「サントノーレ」とは、王冠をイメージしたフランスの伝統菓子のこと。カラメルを塗ったシューやクリーム、パイを組み合わせて作る、ほろ苦くクリーミーな味わいが魅力のケーキです。今回は、そんなサントノーレの特徴をはじめ、その歴史や由来、気になる味わいと作り方などをご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
フランスのケーキ「サントノーレ」とは?特徴や味、作り方について解説

- 目次
- サントノーレとは?
- サントノーレの歴史や由来は?
- サントノーレの作り方は?
- 土台を作る
- クレーム・ア・サントノーレを作る
- カラメルをコーティングする
- デコレーションする
- フランスの伝統菓子・サントノーレを楽しもう!
サントノーレとは?
「サントノーレ(Saint-honoré)」とはフランスの伝統菓子で、パイ生地の上にクリームを絞り、カラメルを塗ったミニシューを飾り付けたケーキのこと。その形は公爵の王冠をイメージしており、フランスでは特別な日にいただくケーキとして古くから親しまれています。
サントノーレの魅力といえば、ほろ苦いカラメルとなめらかなクリーム、サクサクのパイ生地を一度に楽しめるところです。素材はシュー生地とクリームとシンプルですが、カラメルのカリッとした食感がいいアクセントになって、一度食べたらやみつきになるおいしさ!日本ではあまり親しみのないケーキではあるものの、最近では取り扱うケーキ屋さんも増えてきているようです。
また、サントノーレは伝統菓子ではありますが、パティシエによるアレンジが楽しめるケーキです。フルーツをトッピングしたり、数種類のクリームを組み合わせたり、土台をほかの生地に変えて高さを出すこともできます。伝統的なレシピはカラメル風味ですが、フランボワースやオレンジ、マロン、ピスタチオ風味など、お店によってさまざまなバリエーションがあるのも魅力です。
サントノーレの歴史や由来は?
サントノーレは、1846年ごろにパリのサントノーレ通りにあったお店で考案されたと言われています。名前の由来は諸説ありますが、サントノーレ通りにちなんでつけられたという説や、パンとお菓子の守護聖人であるサントノーレ(聖オノレ)に捧げたケーキだとも言われています。
サントノーレには「クレーム・ア・サントノーレ(=クレーム・シブースト)」というクリームが使われますが、これはカスタードクリームにゼラチンとイタリアンメレンゲを加えたもので、なめらかで軽い口当たりが特徴です。
当初はブリオッシュ生地にホイップクリームを詰めていたので、生地が水分を吸って安定しないという欠点があったそうです。そのため、土台にパイ生地を使って安定させたり、クリームにゼラチンを加えて崩れないようにしたり、ミニシューをカラメルでコーティングして湿気ないようにしたりと、何度も改良を重ねて現代のようなスタイルになったと言われています。冷蔵設備が発達していなかった時代に、おいしくて安定したケーキを作るためには、さまざまな苦労があったことが伺えますよね。
サントノーレの作り方は?
サントノーレは工程の多いケーキですが、ひとつひとつの作業ははそれほど難しくありません。今回は、パイ生地とクレーム・ア・サントノーレを使った、オーソドックスな作り方を簡単にご紹介しましょう。
土台を作る
まずは、パイ生地を薄く伸ばして丸型で抜き、フォークで数ヶ所に穴を開けます。その上にシュー生地をリング状に絞り、あとは小さな丸型にいくつか絞ってオーブンでこんがりと焼きます。
クレーム・ア・サントノーレを作る
カスタードクリームを作り、熱いうちにふやかしたゼラチンを加えてよく溶かします。卵白を泡立てながら熱々のシロップを少しずつ加えて、しっかりとしたイタリアンメレンゲを作ります。冷やしたカスタードクリームとイタリアンメレンゲを混ぜ合わせたら、クレーム・ア・サントノーレのできあがりです!
カラメルをコーティングする
クレーム・ア・サントノーレの半分を土台に絞り、残り半分はミニシューの中に詰めます。カラメルの材料を煮詰めてきつね色になったら火からおろし、ミニシューを逆さまにしてコーティングします。カラメルが高温なので、火傷にはくれぐれも注意しましょう。
デコレーションする
カラメルが固まったら土台にミニシューをのせ、お好みでホイップクリームやカラメルクリームを絞ったら、サントノーレのできあがりです!
フランスの伝統菓子・サントノーレを楽しもう!
今回は、サントノーレの特徴をはじめ、その歴史や由来、気になる味わい、そして作り方などをご紹介しました。サントノーレとはフランスの伝統菓子で、カラメルの香ばしい風味がアクセントになった、甘くほろ苦い風味が魅力のケーキです。日本では親しみが少ないですが、一度食べたらやみつきになるおいしさなので、ケーキ屋さんで見かけたらぜひ食べてみてくださいね。
