁獲量が激減した影響でサメ軟骨の確保がむずかしくなってしまいました。そのため現在は、サメの軟骨に鶏のヤゲン軟骨を混ぜたり、ヤゲン軟骨のみで梅水晶を作るお店などもあるそうです。
どうして梅水晶という名前なの?由来を解説
「梅水晶」という名前は、料理名としては少し意外性がありますよね。
実は、この名前の由来のひとつである「水晶」は、サメ軟骨の透明感ある見た目からきているといわれています。
透き通った見た目を水晶に例えて、食品メーカーの商品開発部社員によって名付けられたのだそうです。キラキラと光って見えるのはもちろん、スライスしたサメ軟骨の見た目も確かに水晶に似ていますよね。
そして、そこにこの料理に欠かせない食材である梅肉の「梅」をくっつけて、「梅水晶」という名前になりました。
💡ワンポイント豆知識
梅水晶は、サメ軟骨と鶏のヤゲン軟骨を混ぜて作られることもありますが、ヤゲン軟骨はサメ軟骨よりも白いため、見た目の透明感に違いが出るんですよ。
食感や味わいが知りたい!梅水晶の特徴
梅水晶の名前の由来について見たところで、次は梅水晶の食感や味わいについてチェックしてみましょう。
梅水晶の食感
梅水晶は、サメ軟骨や鶏のヤゲン軟骨のコリコリとした食感が特徴です。噛みごたえがクセになりついつい箸もお酒も進みます。
シンプルにサメ軟骨と梅肉を和えたものだけでなく、トビウオの卵(とび子)を加えたものなどもあり、プチプチとした食感がアクセントになって、またやみつきになるおいしさです。
また沖縄県の名物である「ミミガー」を使ったり、「クラゲ」を代用するとコリコリとした食感を楽しめます。梅水晶には、こうような異なる素材を使ったバリエーションもあるんですよ。
⭐️クラシルシェフのワンポイントアドバイス⭐️
ご家庭で手軽に梅水晶風の一品を作りたいときは、ヤゲン軟骨を5分ほどゆでて千切りにし、梅肉とごま油、和風顆粒だしで和えるだけで作れますよ。ぜひ試してみてくださいね。
味わいの特徴
梅水晶の味の決め手はなんといっても、梅肉の酸味です。梅肉の酸味が全体の味を引き締め、さわやかな風味をもたらします。
そこにだしの旨味が加わり、さっぱりとしていながらも深みのある味わいを楽しめるのです。日本酒や焼酎との相性も抜群なので、お酒のおつまみとして重宝されています。
梅水晶のおいしい食べ方とは
梅水晶はそのまま食べてももちろんおいしいですが、アレンジも楽しめます。以下でご紹介するので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
ごはんにのせる
梅水晶は、ほかほかのごはんとの相性も抜群です。そのままのせるだけでも、ごはんがどんどん進みますよ。
お好みで刻んだ大葉やねぎ、海苔などをトッピングすれば、風味も彩りもアップ。丼のようにして楽しむのもおすすめです。梅の酸味と軟骨の食感が、シンプルなごはんによく合いますよ。
野菜と合わせる
お好みの大きさや形にカットしたきゅうりやトマトなどに梅水晶を混ぜると、さっぱりとしたサラダ風の和え物ができあがります。梅水晶は酸味が強いものも多いので、めんつゆなどを少しだけ加えることで食べやすさがアップしますよ。
長芋や豆腐にトッピングする
しっかりと味つけされた梅水晶は、料理のアクセントとして使うのもおすすめです。
千切りにした長芋や豆腐に梅水晶とかつお節をのせれば、食べ応えのある一品が作れますよ。 お好みでねぎなどの薬味をのせて、より風味豊かに仕上げてみてくださいね。
アジのなめろうに混ぜる
旨味たっぷりのアジのなめろうに、梅水晶を加えてみましょう。ねっとりとしたアジと、コリコリとした梅水晶の食感の違いが楽しめます。
梅の酸味が全体の味を引きしめてくれるので、さっぱりと食べられますよ。お酒との相性も抜群で、いつものなめろうがひと味違った一品になります。
パスタに加える
意外に思うかもしれませんが、梅水晶とパスタはとてもよく合うんです。梅の酸味が加わることで、いつものパスタがさっぱりとした味わいに変わります。
オリーブオイルでニンニクを炒めて香りを出し、きのこなどのお好みの具材を加えて炒めましょう。ゆでたパスタと顆粒の和風だしを加えて味を調え、仕上げに梅水晶をトッピングすれば完成です。
ニンニクの香りと梅の酸味が絶妙にマッチして、やみつきになるおいしさですよ。
⭐️クラシルシェフのアレンジポイント⭐️
梅水晶はさまざまなアレンジを楽しめる珍味ですが、塩味がやや強めです。ごはんにのせたり混ぜたりする際は、少量ずつ味を見ながら調整するのがおすすめですよ。
梅水晶によく合うお酒は?
お酒のおつまみにうってつけの梅水晶ですが、どのようなお酒によく合うのでしょうか。梅水晶と相性がよいお酒の種類をいくつかご紹介します。
日本酒
やわらかい口当たりとすっきりとした後味が魅力の日本酒は、梅水晶によく合いますよ。
焼酎
焼酎のまろやかさやコクが、梅水晶のさっぱりとした風味にぴったりですよ。芋、麦、米、どの焼酎でも合わせやすいのがうれしいですね。
ビール
梅水晶の酸味で、のどごしのよいビールが進みますよ。フルーティーな味わいのビールもおすすめです。
おもてなしやおせちにも!高級珍味の梅水晶を楽しもう
今回は、梅水晶の特徴や由来のほか、おいしいアレンジ方法などをご紹介しました。梅水晶はキラキラとした見た目で、料理に少し添えるだけでも華やかな印象になります。おもてなしにはもちろん、お正月のおせちなどに取り入れるのもおすすめですよ!ぜひ梅水晶を見かけたら手にとってみてくださいね。
