子どものおやつやお酒のおつまみの定番として親しまれている「あたりめ」。噛めば噛むほどじんわりと旨味があふれますよね。イカを使ったおつまみにはするめやさきいかもありますが、どのような違いがあるのでしょうか?この記事ではあたりめの特徴や由来に加え、するめやさきいかとの違いについて解説します。
イカのおつまみ「あたりめ」とは?するめやさきいかとの違いについても解説!

- 目次
- あたりめとは?
- あたりめに使われるイカの種類
- するめやさきいかとはどう違う?
- するめとは?
- さきいかとは?
- あたりめの作り方とおいしい食べ方
- あたりめの作り方
- あたりめのおいしい食べ方
あたりめとは?
あたりめとはイカの内臓を取り除いて乾燥させた加工食品のこと。素干しや機械などで乾燥させており、長期保存ができる乾物の一種です。茶褐色で食感はかたく、イカの旨味が凝縮されており、噛めば噛むほど香ばしい旨味があふれます。市販のあたりめにはさまざまな商品があり、ソフトな噛み心地のものからしっかりとした歯ごたえのあるタイプまで多種多様です。しょうゆやみりんなどで味つけされているタイプはおやつやおつまみとしてそのまま食べてもおいしいですし、味つけされていないものはイカ本来の旨味を堪能でき、さまざまな料理にも活用することができます。
あたりめの発祥については諸説ありますが、もともとはするめと呼ばれていたものがあたりめという俗名でも呼ばれるようになったようです。内蔵を取り除いたイカを乾燥させるという製法そのものは日本で古くから存在しており、平安時代にはすでに存在していたと考えられています。平安時代に編纂された「延喜式」という書物には諸朝廷への献上品のひとつとしてあわびや鮭と並んでイカが記されており、これは現代で言うあたりめやするめのことだろうとされているんですよ。当時のイカは縁起物として儀式や儀礼などで使われていました。
ちなみにするめと呼ばれるようになるのは室町時代の中期ごろで、イカを表す「墨を吐く群れ」という言葉が「すみむれ」へと変化し、「するめ」になったという説が有力です。
あたりめに使われるイカの種類
あたりめに使われるイカの種類はさまざまですが、スルメイカやヤリイカ、ケンサキイカなどが定番です。最近ではコウイカやアオリイカ、シリヤケイカやミズイカなどが使われる場合もあります。実は、あたりめやするめにはグレードがあり、最高級品はケンサキイカを使ったものです。これらは「1番するめ」と呼ばれています。続いてグレードが高いものがスルメイカを使用したもの。これを「2番するめ」と言います。これらはかつて中国へ輸出していた際に等級として用いられていた表現の名残です。そのほか、シリヤケイカやコウイカを使ったものは「コウツするめ」、ミズイカやアオリイカを使ったものは「袋するめ」や「おたふくするめ」として親しまれています。
それ以外にも珍しいものでは、ホタルイカを使ったあたりめがあります。ホタルイカは小さくて下処理がむずかしいため、内蔵を取り除かずまるごと炙ってから乾燥させることが一般的なようです。
するめやさきいかとはどう違う?
あたりめとよく似たイカを加工したおつまみに、するめやさきいかがあります。一体どのような違いがあるのでしょうか?それぞれの違いや特徴について見ていきましょう。
するめとは?
結論から言うと、するめはイカの内蔵を取り除いて乾燥させたもので、あたりめと同じものを指します。するめとあたりめのふたつの呼び方がある理由には諸説ありますが、するめという名前の縁起がよくないということから、あたりめという別名がつけられたという説が有力です。するめという名前がお金を「する」というネガティブなイメージと結びつくことから、「あたり」というポジティブな呼び名をつけたと考えられています。するめは日持ちする食品で長く幸せが続くというイメージに結びつくため、結納などの儀式に用いられる縁起物でした。そのため、お祝いごとにふさわしいあたりめという名前が普及したようです。
さきいかとは?
さきいかは生のイカやあたりめを炙り焼きにして裂いたものです。漢字では「裂きイカ」となります。あたりめと比べるとさきいかの歴史は浅く、昭和30年代に生まれた比較的新しい食べ方と言われています。もともとはあたりめを炙り焼きにした後、ローラーなどで伸ばしてイカの身を割り、それを裂いて作られていたそうです。ローラーで押しつぶして伸ばす工程によりイカの繊維が細くなるため、さきいかはあたりめよりもやわらかい食感になります。また、多くの場合さきいかは味をつけてから炙っているのでしっかりと味がついた状態です。最近では生のイカを使ったさきいかも増えてきています。生のイカを使ったものはとてもやわらかい食感でソフトさきいかと呼ばれているんですよ。
あたりめの作り方とおいしい食べ方
あたりめの特徴や由来に加え、するめやさきいかとの違いがわかったところでここからはあたりめの作り方やおすすめの食べ方についてご紹介します。
あたりめの作り方
イカを開いて内臓や目玉、くちばしを取る下処理を行い、洗浄します。形を整えてイカを干し、ある程度乾いたところで再び形を整え、もう一度たしたら完成です。
あたりめのおいしい食べ方
旨味が凝縮されているあたりめはそのまま食べるのはもちろん、さまざまな料理に活用することができます。水で戻してから炒め物にしたり、煮込み料理や揚げ物にしたりと多彩なアレンジが楽しめるんです!
まず、ご紹介するのはあたりめを七味マヨネーズで食べる定番の食べ方。あたりめをさっと炙って、食べやすいサイズにちぎり、マヨネーズと七味唐辛子を合わせたソースで食べます。お好みでしょうゆをつけるのもおすすめですよ。ビールや日本酒との相性も抜群です!あたりめを焼く際は弱火で腹側から焼くのがポイント。焼きすぎると身がしまってしまうのでさっと炙るようにしましょう。
意外な食べ方のひとつがあたりめの天ぷらです!水と酒を合わせたものにするめを浸して戻し、天ぷらにします。あたりめ特有の奥深い旨味とからりとした歯ごたえがたまりません!しょうゆや塩をかけて食べると絶品です!
水で戻したあたりめを使った炒め物もおすすめです。十分戻したら食べやすいサイズにカットしてお好みの具材と炒め、バターしょうゆや塩こしょうなどで味つけすれば旨味たっぷりのおかずが完成します。シンプルな味つけでもあたりめの旨味でコク深い味わいになりますよ。お好みで七味唐辛子をトッピングするとお酒にぴったりのおつまみになります。
いつもの煮物にあたりめを加えるだけでぐっと旨味がアップ!あたりめは細かく裂いてから煮物に入れましょう。煮込むうちにあたりめがやわらかくふっくらとして、旨味が煮汁やほかの具材に移ります。生のイカがないときのピンチヒッターとしても大活躍!生のイカとはひと味違う香ばしさと奥深さを堪能してみてくださいね。
そのまま食べるだけじゃない!多彩なアレンジが楽しめるあたりめを活用しよう!
いかがでしたか?あたりめの由来や特徴、するめやさきいかとの違いに加え、あたりめの作り方やおすすめの食べ方などをご紹介しました。そのまま食べるイメージの強いあたりめですが、煮物や天ぷらなどさまざまな料理に活用できるというのは意外だったのではないでしょうか?今まであたりめを料理に使ったことがなかった方も、ぜひこの機会にさまざまなシーンであたりめを活用してみてくださいね。
※20歳未満の飲酒はやめましょう。