沖縄の人々に愛飲されている「さんぴん茶」。沖縄では、緑茶のようにスーパーやコンビニなどでも入手できる身近なお茶で、華やかなジャスミンの香りが特徴です。今回は、そんなフレーバーティーである「さんぴん茶」の特徴や味に加えて、名前の由来やジャスミン茶との違いについて解説します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
沖縄のさんぴん茶ってどんなお茶?味やジャスミン茶との違いを解説!
- 目次
- さんぴん茶とは?
- さんぴん茶の由来
- さんぴん茶とジャスミン茶の違い
- さんぴん茶のおいしい淹れ方とポイント
- 沖縄料理とさんぴん茶を楽しみたい!
さんぴん茶とは?
さんぴん茶は、沖縄で日常的に親しまれている、さっぱりとした味わいのお茶です。沖縄以外の地域ではあまり見かけることがなく、名前を初めて聞く方もいるかもしれません。
さんぴん茶の特徴はなんといっても、一口飲んだときに口いっぱいに広がるジャスミンの香り!口の中をやさしく包み込むようなこの香りが、食事中やティータイムに心地よいリフレッシュ感をもたらしてくれます。
こってりとした沖縄料理との相性も抜群で、ラフテーやアンダンスーといった濃厚な味つけの料理や、サーターアンダギーのような甘いお菓子ともよく合います。
このような理由から、沖縄ではウーロン茶や緑茶よりもさんぴん茶を好んで飲む人が多く、まさに“沖縄の暮らしに溶け込んだお茶”といえる存在です。
さんぴん茶の由来
かつて沖縄を含む日本の南西諸島を統治していた琉球王国は、中国をはじめとする東アジア諸国との貿易が盛んでした。なかでも親密だった中国からは優れた交易品が多数持ち込まれ、その中のひとつにジャスミン茶がありました。
こうして沖縄の地に持ち込まれたジャスミン茶は中国語の俗称「香片(シャンピエン)」が由来となり、沖縄の方言で「さんぴん」と呼んだのがさんぴん茶のはじまりだったのではないかと言われています。
さんぴん茶とジャスミン茶の違い
さんぴん茶とジャスミン茶は、どちらもジャスミンの花の香りをまとったお茶で、基本的には同じジャンルに分類されます。ただし「使われる茶葉」や「製法」などに違いがあるため、飲み比べると風味に差を感じることもあるんですよ。
2つのお茶の違いを表にまとめましたので、確認してみましょう。
| さんぴん茶 | ジャスミン茶 | |
|---|---|---|
| 茶葉の種類 | ウーロン茶(半発酵茶) |
緑茶(不発酵茶) |
| 香り | ジャスミンの香りはやや穏やか |
ジャスミンの香りが強め |
| 味わい | まろやかでクセが少ない |
渋み・苦味がやや出やすい |
| 産地 | 沖縄・台湾など |
中国が主流(福建省など) |
ベースの茶葉の違いについて
さんぴん茶とジャスミン茶の風味の違いは、使われている茶葉の種類にあります。
一般的なジャスミン茶は、緑茶をベースに作られることが多く、香りも味わいも華やかでやや強めの印象。一方、さんぴん茶はウーロン茶をベースにしているため、香りは穏やかで、味わいもまろやかです。
そのため、さんぴん茶は料理の風味を邪魔せず、特に脂っこい料理や甘いお菓子と合わせても飲みやすいのが特徴です。
なお、使われている茶葉や香りのつけ方はメーカーによって異なるため、風味にも差があります。
ぜひいろいろなさんぴん茶・ジャスミン茶を飲み比べて、自分にぴったりの一杯を探してみてくださいね。
💡ワンポイント豆知識
どちらも同じ「チャノキ」というお茶の木から作られていますが、大きな違いは製造工程の中でどれくらい酸化させるか(発酵の度合い)にあります。
緑茶は、茶葉の酸化をすぐに止める「不発酵茶」。収穫後すぐに蒸したり釜炒りしたりして、青々しい香りとさっぱりした味を引き出します。
一方ウーロン茶は、酸化をある程度進めてから香りを引き出し、最終的に炒って酸化を止める「半発酵茶」。香ばしさやまろやかさが特徴で、やさしい味わいになりますよ。
さんぴん茶のおいしい淹れ方とポイント
ここからはさんぴん茶のおいしい淹れ方をご紹介します。同じ茶葉でも淹れ方によって味わいが大きく変わるので、ぜひこちらでご紹介する方法やポイントを参考に、さんぴん茶本来の味わいを楽しんでみてくださいね。
1.沸騰したてのお湯は使わない
さんぴん茶を淹れるときの大事なポイントのひとつ目が、沸騰させたお湯をそのまま使用しないことです。
沸騰させた後、少し冷ました85~90℃が適温で、その温度帯のお湯を使って茶葉を蒸らします。温度を測ったり、冷めるまで待つのもよいですが、沸騰させたお湯を一度湯呑みに移し、そこから急須に移せばその過程でお湯が適度に冷めるので、適温で淹れることができますよ。
2.抽出時間はお好みで
抽出時間も、仕上がりの味わいを変える重要なポイントです。さんぴん茶の抽出時間は、すっきりと洗練された味わいが楽しめる1~2分ほどがおすすめ。
ほかの茶葉同様、抽出時間が長くなるほどに味わいは濃くなり、長すぎると渋みや雑味も出てきてしまうので注意が必要です。湯呑みに注ぐ際は、最後の一滴までしっかり注ぎ切りましょう!ちなみに、さんぴん茶は差し湯をすることでおかわりも楽しむことができます。
もっと手軽にさんぴん茶を楽しみたいなら
さんぴん茶は、茶葉で販売されているほか、買ってすぐ飲める缶やペットボトル入りのものや、急須などを使用しなくても楽しめるティーバッグタイプのものも販売されています。
さんぴん茶を手軽に楽しみたい方は、ぜひチェックしてみてくださいね。
沖縄料理とさんぴん茶を楽しみたい!
沖縄県民にとっては欠かすことのできない「さんぴん茶」。沖縄料理を提供するお店や観光で行った際には、ぜひ現地の料理とともにさんぴん茶を楽しんでみてくださいね!また、自宅でさんぴん茶を試してみたい方は通販などでも手軽に入手することができるので、記事でご紹介したおいしい淹れ方を参考に、ぜひ沖縄料理とともに食卓に並べてみてはいかがでしょうか。
