最終更新日 2023.3.30

トクビレってどんな魚?名前の由来や特徴、食べ方についても解説!

トクビレってどんな魚?名前の由来や特徴、食べ方についても解説!

蝶や鳥の羽のような大きなヒレが特徴的な「特鰭(トクビレ)」をご存知ですか?正式名はトクビレですが、北海道では「八角(ハッカク)」という名前で知られている魚です。流通量が少なく食べる機会の少ない魚ですがその味わいは高く評価されており、実はさまざまな調理法に向いているんですよ!今回はそんなトクビレについて解説します。

  • 目次
  • トクビレの由来や特徴
  • トクビレの味わい
  • トクビレの産地や旬
  • トクビレを使った料理
  • 謎多き魚「トクビレ」は見つけたら試す価値あり!

トクビレの由来や特徴

スズキ系カサゴ目トクビレ科トクビレ属に属している「トクビレ」。トクビレという名前からもおわかりいただけるように背ビレと尻ビレに加えてゴツゴツとした硬い骨板に覆われた体が特徴的な魚です。蝶の羽のように大きなヒレとワニのように厳つい魚らしからぬルックスに、初めて見るときは少し驚いてしまうかもしれません。多くの地方名を持つトクビレは、北海道では「八角」と呼ばれているほか、サチ、ワカマツ、ガガラミ、カクヨ、ソビヨなどさまざまな名前があります。北海道で八角と呼ばれるのは、身を横に切った際に八角形になるのが由来と言われており、ヒレの特徴に加えて胴体の形も個性のひとつと言えます。

ほかにもトクビレの特徴として挙げられるのが、オスとメスとの違いがはっきりしていることです。オスは50cm前後、メスは35cm前後であるのが一般的で、身を切った断面がしっかりと八角形になるのはオスのみの特徴なのです。また特徴的なヒレについても、オスの方が迫力のある大きなヒレを有しているのに対して、メスはそこまでヒレが発達していません。さらに体表の色についても、オスは黒っぽい色をしていますが、メスは茶色っぽい色をしています。オスとメスの違いは味わいにも表われていて、一般的にはオスが脂がのっている一方で、メスはあっさりとした味わいだと言われています。店頭で購入する機会がある際は、このようなオスメスの違いも理解したうえで調理法や好みに合う方を選んでみてくださいね。

トクビレの味わい

オスメスによるトクビレの違いについて触れましたが、トクビレが実際どのような味なのか気になりますよね。トクビレは白身魚ですが、淡泊な味わいという白身魚全般の印象とは異なり、濃厚な脂が特徴です。また、口の中に入れてほどけるような白身魚ではなく、コリコリとした食感を楽しめます。じっくり噛んで脂の旨味を堪能しながらいただきたい魚です。

トクビレの産地や旬

トクビレの産地は、朝鮮半島東岸中部からサハリン西岸の日本海沿岸やオホーツク海南部、千島列島で、日本においては、北海道を中心に青森県や岩手県、富山県などで漁獲されています。水深200m程度の沿岸の大陸棚上で這うように生息する底生魚で、甲殻類などの底生動物をエサとしています。以前は、トクビレを狙って漁獲するのではなく、カレイなど、ほかの底生魚を獲る際に偶然獲れるに過ぎない魚でしたが、その味わいのよさから近年では高値で取り引きされる魚になっているのだそうです。さらに物流の発達により、漁獲地以外の首都圏や関西などの市場にも出回るようになりました。

産卵期は10月から11月にかけて。旬の時期は12月から2月の冬と言われていますが、一年を通して獲ることができるため、通年食べられます。ただし、旬の時期でも水揚げ量は少ないため、もしトクビレに出会うことがあったら迷わず手に取ってみてくださいね。

トクビレを使った料理

ここからは、気になるトクビレの食べ方についてご紹介します。どのような料理を作るにしてもトクビレを捌く必要がありますが、まずは、特徴的なヒレ部分と硬い体表部分をそぎ落とします。そぎ落としてむき身にしたトクビレは、ダイレクトに旨味を楽しめる刺身や塩焼きをはじめ、トクビレから出ただしをしっかり味わえる煮つけや味噌汁、噛んだ瞬間トクビレのジューシーな脂を味わえるフライなど、さまざまな料理に使用することができますよ。

トクビレを使った郷土料理「軍艦焼き」は、みそにみりんや酒、砂糖を加えた甘みそダレに、刻んだねぎを加えてペースト状になったものをトクビレに塗って焼いていただく料理です。和食以外にも焼いた身をほぐしてペースト状にしてパテのように食べたり、カルパッチョのように盛り付けたりして洋食に合わせる食べ方もおすすめです。

また、トクビレを捌く際に出た皮や骨は、揚げれば歯ごたえ抜群の皮・骨せんべいになります。ぜひ捨てずに上手に活用してみましょう。

謎多き魚「トクビレ」は見つけたら試す価値あり!

なかなかお目にかかる機会のない「トクビレ」について、その見た目や特徴、味わい、調理法などをご紹介しました。特徴的なルックスから、知らないとなかなか手を出しにくい魚ですが、実はとっても魅力的な魚であることがおわかりいただけたのではないでしょうか。見かける機会があったら、ぜひ試してみてくださいね!

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