大粒で濃厚な甘味が魅力の巨峰。ぶどうの中で一番好きという方も多く、そのおいしさはまさに「ぶどうの王様」と称されるほどですよね。
巨峰の選び方と栄養素|買い物で役立つ基本の「き」

しかし、巨峰の魅力は見栄えやおいしさだけではありません。その強い甘味の正体は「ブドウ糖」という栄養素。「ブドウ糖=太る」というイメージがあり敬遠する方も多いかもしれませんが、ブドウ糖は脳がエネルギーとして活用できる唯一の物質で、私達が生きていく上で欠かせない存在なんです。
そこで今回は、巨峰に含まれる栄養素や、正しい食べ方、新鮮な巨峰の選び方についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
- 目次
- 正式名称は「石原センテニアル」
- 日本で初めて誕生した大粒のぶどう
- ぶどう栽培に革命をもたらすきっかけに
- 主要な栄養素はこちら
- 脳の働きを活発にする「ブドウ糖」に注目
- 新鮮な巨峰には「ブルーム」が付いている
- 洗うのは食べる直前に
- 巨峰で1日の始まりを元気に!
正式名称は「石原センテニアル」
実は「巨峰」というのは商品名で、正式な品種名は「石原センテニアル」といいます。巨峰は「石原早生」と「センテニアル」を交配して作られたぶどうで、1955年に商標登録されました。当時の研究所から雄大な富士山が見えたことから、その名前が付けられたと言われています。
日本で初めて誕生した大粒のぶどう
新しい品種のぶどうが次々と登場する中、巨峰はいまだに国内で最も多く栽培されており、その生産量は全体の約35%を占めています。しかし、巨峰が登場するまで国産のぶどうといえばデラウェアなど、小粒であまり糖度が高くないものが主流でした。
本来ぶどうの原産地は、エジプトのように乾燥した地域です。日本のように温暖多湿の地域で大粒のぶどうを育てるのはとても難しく、数々の苦労を乗り越えながら誕生したのが巨峰でした。
ぶどう栽培に革命をもたらすきっかけに
大粒で甘い巨峰は大人気になり、ぶどう狩りブームを巻き起こすほどでした。その後、巨峰を元にピオーネやナガノパープルなどさまざまな品種が誕生するようになり、現在日本で登録されている品種は100種類以上になります。巨峰の登場と栽培方法の確立は、日本のぶどう栽培に革命をもたらした出来事だったのです。
主要な栄養素はこちら
巨峰(ぶどう/皮つき)100gに含まれる主な栄養素は以下の通りです。
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エネルギー 69kcal
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たんぱく質 0.6g
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脂質 0.2
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炭水化物 16.9g
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カリウム 220mg
脳の働きを活発にする「ブドウ糖」に注目
巨峰の糖度は18%以上と高く、その主成分はブドウ糖です。また、果皮や種子にはアントシアニンやレスベラトロール、タンニンなどのポリフェノールが含まれています。
■ブドウ糖
ブドウ糖は脳がエネルギーとして利用できる唯一の物質で、脳の働きを活性化して集中力を高めると言われています。しかし、体内に大量に貯蔵しておくことができないので、毎日の食事から適度に摂取する必要があります。
■アントシアニン
巨峰の果皮や種子に含まれるアントシアニンはポリフェノールの一種で、植物に含まれる色素です。活性酸素の発生を抑えたり、取り除く働きがあると言われています。
■カリウム
カリウムには、体内の余分なナトリウムを排出する働きがあります。筋肉の収縮や神経の働きにも密接にかかわる重要なミネラルのひとつです。
新鮮な巨峰には「ブルーム」が付いている
巨峰は収穫してから追熟しないので、時間が経ってもそれ以上甘くなりません。購入する際は必ず新鮮なものを選び、できる限り早めに食べきるようにしましょう。新鮮でおいしい巨峰を選ぶためのポイントは以下の3つです。
■果皮にブルームが付いている
巨峰の果皮に付いている白い粉は「ブルーム(果粉)」と呼ばれるもので、水分の蒸発を防ぎ鮮度を保つ効果があります。ブルームはよく農薬と間違われますが、きれいに付いているものほど鮮度が高くておいしいです。
■色が濃くて粒に張りがある
果皮の色が濃くて粒に張りがあるものは、完熟してから収穫されているので甘味が強いです。
■軸が緑色でしっかりしている
軸が緑色でしっかりとしているものは鮮度がいいです。軸が茶色く枯れているものは、収穫後日にちが経っている場合が多いので避けましょう。
洗うのは食べる直前に
せっかくなら、巨峰のおいしさや栄養素を余すことなく楽しみたいですよね。調理の際に気をつけるべきポイントは以下の3つです。
■食べる直前に洗う
巨峰はブルームを洗い落とすと傷みやすくなってしまうので、食べる直前に洗うようにしましょう。
■皮は軸と反対側から剥く
皮は軸と反対側の部分から剥くのがおすすめです。ナイフで十字に切れ目を入れ、そこから剥くと比較的きれいに剥けます。
■ポリフェノールを摂りたいなら皮ごと
アントシアニンなどのポリフェノールは果皮に多く含まれているので、栄養価を考えるなら皮ごといただくのがおすすめです。
巨峰で1日の始まりを元気に!
今回は、巨峰に含まれる栄養素や正しい食べ方、新鮮な巨峰の選び方についてご紹介しました。
濃厚な甘味が魅力の巨峰は、1日の始まりである朝食にいただくのがおすすめです。巨峰に含まれるブドウ糖が脳のエネルギー源になりますよ。また、皮の食感や渋みが気になるという方は、スムージーにするとおいしくいただけますので、お試しくださいね。
クラシルでは、巨峰の保存方法についてもご紹介しています。こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。