■保存期間
食べ切り
■紹介文
今回は、特別編「鍋料理のレシピ」です。
本当にたくさんのリクエストをいただいていました、私がよく作る鍋料理「スンドゥブチゲ」のレシピをご紹介します。
このレシピでは、本場韓国のスンドゥブチゲに入っている、キムチ、アミの塩辛、ダシダ、煮干し、といった「いわゆる本場の食材や調味料」を使っていません。
韓国の食材はコチジャンくらいでしょうか。
日本のどこでも手軽に材料が入手出来て、そして違和感なくおいしくいただけるレシピに仕上げています。
20年ほど前、大阪のコリアタウンの近所に5、6年ほど住んでいました。
そこから引っ越す際、「ここみたいな食材が手に入らんところで、これからもおいしいチゲが食べたい。そんなことできるんやろか?」と、コリアンの友人に相談して、そして教わったものが元になっています。
それから、長年作っている間に、材料を足したり引いたり、また足してみたり。
今は、季節問わず、毎週末のようにいただいています。
鶏がらスープをベースに、豚肉とあさり、そしてたっぷりの野菜の旨味が溶け込んだ、ピリ辛スープです。
とろける豆腐とたっぷりの具材で、体の芯から暖まります。ぜひお試しくださいませ。
■材料(たっぷり4人分)
絹ごし豆腐 2丁(300g×2)
豚肉(細切れ、切り落としなど) 200g
あさり 200g
長ねぎ 1本
■お好みの具材
※具材については、後述の「具材のバリエーション」もご参照くださいませ。
きのこ類 200g前後(えのきだけ、まいたけなど2種類以上使うと美味)
もやし・キャベツ・にらなど 合計400g前後
つくね・貝類・白身魚など 合計200g前後
■合わせ調味料
コチジャン 大さじ2
一味唐辛子 小さじ1~大さじ1(大さじ1は相当辛いです)
長ねぎみじん切り 5cm分
おろしにんにく 1片分(瓶詰・チューブなら小さじ1)
ごま油 大さじ1
■スープ材料
酒 100cc
水 800cc
鶏がらスープの素 大さじ1
しょうゆ 大さじ1
みりん 大さじ1
■仕上げ
ごま油 大さじ1
(お好みで) 卵
■作り方
【1】具材の下ごしらえをします。
あさりは、殻と殻をこすり合わせるようにして、流水でよく洗います。
洗うタイミングは、魚屋さんやスーパーで購入した流通しているあさりなら、次の手順の「砂抜き」の後でも構いません。
【2】あさりの砂抜きをします。
あさりは重ならないように、平らな保存容器かバットに並べます。
水300mlに塩小さじ2(分量外)を溶かして、海水程度の塩水を作り、その塩水を、あさりの頭が少し出るくらいまでの分量を注ぎ入れ、新聞紙をかぶせるか、なければ容器のふたをして、冷蔵庫に置きます。そのまま30分ほど放置し、砂抜きをしておきます。
砂抜きのポイントをご紹介します。
塩水の量は、あさりの頭が少し出るくらいの分量にしましょう。塩水の量は少なめのほうが、よく砂を吐いてくれます。また、それ以上の量を入れると、あさりが溺れて死んでしまうことがあります。
新聞紙をかぶせるのは、あさりは真っ暗な場所を好むこと、吐いた塩水が周りに飛び散ることを防ぐためです。
魚屋さんやスーパーで購入した流通しているあさりなら、砂抜きは冷蔵庫で30分程度、長くても2時間程度で充分です。あさりは急激な温度の変化、特に温度の上昇を嫌うので、購入したあさりであれば、砂抜きは冷蔵庫で行います。また、循環させない塩水に2時間以上漬けると、あさりが弱ったり死んでしまいますので、塩水から出しておきましょう。
【3】長ねぎは緑色の部分を5cm分ほど、みじん切りにします。
【4】残りは4cm長さの斜め切りにします。
きのこ類や野菜などの具材は、4cm程度の長さに切りそろえていきます。同じ長さ・大きさにすることで、均一に火が通るようにします。
順を追ってご説明いたします。
【5】きのこ類をほぐします。
えのきだけを使う場合は、袋ごと石づきをカットしカットしてから、半分程度の長さに切ります。
【6】まいたけ、ぶなしめじを使う場合は石づきを取り除いてから、手でばらばらにほぐします。
【7】もやしを使う場合はたっぷりの水に放って洗い、ざるにあけておきます。
【8】キャベツを使う場合は芯は取り除き、葉を4cm程度の幅に切ります。
にらを使う場合は、4cm程度の長さに切ります。
豚肉が大きい場合は、こちらも4cm程度の長さに切ります。
【9】鍋に合わせ調味料、豚肉、みじん切りにした長ねぎを入れ、よく混ぜ合わせます。
【10】弱火にかけます。
弱火は、コンロとフライパンの半分くらいの間に炎の先がある程度です。
【11】2~3分ほどそのままにし、ジューッという音がしてきたら、焦げないように混ぜます。
【12】さらに3分ほど加熱して、香りが立つまで炒めます。
【13】あさりを加え、酒を注ぎ、ざっと混ぜ合わせます。
【14】スープ材料、絹ごし豆腐を手でざっくりと大きめに切るようにして加え、強火にかけます。
