「コアントロー」はオレンジリキュールの一種で、オレンジの香りを楽しめるお酒です。カクテルやお菓子作りによく使われますが、どんなお酒なのか詳しくはわからないという方もいるのではないでしょうか。この記事では、コアントローの味や種類、おいしい飲み方を、コアントローを使ったレシピとともに解説します。
コアントローとは?種類や味、さまざまな使い方についても解説!

- 目次
- コアントローはどんなお酒?
- コアントローの誕生
- コアントローの特徴は?
- グランマルニエとコアントローは何が違う?
- コアントローのおいしい飲み方や使い方は?
- コアントローを使ったレシピをご紹介!
- コアントローを楽しもう!
コアントローはどんなお酒?
コアントローとは、フランス生まれのオレンジリキュールの一種で、上品なオレンジの風味が特徴です。リキュールとは、蒸留酒に果実や香草、薬草などで風味をつけ、さらに甘みを加えたお酒のことを指します。今回テーマであるコアントローはその中でも、オレンジピールを使って風味づけされたリキュールです。
また、オレンジピールから作られるこのリキュールは、「キュラソー」の一種に分類されます。キュラソーには、ホワイトキュラソーやオレンジキュラソー、ブルーキュラソーなどがあり、コアントローはその中でもホワイトキュラソーに分類されます。
コアントローの誕生
誕生したのは1875年。コンフィズリーという砂糖菓子を作る仕事をしていたアドルフ・コアントローとその弟エドゥアール・コアントローがフランスで蒸留所を開設し、さまざまな果物を使ったリキュールを作り始めました。当時、お酒といえばウイスキーやブランデーが主流で、男性向けのお酒が一般的なイメージがありました。そこで、女性向けのエレガントな印象のお酒を作りたいと試行錯誤した結果、コアントローが誕生したのです。
コアントローの特徴は?
オレンジの風味と甘さが特徴のコアントロー。ホワイトキュラソーの中でもオレンジのアロマ成分が3倍濃縮されていて、甘さを抑えたドライな口当たりに仕上げられています。このことから「トリプルセック(セックはドライという意味)」という別名もあるんですよ。
そんなコアントローの色は無色透明ですが、氷などで冷やすと白濁するというおもしろい特徴もあります。これは、良質なオレンジのエッセンシャルオイルがたっぷり含まれている証で、コアントローの中に溶け込んでいた成分が温度変化のために析出したものなのです。
甘くて口当たりもよいので飲みやすいリキュールではありますが、アルコール度数は約40度と高めなので、ロックなどで飲む場合はチェイサーを用意するなど、飲み過ぎには注意してくださいね。
グランマルニエとコアントローは何が違う?
コアントローと似たお酒に「グランマルニエ」がありますが、両者の違いを知っていますか?どちらもオレンジリキュールで、アルコール度数は約40度で同じですが、コアントローとグランマルニエにはいくつかの違いがあります。下の表でその違いを見ていきましょう。
コアントロー | グランマルニエ | |
---|---|---|
原料 | オレンジピール、アルコール 水、砂糖 |
コニャック(ブランデー) オレンジの蒸留エキス |
熟成 方法 |
特に熟成なし | 樽熟成 |
色 | 無色透明(オレンジリキュール) | 琥珀色(コニャック由来) |
味の 特徴 |
甘さと酸味のバランスがよい フルーティ |
オレンジの苦味が強い 甘さ控えめ、深みとコクがある |
香り | フレッシュなオレンジの香り | コニャックの香りも感じられる |
使用 方法 |
カクテル、菓子 | 食後酒、カクテル デザート、ソースの香り付け |
コアントローはオレンジピールとアルコール、水、砂糖を原料としているのに対して、グランマルニエはコニャックというブランデーをベースにして、オレンジの蒸留エキスを加えて樽熟成させたものです。そのため、グランマルニエはコニャック由来の琥珀色をしています。また、味わいも少し異なり、グランマルニエの方が甘さが控えめで、比較的オレンジの苦味を強く感じられます。酸味のバランスもよく、深みやコクがあるのも特徴です。
それぞれの使い方や楽しみ方としては、コアントローは香りと甘さを生かしたカクテルや洋菓子に幅広く使用され、香りが豊かでクセがないため、バーには必ずある定番リキュールとされています。一方、グランマルニエは食後酒としてストレートでも楽しめ、カクテルやデザートにも使われます。ビターオレンジの苦味があり、クランベリーソースなどに香りづけとして加えられることもあります。このように、両者は使い方や好みによって選ぶことができるリキュールです。
コアントローのおいしい飲み方や使い方は?
