メロンの元祖とも呼ばれる伝統野菜「マクワウリ」。かつては日本でも日常的に親しまれていましたが時代の変化と共に見かけることも少なくなりました。しかし、韓国では夏の定番フルーツとして親しまれており、再び日本でも注目され始めています。今回は、そんなマクワウリの特徴のほか、旬の時期や味、食べ方などについて解説します。
メロンの仲間「マクワウリ」ってどんな野菜?味やおすすめの食べ方について解説!
- 目次
- マクワウリとは?特徴をチェック!
- マクワウリの味わい
- マクワウリの旬
- マクワウリという名前の由来や歴史
- 韓国では夏に食べられる定番フルーツ
- マクワウリのおいしい食べ方
- マクワウリの種類
- おいしいマクワウリの選び方
- マクワウリの保存方法と追熟のポイント
- マクワウリを使ったレシピをご紹介!
- マクワウリで懐かしの味を堪能しよう
マクワウリとは?特徴をチェック!
「マクワウリ」とは、メロンと同じウリ科キュウリ属に属する野菜のことです。以下で簡単に特徴を見てみましょう。
| マクワウリ | |
|---|---|
| 属性 | ウリ科キュウリ属 |
| 分類 | 野菜 |
| 形 | 主に俵型 |
| 色(見た目)※ | ・果皮は黄色 ・果肉は白色 |
| 旬 | 7月〜8月 |
| 産地 | 岐阜県 |
※種類によっては、緑色の品種もあります
マクワウリの味わい
マクワウリは、みずみずしくすっきりとした甘みが魅力で、香りはメロンに似ています。未熟なものはシャキシャキとした食感をしていますが、熟すとやわらかくなるようです。洋梨のようなやわらかさと表現されることもあります。
分類上は野菜ですが、果物と同じように食べられることからいちごやメロンなどと同じ「果実的野菜」として扱われることもあります。
マクワウリの旬
マクワウリの旬は7月から8月ごろ。暑さが増す夏の時期に、涼やかな甘さで親しまれてきました。
先ほど、味わいのところでも触れたようにみずみずしくてさっぱりとした味わいが、昔ながらの夏を感じさせる風物詩のような存在です。
マクワウリという名前の由来や歴史
「マクワウリ」という名前は、特産地として知られていた岐阜県・真桑村(まくわむら/現在の本巣市)に由来しているといわれています。
その歴史はとても古く、起源は2000年以上前ともいわれているんですよ!日本でも、縄文人の暮らしの痕跡が残る遺跡からマクワウリの種が見つかったり、「古事記」や「万葉集」にもマクワウリを意味するウリの名が登場するなど、古くから日本に根づいてきた伝統的な作物です。
プリンスメロンが登場し、生産量が激減
昭和初期のころまでは、日常的にいただくのはもちろん、お盆のお供えものに使うなど、広く親しまれていましたが、マクワウリと西洋系メロンの交配種である「プリンスメロン」が登場したのをきっかけに、生産が激減します。
今ではスーパーで見かけることも少なくなりましたが、伝統野菜として今なお各地で大切に育てられているんですよ。
韓国では夏に食べられる定番フルーツ
前述の通り、日本のスーパーではなかなか見かけることができないマクワウリですが、韓国では「チャメ(참외)」という名で親しまれています。
チャメはマクワウリの変種で、日本のマクワウリよりも糖度が高くジューシー!韓国ではスイカに並ぶ「夏を代表するフルーツ」として子どもから大人まで親しまれているんですよ。
💡ワンポイント豆知識
日本ではマクワウリは野菜として扱われることが多いですが、韓国では果物として扱われます。近年は日本でも、夏になると韓国食材専門店やネット通販などで購入できるので、気になる方はぜひチェックしてみてくださいね。
マクワウリのおいしい食べ方
マクワウリは、ほどよい甘みとみずみずしさが魅力です!ここからは、マクワウリのおいしい食べ方をご紹介します。
そのまま食べる
マクワウリは、メロンと同じように食べられます。まずは、メロンのように切り分けてそのまま食べるのがおすすめです!うまく果肉をくり抜き、黄色の果皮を活かして器として使うのもよいでしょう。
種の部分が甘いので、取り除いた種をざるなどで濾し、そこで出た果汁を果肉にかけて食べるとよしおいしくいただけます。
💡ワンポイント豆知識
ちなみにマクワウリは種まで食べられます。口当たりなどが気にならないのであれば、ぜひ種ごと食べてみてください。そうすればマクワウリの甘さをストレートに楽しめますよ。ただし、傷んでいるマクワウリは
避けてくださいね。新鮮なマクワウリを選んで、おいしくいただきましょう。
漬物にする
漬物にするのもまくわりうりの定番の食べ方です。ぬか漬けや味噌漬け、浅漬けなどでも楽しめます。
熟していない、シャキシャキとした食感のまくわうりを使うことが多いようです。
マリネやサラダにする
食感やみずみずしさ、すっきりとした甘さを活かして、サラダやマリネにするのもおすすめ!
