フランスの伝統菓子「パンデピス」をご存じでしょうか。スパイスの風味と蜂蜜の深い甘みが特徴の焼き菓子で、フランスのクリスマスには欠かせないものなんですよ。この記事では、パンデピスの特徴やジンジャーブレッドとの違い、おいしい食べ方について解説!さらに記事後半ではご家庭で作れるパンデピスのレシピもご紹介します。
フランス伝統のスパイス菓子!パンデピスとは?ジンジャーブレッドとの違いや本場流の食べ方を解説
- 目次
- フランス伝統のスパイス菓子パンデピスとは?
- パンデピスの意味
- 中国からフランスへ
- パンデピスの主な材料と伝統的な製法
- ジンジャーブレッドとの違い
- 本場流!パンデピスの美味しい食べ方・アレンジ
- パンデピスのレシピをご紹介
- スパイスと蜂蜜が香るフランスの伝統を味わおう
フランス伝統のスパイス菓子パンデピスとは?
フランスの伝統的なお菓子、パンデピスとはどんなものなのでしょうか。
パンデピスの意味
パンデピス(Pain d’épices)とは、フランス語で「香辛料のパン」という意味です。
「épices(エピス)」は香辛料を指す言葉で、パンデピスにはシナモン、ジンジャー、クローブ、ナツメグ、アニスなどのスパイスがふんだんに使われています。バターなどの油脂は使われていませんが、その代わりに蜂蜜をたっぷりと使用しており、独特のしっとりとした食感と深い甘みがあるのが特徴です。形状はパウンドケーキ型が一般的ですが、クッキータイプも存在します。フランスでは祝祭日にいただくことが多く、クリスマス時期になると街中で見かけることが多くなるそうですよ。
中国からフランスへ
パンデピスは、10世紀の中国・宋で作られていた蜂蜜入りのパン「ミ・コン」がルーツとされています。一説によると、13世紀にモンゴルの騎士団が中国遠征の際にミ・コンを持ち帰り、これが中東まで伝わったのだそうです。
その後、十字軍の大遠征の際に騎士団がヨーロッパにレシピを持ち帰り、各地へ広まっていきました。16世紀まではドイツのクリスマスマーケットで売るために修道院で作られていたそうですが、その後フランスのブルゴーニュ地方のディジョンやアルザス地方にも伝わっていったといわれています。
パンデピスの主な材料と伝統的な製法
ここで、パンデピスの特徴について見てみましょう。
パンデピスに使われる主な材料
パンデピスに使われる主な材料は、小麦粉またはライ麦粉とはちみつ、スパイスです。なかでも「はちみつを使うこと」が大きな特徴のひとつで、はちみつを使うことでパンデピス特有のしっとり、もっちりとした食感と深い甘みが生まれます。
はちみつにはアカシアや栗、ラベンダーなどさまざまな種類がありますが、使用するはちみつの種類によって風味や色合いが変化するのも魅力です。
スパイスはシナモン、ジンジャー、クローブ、ナツメグ、アニスなどがよく使われます。スパイスの種類や配合はレシピによって異なりますが、複数のスパイスをミックスすることで豊かな風味となり、口に含む度に味わいの変化を楽しめるのです。また、オレンジやレモンの皮の砂糖漬けやクルミなどが入るものもあります。
かつては長期保存食として作られていた
パンデピスは防腐作用や殺菌効果のある蜂蜜やスパイスを使って作られていることもあり、かつては長期保存食としても重宝されていました。
また、数日寝かせることで蜂蜜の糖分が全体に回り、スパイスの風味も馴染んでより濃厚な味わいになっていくのだとか。伝統的な製法で作られたパンデピスも食べてみてくなりますね。
伝統的な製法
伝統的な製法では、小麦粉に加えてライ麦粉を使用することもあります。
また、バターや卵を使わない、または使用しても少量のレシピが多いのも特徴です。ライ麦粉を使うことでずっしりとした質感の生地になり、口に入れるとホロホロと溶けるような食感と少し酸味のある独特の風味が生まれます。
💡ワンポイント豆知識
