「ヨークシャープディング」という食べ物をご存じですか。名前だけ聞くとスイーツのようですが、イギリスではローストビーフの付け合わせとして食べられている、パンのような料理なんです。この記事ではヨークシャープディングの味や歴史、おいしい食べ方を解説します。おすすめのレシピもご紹介するので、ぜひ最後までご覧くださいね。
【ヨークシャープディングとは?】失敗しない基本のレシピ!本場イギリス流の食べ方やコツも解説
- 目次
- イギリスの伝統料理ヨークシャープディングとは?
- ローストビーフの定番の付け合わせ
- 名前の由来と歴史
- ポップオーバーやシュークリームとの違い
- 失敗しない!ヨークシャープディングを上手に膨らませる3つのポイント
- 本場流!ヨークシャープディングのおいしい食べ方・アレンジ
- ヨークシャープディングのレシピをご紹介
- ヨークシャープディングをつくってみよう!
イギリスの伝統料理ヨークシャープディングとは?
ヨークシャープディングとは、小麦粉と卵、牛乳、塩などを混ぜ合わせてオーブンで焼きあげるイギリスの伝統的な付け合わせです。
スイーツのプリンを連想させる名前ですが、この場合のプディングは「蒸し料理」を意味し、実際は食事系のパンのような一品なんですよ。一般的には、丸く中心がくぼんだ小さな器のような形をしていて、ほのかに塩味を感じる素朴でやさしい味わいが楽しめます。
ローストビーフの定番の付け合わせ
ヨークシャープディングはイギリスで主に肉料理の付け合わせとして食べられています。外はカリっと、中はシュー生地のようにもちっとした食感が特徴です。
ローストビーフの肉汁(グレイビーソース)をたっぷりと生地に染み込ませて食べるのが一般的。素朴な味わいのヨークシャープディングが濃厚な肉の旨みを受け止め、ボリューム感も加わって食事の満足感をぐっと高めてくれます。日曜日に家族で囲むごちそう「サンデーロースト」にも欠かせない存在で子どもから大人まで親しまれている料理です。
名前の由来と歴史
ヨークシャープディングという名前は発祥地のイングランド北部のヨークシャー地方に由来しています。
食糧が豊富ではなかった18世紀のイギリスでは「ドリッピング・プディング」と呼ばれ、肉の下に生地を置いて滴り落ちる肉汁を吸わせながら焼きあげていたそうです。肉を焼く際に出る肉汁を無駄なく使い、限られた材料で料理にボリュームを出す工夫として広まりました。現在ではマフィン型などを使って手軽に作られるようになっています。
ポップオーバーやシュークリームとの違い
見た目がふんわりと膨らんでいて中が空洞の「ヨークシャープディング」。実はこの形や材料の共通点から、ポップオーバーやシュークリームと混同されがちです。ポップオーバーは、アメリカ発祥の軽やかなパンで、日本ではまだあまりなじみがありませんが、外はパリッと中は空洞で、スイーツにも食事にも使える便利な一品なんですよ。これらは見た目が似ていて主な材料もほぼ同じですが、実はそれぞれ違いがあります。
ここではこれらの3つを比較してみましょう。
| ヨークシャープディング | ポップオーバー | シュークリーム | |
|---|---|---|---|
| 国 | イギリス(ヨークシャー地方) |
アメリカ |
フランス |
| 材料 | 小麦粉、卵、牛乳、塩、油または牛脂 |
小麦粉、卵、牛乳、塩、バターまたは油、砂糖 |
小麦粉、卵、牛乳、バター、塩、砂糖、水 |
| 形状 | 中心がくぼんだ器形 |
型からあふれるように大きく膨らんでいる、中が空洞 |
丸形、中が空洞 |
| 用途 | 食事用(主に肉料理の付け合わせ) |
食事やスイーツ |
スイーツ |
国
ヨークシャープディングは先ほど触れた通り、イギリスのヨークシャー地方が発祥です。一方、ポップオーバーはヨークシャープディングをもとにアメリカで独自に発展して生まれました。
シュークリームはイタリアのシュー生地がフランスで改良されてクリームを詰めるスイーツとして定着しました。
材料
3つとも小麦粉、卵、牛乳を主な材料とする点は共通しています。ヨークシャープディングは水分の割合が多く、甘さを加えず食事に合うシンプルな味わいが特徴です。さらに、焼くときに型に牛脂(ビーフドリッピング)を入れるのが伝統的なスタイルで、肉料理と相性のよい香ばしさが生まれます。
ポップオーバーは粉の量がやや多く、砂糖を加えるレシピもあります。シュークリームはバターをたっぷり使うことで、よりリッチな味わいが特徴です。
形状
ヨークシャープディングはマフィン型やパウンド型で焼きあげ、中心がくぼんだ器のような形が一般的です。
ポップオーバーは専用の深さのある型を使うことで大きく縦に膨らみ、中が空洞になりやすいのが特徴。シュークリームは生地を丸い形に絞り出して焼き、中が空洞でクリームを詰めやすい形になっています。
用途
ヨークシャープディングは主にローストビーフなどの肉料理の付け合わせとして、食事の一部として食べられます。
