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イギリスの伝統菓子「クリスマスプディング」とは?伝統的な作り方や食べ方についても解説!

イギリスの伝統菓子「クリスマスプディング」とは?伝統的な作り方や食べ方についても解説!

「クリスマスプディング」というお菓子を知っていますか?イギリスのクリスマスには欠かせない伝統的なデザートで、スターアップサンデーと呼ばれる日曜日に作られます。この記事では、クリスマスプディングの特徴や食べ方のほか、今年のスターアップサンデーの日にちや歴史について解説します。ぜひチェックしてみてくださいね。

  • 目次
  • クリスマスプディングとは
  • クリスマスプディングを作る日は決められている?
  • クリスマスプディングの伝統的な作り方
  • クリスマスプディングの食べ方
  • クリスマスプディングの歴史
  • 今年のクリスマスにクリスマスプディングはいかが?

クリスマスプディングとは

クリスマスプディング(Christmas pudding)とは、イギリスの伝統的なクリスマスのデザートのことです。プディングといっても、私たち日本人が思い浮かべるプリンとは見た目も味わいも異なります。

クリスマスプディングはドライフルーツやナッツがたっぷりと入っていて、スパイスが効いた豊かな風味と重厚な食感をしており、色は真っ黒で、半球状の形をしているのが特徴です。プラムを使用することが多いため「プラム・プディング」と呼ばれることもあります。

クリスマスプディングを作る日は決められている?

クリスマス・プディングは作る日が決まっています。それが「スターアップサンデー」と呼ばれる日曜日です。

2025年は11月23日(日)

となります。

クリスマスの1ヶ月以上前から準備をする

イギリスではクリスマスの4週間前からクリスマスの前日(12月24日)までがアドベント期間であり、さらにその一週間前の日曜日が「Stir-up Sunday(スターアップサンデー)」と呼ばれ、その日にクリスマスプディングを作る習慣があるのだとか!ちなみにこの「Stir-up」とは、英語で「かき混ぜる」という意味があります。

12月25日の5週間前にあたる日曜日にクリスマスプディングを作り始めるというと、よりわかりやすいかもしれません。クリスマスの1ヶ月以上前から準備をするなんて驚きですよね!

クリスマスプディングの伝統的な作り方

クリスマスプディングを作る工程には数々の伝統的な意味があり、現在でも大切に守られています。以下で確認してみましょう。

願い事をしながら時計回りにかき混ぜる

まず、クリスマスプディングの生地を作る際には、焼く前に家族が一人ずつ願い事をしながらかき混ぜます。

かき混ぜる方向は東から西、または時計回りと決まっており、これはイエスが誕生した際に家族を訪問して祝福したとされる「東方の三賢者」が東から西へやってきたことが由来なのだそうです。

生地に使う材料も13種類と決められている

生地には、13種類の材料を使わなければならないという決まりがあります。これはキリストと12人の使徒の数に由来するようです。レシピは各家庭で先祖代々受け継がれ、材料や調味料の配合などには家庭によって異なるのだとか。

クリスマスプディングの生地には生パン粉にスエットとよばれる牛の脂、卵、砂糖が使われ、そこにレーズンやサルタナ、カレンツなどのドライフルーツのほか、シナモンやナツメグ、クローブなどのスパイスを加えて作ります。くるみなどのナッツや柑橘類の皮が使われることも多いようです。さらに、ラム酒やブランデー、黒ビールといったアルコールも欠かせません。

指輪などを入れて将来の運勢を占う

クリスマスプディングの生地を蒸す前に「硬貨」や「指輪」「指ぬき」などを入れます。自分に取り分けられたものに何が入っているかで、将来の運勢を占うのだそうです。

硬貨は幸福、指輪は結婚、指ぬきは独身の象徴となるのだとか。ただ、最近は安全性や衛生面から、イギリスでもお店で販売しているクリスマスプディングには入っていないものがほとんどのようです。

