「ペコリーノ・ロマーノ」というチーズをご存じですか?チーズにはたくさんの種類がありますが、ペコリーノ・ロマーノは羊の乳で作ったイタリア原産のチーズなのです。この記事では、ペコリーノ・ロマーノの名前の意味や特徴、旬の時期について解説します。おすすめの食べ方についてもご紹介するので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ペコリーノロマーノとは?由来や特徴、おいしい食べ方についても解説!
- 目次
- ペコリーノ・ロマーノの発祥は?
- イタリアの南部は牛の飼育に適していなかった
- 最初に作られたチーズは「羊のチーズ」だった!?
- ペコリーノ・ロマーノの特徴は?
- ペコリーノ・ロマーノにはおいしい時期がある
- ペコリーノ・ロマーノのおいしい食べ方
- ペコリーノ・ロマーノを食べてみよう!
ペコリーノ・ロマーノの発祥は?
「ペコリーノ・ロマーノ」は、イタリアのローマ発祥のチーズ。2000年以上前から作られていたイタリア最古のチーズといわれています。
人間が生きていくために必要な栄養素が含まれていること、また保存性に優れていることから、当時はローマ軍の食糧として配給されていたと言われています。贅沢品ではありましたが、貴族や一般市民まで、さまざまな人が食べる食品でもありました。
イタリアの南部は牛の飼育に適していなかった
イタリアのチーズというと牛の乳で作られるパルミジャーノ・レッジャーノやゴルゴンゾーラ、水牛の乳から作るモッツァレラなどが有名ですよね。これらのチーズは紀元前1000年頃、ギリシャ文明とも関係の深いエトルリア人によって北イタリアのロンバルディア地方に伝えられたといわれています。
ただ、イタリア南部は岩場が多い地形で牛や水牛の飼育に適していなかったため、山羊や羊の乳を使ってチーズ作りが行われていたようで、そうしてできたのが、今回のテーマである「ペコリーノ・ロマーノ」なのだそうです。
最初に作られたチーズは「羊のチーズ」だった!?
記録が残されているわけではないのではっきりとしたことはわかっていないようですが、牛より先に羊やヤギが家畜とされていたと言われているため、最初に作られたチーズは「羊のチーズ」だったのではないかという説が濃厚なようです。
イタリアだけでなく、ギリシャやフランスなどで古くから作られているチーズも羊のチーズが多いというのも、こういった背景があるからなのかもしれませんね。
🧀ワンポイント豆知識
ローマで生まれたペコリーノ・ロマーノですが、19世紀末以降にトスカーナ州やサルデーニャ島へ伝えられました。そして現在ではローマではほとんど作られておらず、サルデーニャ島が最大の生産地となっています。
ペコリーノ・ロマーノの特徴は?
ペコリーノ・ロマーノは「羊の乳から作ったチーズ」だということはわかりましたが、どのような味なのか、またどのように作られているのか気になりますよね。以下でそれぞれチェックしてみましょう。
味わい
羊の乳は牛や山羊の乳に比べて脂肪分が高く、濃厚で甘みがあります。そんな羊の乳で作るペコリーノ・ロマーノは、コク深くリッチな味わい。そして先ほどもご説明したように、もともとは兵糧として保存性を高める目的で作られていたので、塩気が強めなのが特徴です。
白っぽくキメの細かい見た目で、水分が少なく非常にかたいハードタイプのチーズのため、すりおろして料理に使うことが多いのだとか。
製法
まず、羊の乳を温めてレンネットという凝乳酵素を加えます。すると乳たんぱく質であるカゼインが凝固するので「ホエイ」となった水分を取り除きます。
乳たんぱく質が凝固したものを「カード」といいますが、これをさらに粉砕・攪拌し、加熱しながら水分を取り除き型に詰めます。型に詰めたものを熟成させたら完成です。保存食とされていたことから、塩をすりこんで熟成させることもあり、熟成期間は5か月から一年と比較的長めです。
🧀ワンポイント豆知識
羊の乳を指す「ペコリーノ」という名前がつくチーズはほかにもありますが、トスカーナ地方などで作られている「ペコリーノ・トスカーノ」は、ペコリーノ・ロマーノよりまろやかで、塩気もそれほど強くないのだとか。ちなみにペコリーノの語源はイタリア語で雌羊を意味する「ペコーラ」なのだそうです。
ペコリーノ・ロマーノにはおいしい時期がある
日本の食卓で親しまれているプロセスチーズなどは、一年を通して味に大きな変化はありませんが、ペコリーノ・ロマーノなどのナチュラルチーズは、季節によって味が異なる、いわゆる「旬」のようなものがあるんです。以下で、ペコリーノ・ロマーノの旬の時期や、おいしい食べ方についてご説明します。
ペコリーノ・ロマーノの旬の時期
ペコリーノ・ロマーノは、原料となる羊の乳の質によって味に違いが出ます。貯蔵している乾燥した牧草を食べている冬に比べ、フレッシュな牧草を食べている春の方が乳の香りがよく脂肪分も高くなります。これがチーズの味を左右するのです。
また、春には羊が出産の時期を迎えるので、乳もよく出ることから、春の乳を使って作るものがおいしいと言われているようです。熟成期間などは最低5ヶ月〜1年と長いため、食べる時期は製品によって異なりますが、春の乳を作ったものを選ぶとより風味豊かなペコリーノ・ロマーノを楽しめるということになります。
春はペコリーノ・トスカーノとそら豆を食べるのが定番
ちなみに、さきほど少し触れた「ペコリーノ・トスカーノ」は春に作られるチーズで、なかでも熟成期間が1ヶ月前後と短い「フレスコタイプ」はまさに春が旬。しっとりとした舌触りとむちっとした食感でミルクの優しい甘みを感じられるのが特徴です。
トスカーナの人々は、春になると旬のそら豆とペコリーノ・トスカーノを合わせて、白ワインと一緒に楽しむのが定番なのだそうですよ!
ペコリーノ・ロマーノのおいしい食べ方
ペコリーノ・ロマーノは、強い塩気が特徴。おいしく食べるには、この塩気を上手に活かすのがポイントです!以下で、ペコリーノ・ロマーノの食べ方をご紹介するので、チェックしてみましょう。
調味料として使う
ペコリーノ・ロマーノは、すりおろしたり細かく刻んだりして、塩の代わりに使うのが一般的です。イタリアでは、パスタやリゾット、サラダによく使われます。
そのまま食べる
ペコリーノ・ロマーノはワインのおつまみにもぴったりです。しょっぱいだけではなく、ミルクのコクや甘味もあるので、薄く切ったり小さく切ったりしてそのまま食べてもとってもおいしいですよ。ジャムを添えるとしょっぱさがやわらぎ、より奥深い味わいを楽しめます。
そら豆と一緒に食べる
先ほど食べる時期でも解説しましたが、イタリアでは5月1日にそら豆とペコリーノ・ロマーノ、オリーブオイル、黒こしょうを和えた料理を食べる習慣があります。春の名物となっているそうなので、そら豆が手に入ったらぜひ試してみてくださいね。
ペコリーノ・ロマーノを食べてみよう!
今回は、ペコリーノ・ロマーノの発祥や特徴、旬の時期を、おいしい食べ方とともにご紹介しました。羊の乳というとあまりなじみがないのでハードルが高く感じる方もいるかもしれませんが、クセも少なくとってもおいしいチーズです。この機会に、ぜひ味わってみてくださいね。