ポップオーバーはパンの代わりや食事の付け合わせにもなりますが、スイーツにアレンジすることもでき幅広く楽しまれています。シュークリームは日本でも定番のスイーツで、カスタードクリームや生クリームなどを詰めて仕上げます。
失敗しない!ヨークシャープディングを上手に膨らませる3つのポイント
ヨークシャープディングをしっかり膨らませるにはいくつかのポイントがあります。生地の扱い方や焼き方のコツを押さえることで失敗しにくく、仕上がりがぐっとよくなりますよ。ここでは上手に膨らませるためのポイントをご紹介します。
生地は混ぜすぎず、しっかり休ませる
生地作りで最も大切なのは、混ぜすぎないことです。小麦粉は混ぜるほどにグルテンの力(弾力のもと)が強くなり、焼いたときに硬くなり膨らみにくくなってしまいます。
また、材料をさっくり混ぜ合わせたら最低30分、できれば1時間以上は冷蔵庫で休ませてください。生地を休ませることで粉に水分が均一に行き渡り、グルテンの力が弱まり生地が落ち着くので、膨らみやすく軽い焼きあがりになりますよ。
型と油は「煙が出るまで」熱々に予熱する
ヨークシャープディングをしっかり膨らませるにはオーブンと型を熱々に予熱しておくことがとても重要です。
オーブンを予熱する際に型に少量の油(オリーブオイルや牛脂など)を入れ、オーブンの中で煙が出るくらいまで熱々に熱しましょう。生地を流し込んだ瞬間にジュッと音がするくらい高温にするのがポイントです。
オーブンに入れると生地内部の水分が急速に蒸発して、その水蒸気圧によって一気に生地が膨らみます。さらに生地の外側がカリッと内側はもちっとした食感になるのです。
焼いている途中でオーブンは絶対に開けない
生地がオーブンの中で膨らんでいる間は、絶対にオーブンの扉を開けないでください。
焼いている間に扉を開けてしまうと庫内の温度が急激に下がり、生地の膨らみを支えていた水蒸気が冷えてしぼんでしまうためです。庫内の温度が下がると、せっかく大きく膨らんだ生地がぺしゃんこになってしまうことも。生地が焼き固まるまではガラス越しに様子を見るのが膨らみを維持するコツですよ。
本場流!ヨークシャープディングのおいしい食べ方・アレンジ
ヨークシャープディングは甘みのない素朴な味わいなので、さまざまなアレンジが可能です。ここではイギリスの伝統的な食べ方から簡単にできるアレンジまで、ヨークシャープディングのおいしい食べ方をご紹介します。
ローストビーフと一緒に
ヨークシャープディングの本場イギリスでは、ローストビーフなどの肉料理の付け合わせとして食べるのがもっとも一般的です。
焼きたてのヨークシャープディングに熱々のグレイビーソースをたっぷりかければ、もちもちとした生地がソースをしっかり吸い込んで、ジューシーで濃厚な肉の旨みを余すことなく味わえます。にんじんやじゃがいもなどの付け合わせ野菜と一緒に盛りつければ、満足感たっぷりな一皿の完成です。
ジャムやシロップ、アイスを添えて
ヨークシャープディングの生地自体は甘みがなく、ほのかな塩味がする程度です。そのため甘いものを添えるとスイーツとしてもおいしくいただけますよ。
ジャムやはちみつ、メープルシロップ、粉砂糖などをかけるだけで、手軽なスイーツに早変わり。生クリームや季節のフルーツ、ナッツを添えればポップオーバーやパンケーキのような感覚で楽しめます。
また、焼きたてのヨークシャープティングにお好みのアイスクリームを合わせれば、温かさと冷たさが合わさったカフェ風スイーツになりますよ。
朝食のプレートに加えて
余ったヨークシャープディングは、温め直して朝食のプレートにパン代わりとして加えるのもおすすめです。
ベーコンやウィンナー、卵料理やサラダと一緒にワンプレートに盛り付ければ、バランスのよい朝食に。半熟卵の黄身を絡めたり、バターやチーズをのせたりして新しい味わいを楽しんでくださいね。
ヨークシャープディングのレシピをご紹介
ヨークシャープディングの魅力や上手に膨らませるコツを知って実際に作ってみたくなったのではないでしょうか。ここからは身近な材料で作れるヨークシャープティングのレシピをご紹介します。ぜひチャレンジしてみてくださいね。
ヨークシャープディング
マフィン型で作る基本のヨークシャープディングのレシピです。オーブンでオリーブオイルを入れた型を熱々に熱し、生地を手早く流し込むのがポイント。おうちにある材料を使ってあっという間に完成します。肉料理の付け合わせとしてはもちろん、朝食やおやつにもおすすめですよ。
ヨークシャープディングをつくってみよう!
今回はイギリスの付け合わせの定番、ヨークシャープティングの作り方のポイントや食べ方のアレンジを解説し、基本のレシピもご紹介しました。意外にもおうちで簡単にお作りいただけるので、ぜひ焼きたてのアツアツを味わってみてくださいね。
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