オクラとよく似た美しいレモンイエローの花を咲かせる「花オクラ」。実ではなく花を食べるのが特徴ですが、オクラとはどこが違うのでしょうか?この記事では花オクラの特徴や旬、オクラとの違いなどを解説します。花オクラのおすすめの食べ方もご紹介するのでぜひチェックしてみてくださいね。
花オクラとオクラの違いとは?特徴や食べ方を解説!
- 目次
- 花オクラとは
- オクラとは
- 花オクラとオクラの違いは
- 花オクラの下ごしらえ
- 花オクラのおすすめの調理法
- 珍しい旬の食材!花オクラを使って夏らしい食卓に!
花オクラとは
花オクラはアオイ科トロロアオイ属に属する一年草です。「トロロアオイ」や「黄蜀葵(オウショッキ)」とも呼ばれています。花オクラは中国原産の植物で、花や根の部分が食品や漢方薬として活用されてきました。日本へも古くから伝わっていて、根と果実の粘液が和紙ののりとして使われていたそうです。
花オクラは実ではなく花の部分を食べます。花をおいしく食べることができるよう品種改良されているんです。花オクラの花は花弁が5枚で、オクラの花とよく似た淡いレモンイエロー色をしており、中心部と雄しべの柱頭が濃いワインレッドをしています。朝に咲いて夕方にしぼんでしまう一日花です。旬は6~8月で、道の駅や農家の直売所などで販売されます。スーパーなどで売っている場合もありますが、傷みやすいのでそれほど一般的ではありません。
花オクラは淡白な味わいですが、ほのかにオクラのような風味や香りが感じられます。生で食べるとシャキシャキとした食感です。また、オクラに似た特有の粘り気があり、とろりとした舌触りを楽しめます。加熱すると粘り気がさらに増すのが特徴です。
オクラとは
オクラは花オクラと同じアオイ科フヨウ連トロロアオイ属の野菜で、原産はエジプトやエチオピアなど、アフリカ北東部の熱帯地方です。本来は多年草ですが、日本では越冬ができないため一年草として育てられています。アフリカでは紀元前から栽培されていましたが、日本に伝わったのは明治初期のようです。当初は食用としてではなく、観賞用の植物として輸入されていたのだとか。現在では若いさやや花が食用として活用されています。
オクラの実は鮮やかな緑色で、五角錐のような先が尖った形です。カットすると断面が五角形の星型になります。ただし、オクラにはたくさんの品種があり、断面が丸型のものや紫色のものなど、さまざまなタイプがあります。オクラの実は一般的には10cmくらいの長さです。若くやわらかい状態のさやを収穫して食べますが、さやを収穫せずに完熟させるとかたくなって食べられなくなってしまいます。シャキシャキとした歯ごたえととろりとした粘り気が特徴です。
オクラの花は大きくて美しいレモンイエローで、中心が濃いワインレッドカラーです。品種によってはピンクやクリーム色の花を咲かせるものもあります。一日花のため、朝に開花した花も夕方にはしぼんでしまうのが特徴です。
花オクラとオクラの違いは
花オクラとオクラは名前や見た目がよく似ていますが、実は似て非なるもの。食べられる部分や花と実の大きさなどが異なります。
花オクラは花の部分のみを食べるのに対し、オクラは緑の実の部分だけでなく、花を食べることも。
花オクラの花は10~20cmほどの大きさで、オクラの花の2倍ほどのサイズです。花オクラも実をつけますが、かたく短い実でオクラのような長いさやにはなりません。食べてもふさふさとした毛が口に残ってしまうため、食用には向かず、食べられることはほとんどないのです。
花オクラの下ごしらえ
花オクラは一日花です。夕方にはしおれてしまうので、花が咲いたらその日のうちに収穫しましょう。傷みやすく日持ちがしないので、収穫後2、3日以内に食べるのがおすすめです。
調理する直前にハサミや包丁で根元を切り落とし、雌花やがくを取り除いて花びらだけにします。花びらを水をくぐらせるように洗って、水気を取りましょう。
生で食べる場合は繊維に沿って縦にカットします。くるりと反るのが可愛らしいですよ。加熱する場合はさっと湯通しする程度にしましょう。色が茶色く変わってしまうので、加熱後はできるだけすぐに食べるのがポイントです。
花オクラのおすすめの調理法
花オクラは淡白な味わいなので、さまざまな料理に活用しやすい食材です。ここではおすすめの調理法をいくつかご紹介します。ぜひチェックしてみてくださいね。
■サラダ
新鮮な花オクラが手に入ったら、生のままサラダにしてシャキシャキした食感を味わいましょう。下処理をした花びらにドレッシングをかけてそのまま食べると、花オクラ特有の味わいと歯ごたえを堪能できますよ!花びらを刻んでサラダに入れたり、花びらで生ハムなどをくるんだりするのもおすすめです。
■おひたし
美しい色合いを活かしておひたしにするのも定番です。酢を加えたお湯でゆでると鮮やかな色を保ちやすいですよ。加熱するととろりとした粘り気が強くなるので、オクラに似た食感も楽しめます!できたてを食べるのはもちろん、冷やして食べてもおいしいですよ。
■天ぷら
花オクラの天ぷらもぜひ味わってみてほしい一品。花に薄く衣をつけさっと揚げましょう。花びらを一枚ずつ揚げてもよいですし、つぼみをそのまま揚げても大丈夫です。サクサクの衣と粘り気のある花オクラのもっちりとした食感の違いが楽しいですよ。ほんのりと苦味があり、オクラ特有の香りや風味がたまりません!素材の味を感じられるようシンプルに塩でいただくのがおすすめです。
■寿司
鮮やかなレモンイエローの色合いを活かして寿司にするのも人気です。さっと洗った生の花びらの上に寿司飯とお好みの刺し身や野菜を盛り付ければ華やかなメニューが完成します。小さく握った寿司飯の上に花びらを巻いた手巻き寿司にしてもとても可愛いですよ!
珍しい旬の食材!花オクラを使って夏らしい食卓に!
いかがでしたか?花オクラの特徴や旬、オクラとの違いなどを解説しました。花オクラは特有の食感と美しい色合いが魅力的な野菜です。淡白な味わいなのでどんな調理法でもアレンジしやすいのもうれしいですね。今まで花オクラを使ったことがなかったという方も、ぜひ花オクラを活用して夏らしい食卓にしてみてくださいね!