レストランのメニューでよく目にする「アラカルト」。普段何気なく使っている言葉も、本来の意味を詳しく知っている方は少ないかもしれません。今回は、アラカルトの意味をはじめ、その語源や魅力、注文時のマナーや注意点などをご紹介します。アラカルトについて詳しく知ると、フランス料理の楽しみ方が広がりますよ!
「アラカルト」ってどういう意味?由来や注文するときのマナーについても解説!
- 目次
- アラカルトとは?
- アラカルトとムニュ(コース料理)の違い
- コースとアラカルトの魅力とは
- アラカルトを注文するときのマナーや注意点は?
- チョコレート・アラカルトとは?
- アラカルトを自由に楽しんでみよう!
アラカルトとは?
「アラカルト」とはフランス語で「à la carte」と書き、「メニュー表による」という意味があります。レストランなどで使われる場合には、メニュー表の中から好みの料理を1品ずつ自由に選んで注文する形式を指します。いわゆる「単品料理」として理解されることが多い言葉です。
アラカルトとムニュ(コース料理)の違い
| 項目 | アラカルト(à la carte) | ムニュ(menu) |
|---|---|---|
| 意味 | メニューから自由に 単品料理を選んで注文する形式 |
コース仕立てで 料理が順に提供される形式 |
| 語源 | 「メニュー表による」 | 「一覧表」「定食」 |
| 特徴 | 好きな料理を 組み合わせられる |
店側が構成した おすすめの組み合わせ |
| 日本での 使われ方 |
単品料理全般を 指すことも多い |
フレンチや 高級レストランのコースで使用 |
フランス料理のメニュー表は「menu(ムニュ)」と「アラカルト」に分かれていることが多いです。menuとはコース料理のことで、そのお店のおすすめの順番で料理が提供される形式のこと、一方でアラカルトは、メニュー表から自由に料理を選ぶ形式のことを意味します。
アラカルトは「一品料理」や「単品料理」と訳されることも多いですが、単品料理のみのお店ではアラカルトという言葉は使いません。しかし、日本の居酒屋やフェミリーレストランは単品料理が主流なので「アラカルト=単品料理」という、広い意味で使われることが多いです。
コースとアラカルトの魅力とは
フランス料理ではコースが基本ですが、「アラカルト」が用意されている理由は、より自由に、個人の好みに合わせて料理を楽しめるようにするためです。コースとアラカルトにはそれぞれ異なる魅力があり、目的やシーンによって使い分けることで、より満足度の高い食事が楽しめます。
お店のスタイルを楽しめる「コース」
コースの構成
●一般的:前菜、スープ、魚料理、ソルベ、肉料理、デザート、カフェ・小菓子(全7品)
●カジュアル:前菜、肉料理、デザートなど(3~4品に省略)
フランス料理の一般的なコースは全7品で、1品ずつ順番に提供されます。格式高いフルコースはさらに品数が増えますが、カジュアルなコースは品数を減らして提供することもあります。
コースのメリットは、自分で料理の組み合わせを考えずに食事を味わえることです。シェフのおすすめ料理が含まれていたり、料理がバランスよく構成されていることが多いので、初めて利用する方でもそのお店のスタイルを存分に楽しむことができます。
好きな料理を注文できる「アラカルト」
アラカルトは好きな料理のみを食べたいときや、コースに料理を追加したいときに注文するのが一般的です。
メリットとして、コースの品数が多すぎる場合や、逆に品数を増やしたいときなど、自分好みのスタイルでフランス料理を楽しみたいときにおすすめです。「前菜だけ」「デザート抜き」「ワインに合う一品だけ」など、柔軟に選べるのも魅力的ですよね。ただし、多くのメニューからバランスよく注文する必要があるので、フランス料理の知識が必要になることもあります。
アラカルトを注文するときのマナーや注意点は?
アラカルトは好きな料理だけを楽しめるのが魅力ですが、注文の際はいくつか注意点があります。簡単なマナーや注意点を、以下でご紹介しましょう。
| マナー | 注意点 |
|---|---|
| アラカルトのみで注文できるか確認 | お店によるため予約時に確認しておく |
| 注文方法をテーブルで統一する | 全員がコース、または全員がアラカルトに |
| 前菜~メインはまとめて注文 | まとめて注文するのがスマート |
| 1皿をシェアしない | 事前に取り分けてもらうのがよい |
アラカルトのみで注文できるか確認する
フランス料理店は、アラカルトのみを注文できるお店が多いですが、なかにはコースのみや、コースの追加メニューとしてアラカルトを用意しているお店もあります。アラカルトのみで利用する場合は、予約の際に確認しておくと安心です。
注文方法を揃える
同じテーブルに着席した場合は注文方法を揃えるのがマナーです。ひとりがコース、もうひとりがアラカルトと、別々の注文方法にするのはマナー違反になるので注意しましょう。
前菜〜メインデッシュは一度に注文する
フランス料理は、全体のバランスを考えて料理を楽しむのが基本です。食事の途中で何度も追加注文するのは、あまりおすすめできません。メインデッシュは調理に時間がかかるので、それを考慮して前菜やスープを一緒に注文するとスマートです。ただし、デザートやチーズはお腹の空き具合を見て、メインデッシュの後に注文してもよいでしょう。
1皿をつつき合うのはNG
アラカルトはコースより1皿の量が多いので、皆でシェアしたいと思うことも多いでしょう。しかし、フランス料理は1皿を皆でつつき合うのはマナー違反です。アラカルトをシェアしたい場合は、あらかじめ取り分けてもらうとスマートです。各自が小皿に取り分けることもできますが、格式の高いお店では避けた方がよいでしょう。
チョコレート・アラカルトとは?
バレンタインなどイベントの季節が近づくと「チョコレート・アラカルト」という言葉を耳にする機会も多いでしょう。チョコレートなどお菓子に表記されるアラカルトは「多彩な種類の詰め合わせ」という意味です。さまざまな色や形、フレーバーのものを1箱に詰め合わせて、かわいらしいギフトボックスとして販売することもあります。
💡ワンポイント豆知識💡
似たような言葉に「アソート(assort)」がありますが、これは英語で「詰め合わせ」という意味で「チョコレート・アソート」などアラカルトと同じようなニュアンスで使われます。
アラカルトを自由に楽しんでみよう!
今回は、アラカルトの意味をはじめ、その語源や魅力、注文時のマナーや注意点などをご紹介しました。アラカルトとは単品で注文する料理のことで、好きなものだけを選べるのが魅力です。注文時は少しマナーが必要ですが、あまり堅苦しく考えずに、おいしいフランス料理をお楽しみくださいね。