マクワウリだけでフルーツサラダにするのもよいですが、トマトや玉ねぎ、きゅうりなどを組み合わせたり、生ハムなどと組み合わせてもおいしいですよ。
ジュースやスムージーにする
マクワウリをミキサーにかけてジュースにしたり、冷凍バナナや牛乳と組み合わせてスムージーにすれば、暑い夏にぴったりのドリンクができあがります!
⭐️クラシルシェフのアレンジポイント⭐️
マクワウリをミキサーにかけて凍らせたシャーベットも夏におすすめですよ!ちなみに切ったマクワウリをそのまま凍らせるだけでも、アイスキャンディーのように楽しめます。
煮物にする
意外に思えるかもしれませんが、マクワウリは煮物にすることもできます。冬瓜の煮物をイメージしていただくとわかりやすいかもしれません。
マクワウリのみで作るほか、ツナなどと組み合わせてもおいしいのだとか!ぜひ試してみてくださいね。
炒め物やソテーにする
熟していないマクワウリは炒め物やソテーにして楽しむのもおすすめです!唐辛子を加えてピリ辛な味わいに仕上げたり、豚肉やベーコンなどを組み合わせれば立派なおかずになります。
また、ソテーは熟していなくて甘くないマクワウリを甘くしたいときにもおすすめしたい方法です。皮をむいたマクワウリを薄切りにして、フライパンでじっくり焼くことで甘くなりますよ。
このようにマクワウリはそのまま食べるのはもちろん、漬物やマリネ、サラダ、さらに煮物や炒め物など、意外にも幅広い料理に活用できます。濃い味わいのものとの相性もよいので、漬物や煮物などに加えてもおいしく食べられますよ。ぜひ試してみてくださいね。
マクワウリの種類
ひとくくりに「マクワウリ」といっても種類はさまざま!ここでは3つご紹介します。
黄金まくわうり
数あるマクワウリの中でも代表格ともいえる品種が「黄金まくわうり」です。果皮は鮮やかな黄色で、果肉は白。大きさは約300グラムほどで、俵のような形をしています。酸味は少なくさっぱりとした上品な甘さと香りが特徴で、みずみずしくもシャキッと心地よい歯ごたえを楽しむことができます。
なりくらまくわ
滋賀県で古くから栽培されてきた品種の「なりくらまくわ」。野球ボールくらいの大きさで、薄い緑色の果皮に縦縞が入っています。香りはメロンに似ていて、食感はすいかのようにみずみずしいのが特徴です。甘味は強めですが、後味はさっぱり!未熟なものはシャキシャキとした食感で、熟したものはやわらかく洋梨のような食感になるといわれています。
タイガーメロン
スイカのような見た目が印象的な「タイガーメロン」は、マクワウリの一種と西洋メロンを交配して生まれた品種です。こちらもほんのりとメロンの香りがして、味わいもメロンに近いといわれています。果肉はやわらかめでありながらも歯切れはよく、ジューシーでさっぱりとした甘さを楽しめるのが魅力です。
おいしいマクワウリの選び方
新鮮でおいしいマクワウリを選ぶポイントは、以下の2つです。
ふっくらとした俵型で、ハリがある
大きすぎず小さすぎずふっくらとした俵型で、ハリのあるマクワウリは良品です。
マクワウリは、大きすぎず小さすぎない、バランスの良い俵型が理想的。お尻にあたる「花落ち部」が平らなものは熟しているサインです。皮に斑点や変色がないかも確認しましょう。
ずっしり重い
手に持ったときにずっしりと重いものは、水分が多くみずみずしさがあります。