芳醇な香りがありまろやかな甘さを持つコアントローは、お酒として飲んで楽しむのはもちろん、お菓子作りに使うこともできるなど、幅広い楽しみ方があります。以下で、コアントローの飲み方や使い方について見てみましょう。
ロックやソーダ割りで飲む
オレンジの風味と甘みのあるコアントローは、デザート代わりにロックで飲むのもおすすめです。また、ソーダ割りにするとよりさわやかな味わいで楽しめるので、食中酒にもぴったり!レモン果汁と合わせてもおいしいですよ。
ただ、先ほどもお伝えしたようにアルコール度数が高いリキュールなので、チェイサーなどを用意したり、飲み過ぎには注意しましょう。
カクテル作りに使う
コアントローは、オレンジの風味や甘味を生かしていろいろなカクテルに使われます。ここで代表的なカクテルをいくつかご紹介しましょう。
■コスモポリタン
ウォッカをベースとして、コアントローとクランベリージュース、ライムジュースをシェイクします。鮮やかなピンク色をした、フルーティーな口当たりのカクテルです。
■マルガリータ
マルガリータではテキーラをベースに使います。コアントロー、ライムジュースを加えてシェイクし、ふちに塩をあしらったグラスに注いだら完成です。
■XYZ
ホワイトラムとコアントロー、レモンジュースをシェイクしたやさしい口当たりのカクテル。カクテル名がアルファベットの最後の3文字であるのには「最後のカクテル」「これ以上ないカクテル」という意味があるのだとか。
■サイドカー
芳醇な香りとコクのある味わいのサイドカー。材料はブランデーとコアントロー、レモンジュースです。こちらもシェイクして作ります。
■ホワイトレディ
ジンをベースに、コアントローとレモンジュースをシェイクしたカクテル。アルコールの割合は高いものの、すっきりとした口当たりで飲みやすいのが魅力です。
お菓子作りに使う
コアントローは香りづけの効果があるため、お菓子作りでもよく使われます。また、ミントやゆずなど、お菓子作りに使う素材の風味を引き立てる役割もあるんですよ!
オレンジの風味のあるコアントローは、かんきつ類はもちろん、チョコレートやチーズを使ったお菓子との相性が抜群!パウンドケーキやチーズケーキ、ガトーショコラ、ボンボンショコラなど、いろいろなレシピで活用してみてくださいね。
コアントローを使ったレシピをご紹介!
最後に、コアントローを使ったレシピをご紹介します。コアントローの味わいを生かした大人な味わいのスイーツですよ。
あんホイップサバラン
和の食材と洋酒の香りが相性抜群!大人味わいのサバランを作ってみませんか?ラム酒シロップに浸したしっとりとした生地に、コアントローを加えたナパージュを塗って風味豊かに仕上げました。洋酒の芳醇な香りと、落ち着いた味わいの粒あん、抹茶の香りがマッチして、とってもおいしいですよ。ぜひお試しくださいね。
コアントローを楽しもう!
今回は、コアントローの種類や特徴、飲み方や使い方について解説しました。いろいろな材料と調和しやすく、たくさんの種類のカクテルを作れることから「ハート・オブ・カクテル」とも呼ばれるコアントロー。この機会に、ぜひいろいろなレシピで楽しんでみてくださいね。
※20歳未満の飲酒はやめましょう。
※妊娠中の方、授乳中の方の飲酒は、胎児・乳児の発育に悪影響を与えるおそれがあります。またアルコールに弱い方、運転時、スポーツ時、入浴時はアルコールの摂取をお控えください。