韓国料理の「ソルロンタン」をご存じでしょうか。牛骨をじっくりと煮込んで作るスープのことで、滋味深いやさしい味わいが特徴です。この記事では、味の特徴やコムタンとの違い、食べ方など、ソルロンタンの魅力を解説します。手軽に作れるソルロンタン風のレシピもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
韓国料理「ソルロンタン」とは?味の特徴やコムタンとの違い、食べ方についても解説!

- 目次
- ソルロンタンとは
- ソルロンタンってどういう意味?名前の由来を解説
- ソルロンタンとコムタン、テールスープの違いについて
- ソルロンタンの作り方
- ソルロンタンの食べ方
- ソルロンタン風のレシピをご紹介!
- 韓国の人気スープ、ソルロンタンを味わおう
ソルロンタンとは
ソルロンタンとは、牛骨や牛の頭、足、胸肉、内臓などを10時間ほどじっくりと煮込んで作られる韓国の伝統的なスープ料理のひとつ。牛の旨味が溶け出したスープは白濁した色をしていて、濃厚な旨味はあるものクセはなく、マイルドで滋味深い味わいが特徴です。具材は一般的に薄切りにした牛肉と刻んだ長ねぎが入っていて、ごはんがセットで付いてくることが多いですが、ごはんがスープの中に入っていたり、そうめんが入っていることもあります。
韓国料理と聞くと辛いものを想像する方も多いかもしれませんが、ソルロンタンは辛くなく、韓国では朝食やお酒の席の後のほか、辛い料理が続いた後の胃を休めるために食べられているのだとか。また、韓国には老舗のお店から24時間営業のチェーン店までソルロンタン専門のお店がたくさんあるんですよ!このことからもわかるようにソルロンタンは地元の人に昔から愛されている料理なのです。
ソルロンタンってどういう意味?名前の由来を解説
ソルロンタンという名前の由来には諸説あります。ひとつは、新羅(しんら)時代から朝鮮時代の豊作を祈る儀式「先農祭(ソンノンジェ)」と関連しているという説です。
この儀式は先農壇(ソンノンダン)という祭壇で行われました。この祭事の後に役人や農民たちが一緒に食事をする際、牛肉を骨付きのまま煮込んだ鍋にごはんを入れて作った「先農湯(ソンノンタン)」という料理が振る舞われました。ソルロンタンは、この「ソンノンタン」の発音が変化したとされています。
その後、朝鮮時代の終わりとともに先農祭も廃止され、祭事の際にふるまわれたスープが庶民の料理として普及し、現在のソルロンタンへと形を変えて受け継がれたといわれているんですよ。
💡ちょこっと豆知識
「ソル」が「雪」を意味し、白いスープが雪のようだからという説など、さまざまな説があるようです❄️
ソルロンタンとコムタン、テールスープの違いについて
韓国料理には「ソルロンタン」のほかにも「コムタン」や「テールスープ」といった伝統的なスープ料理があります。どれも肉をじっくり煮込んで旨味を引き出すという共通点がありますが、それぞれに特徴と違いがあるのです。以下で確認してみましょう。
種類 | 特徴 |
---|---|
ソルロンタン | ・骨の部位を多く使用して長時間じっくりと煮込むため、骨髄から溶け出した白濁したスープ ・濃厚でマイルドな味わいが特徴 |
コムタン | ・牛肉を煮込んだ透き通ったスープスープ派(牛骨は基本的に入れない) ・旨味とコクがありつつも、濃厚ながらあっさりとした味わい 具材には、胃の部分にあたるホルモンが入っていることが多く、食感も楽しむことができる |
テールスープ | ・牛の尾を長時間煮込んで作るスープ ・塩味のさらりとした味わいで、コラーゲンが多いのが特徴 ・韓国では、不老長寿や滋養強壮によいスタミナ食として古くから親しまれてきた |
このように、同じように牛を材料としたスープ料理でもそれぞれ特徴があります。機会があればぜひ食べ比べてみてくださいね。
💡ちょこっと豆知識
コムタンは昔は王族など、身分の高い人々が食べる料理だったため骨を入れずに作っていましたが、最近ではコムタンも牛骨を入れて白濁したスープに仕上げている場合もあり、コムタンとソルロンタンの違いは曖昧になってきているようです。
ソルロンタンの作り方
ここで、一般的なソルロンタンの材料と作り方をみてみましょう!