ちなみに、より伝統的なレシピを踏襲する場合は、蜂蜜と粉類を混ぜた生地を数日寝かせるという行程が加わります。こうすることで、蜂蜜のもつ発酵力により生地が熟成され、独特の風味が生まれるようです。
ジンジャーブレッドとの違い
パンデピスと見た目や材料が似ている「ジンジャーブレッド(ケーキタイプ)」というお菓子があります。以下で違いを比較してみましょう。
| パンデピス | ジンジャーブレッド | |
|---|---|---|
| 国 | フランス | イギリス |
| 甘味料 | 蜂蜜 | 糖蜜(モラセス、トリークルなど) |
| スパイス | シナモン、ジンジャー、クローブ、ナツメグ、アニスなど | ジンジャー、シナモン |
| 生地 | 小麦粉・ライ麦粉、バターや卵は基本的に使わない | 小麦粉、バターや卵を使う |
| 味わいと食感 | 蜂蜜とスパイスの風味が効いていて、しっとりとした食感 | こっくりとした甘さでジンジャーが香る、どっしりとした食べ応えがある |
この2つは非常に似ていますが、パンデピスは甘味の主体が「蜂蜜」で、ジンジャーブレッドは「モラセス(糖蜜)」を使う点が大きな違いです。
また、パンデピスはたくさんの種類のスパイスを使用した複雑な風味を持ちますが、ジンジャーブレッドはジンジャーが主体のシンプルな風味です。生地はパンデピスの伝統的な製法ではライ麦粉を使い、バターや卵は使用しないのに対し、ジンジャーがブレッドはバターや卵を比較的多く加えるレシピが主流となっています。
本場流!パンデピスの美味しい食べ方・アレンジ
パンデピスはそのまま食べるのはもちろん、アレンジして楽しむこともできます。
そのままスライスして食べる
まずは薄くスライスして、そのままスパイスと蜂蜜の香りを楽しむのがおすすめ!
風味が強いので、コーヒーや紅茶はもちろん、スパイスティーやグリューワイン(スパイス入りのホットワイン)などスパイスを使った飲み物との相性が抜群です。フランスでは、ワインにパンデピスを浸して食べたりもするそうですよ。
バターやジャムを塗って食べる
スライスして軽くトーストし、有塩バターを塗る食べ方もおすすめです。
トーストすることでスパイスの風味がより一層引き立ち、表面はカリッと香ばしく、中はもっちりとした食感が楽しめますよ。また、オレンジマーマレードやアプリコットジャムなど、酸味のあるジャムとも相性がよいのでぜひお試しください!
フォアグラやブルーチーズと合わせて食べる
パンデピスは肉料理やチーズとも相性抜群!本場フランスでは、フォアグラをのせたアペリティフ(食前のおつまみ)が定番だそうですよ。
薄くスライスしたパンデピスを軽くトーストし、フォアグラのパテやブルーチーズ、シェーブル(ヤギのチーズ)などをのせて食べます。蜂蜜の甘さとスパイスの風味が、塩気やコクの強い食材と調和して絶妙な味わいに。
パンデピスのレシピをご紹介
ここでパンデピスのレシピをご紹介します。こちらのレシピは伝統的な製法ではないため、作ったらできるだけ早めに食べてください。ぜひレシピ動画をチェックしていただき、挑戦してみてくださいね。
パンデピス
今年のクリスマスはパンデピスを手作りしてみませんか?はちみつの甘みとスパイスの風味、オレンジピールの爽やかな酸味のバランスが絶妙で、ついつい手が伸びるおいしさ!順番に混ぜてオーブンで焼くだけなので、材料さえ揃えればご家庭でも意外と簡単に作ることができますよ。
スパイスと蜂蜜が香るフランスの伝統を味わおう
今回はフランスの伝統的なお菓子、パンデピスについて解説しました。日本ではあまり馴染みがありませんが、スパイスの風味と蜂蜜の深い甘みが魅力で、一度食べたら虜になるような魅力的なお菓子です。市販品を購入するのはもちろん、ご家庭でも作ることができますので、ぜひそのおいしさを味わってみてくださいね。
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