クリスマスプディングは熟成が必須

生地ができたら陶器の型に流し込み、蓋をしてじっくりと蒸します。時間は4時間以上、サイズが大きければ10時間を超えることもあるそうです。

蒸しあがったクリスマスプディングは一か月間ほど涼しい場所で保存して、ときどきラム酒やブランデーをかけながら熟成させます。熟成期間の間にドライフルーツの風味が生地全体に染み渡り、より深い味わいに仕上がると言われており、こういった手間と時間をかけて、それぞれの家庭で異なる味わいのクリスマスプディングが完成するのです。

クリスマスプディングの食べ方

一か月熟成させたクリスマスプディングは、クリスマスディナーのクライマックスに登場します。以下でどのように食べられているのか、確認してみましょう。

ラム酒やブランデーをかけて火をつける

当日は食べる前に再度1時間ほど蒸して温めてお皿にひっくり返し、温めたブランデーやラム酒を注いで火をつけます。すると、クリスマスプディングが青い炎に包まれて幻想的な雰囲気に。クリスマスのムードが一気に高まります。

火をつけてフランベしてアルコールを飛ばすことで、ラム酒やブランデーの香りがプディングに回って芳醇な味わいが楽しめるのだそうです。

ブランデークリームなどを添えて食べる

表面が溶けてやわらかくなったクリスマスプディングに柊の木と実を飾り、濃厚なブランデークリームやブランデーバターを添えていただきます。

火をつけることでアルコールは飛ぶそうですが、やはり入っている食材などからも分かる通り、お酒の風味を感じるデザートなので、イギリスでも好き嫌いが分かれるのだそうです。

近年は日本でもイギリス料理店で提供されたり、ホテルのパティスリーなどで日本人向けに食べやすくアレンジされたものなども販売されているので、興味がある方はぜひ試してみてはいかがでしょうか。

クリスマスプディングの歴史

最後にクリスマスプディングの起源や歴史について見てみましょう。

クリスマスプディングはスープだった!?

クリスマスプディングの起源は15世紀前半まで遡ります。当時は甘いデザートではなく「プラム・ポタージュ」と呼ばれる料理で、牛や羊の肉を刻んだものをメインにドライフルーツやスパイスが入った濃厚なスープでした。

その後「フィギー・プディング」と呼ばれる甘くてやわらかいお粥状のポリッジに発展し、現在のような半球状の形に近づいてきたのは19世紀近くのことです。

清教徒革命により一時は食べられなくなった

これまでの内容からもわかる通り、クリスマスプディングには長い歴史があり、16世紀頃にはクリスマスに楽しむ食べ物として定着していました。

ところが1644年の清教徒革命(ピューリタン革命)ではカトリック的なものは排除され、クリスマスの行事だけでなく、クリスマスプディングやミンスパイといったクリスマスをお祝いするための食べ物を食べることに対しても禁止令が出されました。

19世紀に入り英国王室のデザートとして採用される

革命後に解禁され再び食卓に上るようになり、スープのようなものから現在のものに近い形と固さになったのが19世紀ごろ。当時のイギリスを統治するヴィクトリア女王がクリスマスにご馳走を食べてお祝いすることを推奨し、クリスマスプディングを英国王室のデザートとして採用したことから、イギリスのクリスマスには欠かせないものになっていきました。

また、イギリスの作家であるチャールズ・ディケンズが1843年に発表した小説「クリスマス・キャロル」にもクリスマスプディングが登場し、広く知られるようになったようです。

今年のクリスマスにクリスマスプディングはいかが?

イギリスのクリスマスに欠かせないデザート「クリスマスプディング」について解説しました。イギリスの家庭では伝統的に作られていますが、日本ではなかなかお目にかかることは少ないかもしれません。スパイスとお酒の豊かな風味とドライフルーツがたっぷりと入った重厚な味わいが魅力なので、ぜひ一度味わってみてはいかがでしょうか。

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2024.12.12 最終更新

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