材料
- 牛骨
- 牛肉(胸肉、もも肉)
- 長ねぎ
- ニンニク
- しょうが
- 玉ねぎ
1、 牛骨は水に浸して血抜きをする。途中で水を替え、水がきれいになるまで繰り返す
2、 牛骨を下ゆでし、汚れをブラシなどできれいに取り除く
3、 鍋に下ゆでした牛骨と水を入れて強火にかけ、沸騰したら弱火で長時間じっくりと煮込む
4、 アクと脂を取り除き、牛肉と長ねぎ、ニンニク、しょうが、玉ねぎを加えて弱火で煮込む
5、 スープを塩こしょうで味つけして器に盛る。牛肉はスライスしてスープにトッピングする。小口切りにした長ねぎを散らしてできあがり
牛骨がないときは?
牛骨が手に入らない場合は、牛すね肉で代用するのがおすすめです。
ソルロンタンの食べ方
続いて、ソルロンタンをおいしく食べる方法や注意点を見てみましょう。
塩やこしょうで味つけする
ソルロンタンは薄味なので、塩やこしょう、唐辛子などで自分の好みの味つけにしながら食べるのが一般的です。ソルロンタンの専門店などではテーブルにこれらの調味料が置かれているので、味を調整して食べましょう。
キムチと一緒に食べる
ソルロンタンの付け合わせの定番といえば、白菜キムチとカクテキ(大根キムチ)。とくにカクテキは必ずついてくるようです。辛みのあるキムチやカクテキをスープの中に入れて食べれば、味の変化を楽しむこともできますよ。
薬味を加える
ニンニクやねぎなどの薬味を加えるのもおすすめの食べ方!風味高くなり、最後まで飽きることなく、おいしくいただけますよ。
ごはんと一緒に食べる
韓国でソルロンタンを頼むと、ごはんがセットになっていることが多いです。スープと別々に食べてもよいですが、ごはんをスプーンですくってスープにつけて食べるのが一般的なのだとか。また、ソルロンタンをごはんの上にかける食べ方もありますが、これは庶民的な食べ方なのだそうです。格式の高いレストランではマナー違反とされてるので注意しましょう。
ソルロンタン風のレシピをご紹介!
ソルロンタンを自分で作ってみたいけれど、家庭で作るのは少し難しそうですよね。そこで今回は、気軽にチャレンジできるソルロンタン風のレシピをご紹介します。牛すね肉や牛乳など、スーパーで手に入る材料で手軽に作れるようにアレンジしていますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
旨味たっぷり ソルロンタン風
ソルロンタン風のスープのレシピをご紹介します。牛すね肉をじっくりと煮込むことで、牛の旨味が溶け出した絶品のスープに仕上がりますよ。最後に牛乳を加えることでまろやかな味わいになり、牛骨で出汁を取ったような白濁した色味も再現できます。
⭐️クラシルシェフのアレンジポイント⭐️
牛すね肉を煮込む際は圧力鍋を使っても⭕️煮込む時間を短縮することができますよ。牛乳は豆乳に変えてもok。分離を防ぐためにも、無調整豆乳を使用し最後に入れてくださいね。
韓国の人気スープ、ソルロンタンを味わおう
韓国の伝統的な牛骨スープ「ソルロンタン」は、そのやさしい味わいで古くから愛されている料理です。日本の家庭で本格的に作るのは難しいですが、今回は雰囲気を味わえる手軽なレシピをご紹介しました。とてもおいしいので、ぜひ挑戦してみてくださいね。