果汁がしっかり詰まったマクワウリは、見た目以上に重く感じるのが特徴です。同じ大きさで迷ったら、より重さのある方を選ぶと、みずみずしい味わいが期待できますよ。
マクワウリの保存方法と追熟のポイント
マクワウリは収穫後、追熟することで甘みが増していく果実です。熟度に合わせて、どのように保存すべきかを以下でご紹介します。
固いマクワウリは常温で追熟させる
まだ果肉が固いマクワウリは、常温に置いて追熟させましょう。
直射日光を避けて、風通しのよい室内に数日置いておくと、果肉がやわらかくなり、香りも立ってきます。このタイミングで食べると、より甘さを感じられるようになります。乾燥を防ぐために、新聞紙やキッチンペーパーでふんわり包んでおくとベターです。
食べ頃になったら冷蔵庫で保存
追熟して甘い香りがしてきたら、冷蔵庫に入れて鮮度を保ちましょう。
香りがしっかり立ってきたマクワウリは、追熟が進みすぎないよう冷蔵保存に切り替えます。野菜室に入れる場合は、乾燥を防ぐためにラップや保存袋で包んでおくのがおすすめ。冷やすことで食感も引き締まり、ひんやりとしたおいしさが楽しめますよ。
マクワウリを使ったレシピをご紹介!
最後にマクワウリを使ったレシピをご紹介します。そのまま食べてもおいしいマクワウリですが、先ほどご紹介したように漬物や和え物などにして食べるのもおすすめなんです!今回はごはんやお酒のお供におすすめの3レシピをピックアップしました。ぜひ参考にしてみてくださいね。
まくわうりの浅漬け
まずは、簡単に作れる浅漬けからご紹介します。マクワウリを切ったら、めんつゆをゆかりを合わせてなじませ、20分ほど漬けるだけ!マクワウリの甘みとゆかりの風味でさっぱりといただけます。ぜひ試してみてくださいね。
※『ゆかり』は「三島食品株式会社」の登録商標又は商標です。
まくわうりと生ハムのマリネ
マクワウリと生ハムを組み合わせてマリネにしました。生ハムとメロンはよく聞く組み合わせですが、マクワウリと生ハムもよく合うんです!バルサミコ酢を使うことで、より風味高く、奥深い味わいに仕上がります。ワインのお供に最適ですよ!
まくわうりとタコのキムチ和え
フルーティーなマクワウリにピリ辛なキムチと旨味たっぷりのタコを合わせた和え物をご紹介します。意外な組み合わせに思えますが、甘みのあるマクワウリとキムチがよく合うんです!ごはんにもお酒にもよく合うので、ぜひ作ってみてくださいね。
💡ワンポイント豆知識
韓国にもチャメ(マクワウリ)を使った「チャメキムチ」が存在します。マクワウリとキムチの相性は韓国でもお墨付きなので、もしマクワウリが手に入ったらぜひチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
マクワウリで懐かしの味を堪能しよう
いかがでしたか?今回は、マクワウリの特徴や旬の時期、味、食べ方などをご紹介しました。 さっぱりとした甘みと、さっくり心地よい食感を楽しめるマクワウリ。そのまま食べるのはもちろん、ジュースやスムージー、サラダなどアレンジもさまざま! 見かけたらぜひ手に取って、懐かしの味わいを楽しんでみてくださいね。
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