スープの水の量は、鍋の7割以下になるよう、少し控えめの量にすると良いです。
煮込んでいるうちに、豆腐や、きのこ類や野菜などの具材から水分がたっぷりと出るためです。
【15】沸騰したら弱火にし、残りの具材を加えます。
【16】具材が煮えたら、ごま油を加えて全体をざっと混ぜ合わせます。
にらは、このタイミングで加えると、しゃきしゃきの歯ざわりでいただけます。
【17】これで出来上がりです。
煮汁ごと器に取り分けていただきます。
いただく際、お好みで卵を割り入れます。
鍋に直接入れても良いですし、各々で器に卵を溶いて、卵を絡めながらいただくと、辛さがマイルドになりコクが出ておいしいですよ。
■具材のバリエーション
スンドゥブチゲは、いろいろな具材が合います。
野菜がたっぷり摂れるのが、鍋料理の良いところです。
特にスンドゥブチゲは、鶏がらスープと豚肉のイノシン酸、あさりのコハク酸、野菜やきのこ類のグルタミン酸という旨味の宝庫で、飽きずにたっぷりと野菜を摂ることが出来ます。
私が試しておいしくいただけた具材、そして、それぞれの具材についての補足をメモしておきます。ご参考になれば幸いです。
【葉もの野菜】
にら/水菜/春菊/豆苗
長さ4cm程度に切りそろえたものを加えます。
他の具材が煮えた手順17で加えると、しゃきしゃきの歯ざわりでいただけます。
【淡色野菜、根菜など】
キャベツ/白菜/もやし/豆もやし/玉ねぎ/ごぼう/大根
いずれも手順16で加えます。
キャベツ、白菜は、芯を取り除き、長さ4cm程度に切りそろえます。
もやし・豆もやしは、切らずにそのまま使える便利な具材ですが、食中毒を防ぐためにも、たっぷりの水に放ち、洗ってから使いましょう。
玉ねぎは、7~8mm程度の薄切りにします。
ごぼうは、4cm程度の長さのささがきにして水に放ちます。
大根は2mm程度の厚さに切り、1.5cm幅(人差し指の幅目安)×4cm長さ程度に切ります。
【きのこ類】
えのきだけ/ぶなしめじ/まいたけ/エリンギ/しいたけ/干ししいたけ
いずれも手順16で加えます。
石づきを取り、ばらばらにほぐします。えのきだけ、エリンギは4cm長さ程度に切ります。
干ししいたけを使う場合は、戻し汁は、水といっしょに入れ、その分、水を減らしましょう。
【つくね】
つくね/肉団子
いずれも手順16で加えます。
市販のもので、もちろんOKですし、こちらの、つくねのレシピをご参考に、安価にたくさんの量を加えても良いです。
【貝類・白身魚など】
かき/はまぐり/たら/白子/えび/いか
いずれも手順16で加えます。
火を通し過ぎると硬くなりますので、その点はご注意くださいませ。
とはいえ、じっくり煮込むと、いい出汁が出るのも事実です。
【揚げ】
油揚げ/厚揚げ
いずれも手順16で加えます。
油揚げは1.5cm幅(人差し指の幅目安)、厚揚げは1.5cm厚さ程度に切りそろえ、熱湯に30秒ほど漬けて油抜きをします。
■作り置きのコツ・ポイント
あさりの砂抜きのポイントは手順【2】をご参照くださいませ。
きのこ類や野菜などの具材は、4cm程度の長さに切りそろえていきます。同じ長さ・大きさにすることで、均一に火が通るようにします。
スープ材料を加える際、スープの水の量は鍋の7割以下になるよう、少し控えめの量にすると良いです。煮込んでいるうちに、豆腐やきのこ類や野菜などの具材から水分がたっぷりと出るためです。
■アレンジのヒント
いただく際、お好みで卵を割り入れます。鍋に直接入れても良いですし、各々で器に卵を溶いて、卵を絡めながらいただくと、辛さがマイルドになりコクが出ておいしいですよ。
締めは、ご飯、そして緑豆春雨が合います。緑豆春雨は、別鍋で硬めに戻してから加えると良いです。乾麺そのままの状態で加えると、水分を全て吸ってしまい、かなり辛く仕上がってしまいます。
締めのご飯は、冷やご飯をスープで煮込んでも良いですが、温かいご飯があれば、あつあつのスープをぶっかけるだけで、クッパとしておいしくいただけます。冷やご飯なら、スープに冷やご飯を加え、温まったら溶き卵とごま油大さじ1目安を加えます。クッパなら、スープを温めて、温まったら溶き卵とごま油大さじ1目安を加えたものを、温かいご飯にたっぷりとぶっかけていただきましょう。いずれも、お好みでごまを散らすと、さらにおいしいです。
保存期間について:鍋料理ですので「食べ切り」と記載しましたが、もし余ったら、急冷後、冷蔵保存すれば、3日間は問題なくいただけます。私は意図せず3日間冷蔵庫でねかせ、その後具材をさらに足していただいたことがあります。溶け切った野菜の出汁や、豚肉やあさりやつくねや揚げから出た出汁が、より濃くなってもう本当においしくて、思う存分、堪能できました。
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