モラセスとは？味や香りの特徴や、活用法について解説！

「モラセス」を知っていますか？日本では知らない方も多い食品ですが、海外ではお菓子作りなどでフレーバーとしてよく使われているんですよ。今回は、モラセスの特徴や種類、活用方法について解説します。記事の最後には、モラセスを使ったお菓子のレシピもご紹介するので、ぜひチェックしてみてくださいね。

「モラセス」は、糖蜜や廃糖蜜とも呼ばれ、サトウキビや甜菜から原糖を作るときに除去されるもの。つまり、砂糖を製造するときにできる副産物で、どろっとした茶褐色の液体です。

「廃」という字がつくのでいらないもののように見えてしまいますが、モラセスの中にも40～60％の糖分が含まれています。しかし、その糖分は結晶化させるのが難しく、砂糖として製品にすることができないので、除去されるのです。

モラセスの甘さは砂糖に比べると控えめで、特有の風味があります。黒蜜に似ていると感じる方もいるようですが、クセがあるので好みによっては苦手だと感じる場合もあるようです。日本では一般的なスーパーなどで売っていることはあまりなく、ほとんどが発酵工業の原料や家畜の飼料、食品工業などに利用されています。

平成7年まではアルコールの製造に利用するなど、一時期はかなり盛んにモラセスが使われていたそうです。しかし、モラセスを使ったアルコール発酵は中止となったうえ、環境への配慮や経済的な効率化を図って、発酵工業や飼料の生産にモラセスがあまり使われなくなりました。その結果、現在ではモラセスの需要はかなり下がってきているのだそうです。

ただ、最近ではモラセスにカルシウムやマグネシウム、鉄分などが多く含まれているということで、その栄養価にも再度注目が集まりつつあるそうですよ。

先ほどご説明したとおり、モラセスは砂糖を精製する過程でできる副産物です。それでは、砂糖の材料であるサトウキビから、どのようにモラセスができるのかご説明します。また、モラセスは作り方によって3つに分類できるので、モラセスの種類についてもご説明します。

まず、サトウキビをローラーで圧搾し、糖汁を絞り出します。それから糖汁の不純物を沈殿させ、上澄み液を取り出します。上澄み液を加熱し、結晶を成長させます。遠心分離機にかけて、砂糖の原料となる結晶を取り出しますが、それ以外の部分がモラセスとなります。

製造方法のなかでご説明したように、遠心分離機にかけて結晶を取り出したあとの液体がモラセスとなります。これをどれくらい加熱するかによって、3種類に分けられるのです。

1回煮立たせたものが「ライトモラセス」。3種類の中で一番色が薄く、マイルドな味わいです。2回煮立たせたものが「ダークモラセス」。ライトモラセスよりも色が濃く、コクや風味もあります。そして3回煮立たせたものが「ブラックストラップ」。黒っぽい色で粘度が高く、3種類のなかで一番クセの強い味わいです。ブラックストラップが一番濃縮されていて、栄養価も高いといわれています。

モラセスの特徴や種類についてよくわかったところで、モラセスはどのように料理に活用したらいいのでしょうか。以下でご紹介するので、見てみましょう。

まず身近な使い方といえば、ベーグル作りを思い浮かべる方もいるのではないでしょうか。ベーグル特有のむっちりとした噛みごたえを出すには、「ケトリング」という工程が重要です。ケトリングとは、発酵させたベーグル生地をゆでる工程のことで、このときお湯の中にモラセスを加えます。モラセスを使うことで、ベーグルの表面にツヤが出て、焼き色がしっかりつくんですよ。

また、お湯や牛乳、豆乳に加えて飲んだり、コーヒーやココアに加えてコクや風味を楽しむこともできます。生姜湯などのスパイシーな味わいの飲み物にもよく合いますよ。モラセスには甘みがあるので、クッキーやケーキなどのお菓子作りで、砂糖の代用とすると、いつもと違った風味を楽しむこともできますよ。

ここからは、モラセスを使ったおすすめレシピをご紹介します。モラセスの特有の香りを活かしたジンジャーブレッドをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。

スパイスの香りがたまらない、ジンジャーブレッドはいかがでしょうか。ジンジャーパウダーやシナモンパウダー、カルダモンパウダーなどを使った風味豊かな味わいに、モラセスのコクが加わりとってもおいしいですよ。ふんわりとした生地で、コーヒーや紅茶にもよく合います。ぜひお試しくださいね。

今回はモラセスの特徴や種類、おいしい使い方についてご紹介しました。スーパーなどでは見かける機会は少ないモラセスですが、ドリンクやお菓子など、おいしい使い方がたくさんありましたね。今回ご紹介したレシピも参考に、ぜひ作ってみてくださいね。