「温泉卵」というのは殻を割ってだし汁をかけただけで一品になるし、料理に添えれば間違いなくワンランクアップするアイテムである。丼に添えたり、サラダに乗せたり、パスタやピザに乗せたり、ご飯に乗せたり、うどんに入れたり、ハンバーグに乗せたり、挙げるともうキリがない。
料理に生卵を落とすと白身部分が水っぽくなってしまうので、黄身だけを料理に添えようとすれば、白身が余る。白身もさまざまな活用法があるとは言え、できれば一緒に食べられた方が良い。温泉卵なら間違いない。
また、栄養素としても良質のタンパク質を摂取できるのでありがたい。
温泉卵は白身と黄身が固まる温度の差(黄身は約65℃、白身は約75℃で固まり始める)を利用した料理で、68℃付近で火入れすると黄身よりも白身の方がやわらかくなる。
さて、温泉卵を「68℃ 30分」で低温調理する。湯せんから取り出してすぐに殻を割ると、黄身はねっとり、白身は程よい硬さになり、理想の仕上がり具合になる。(参照:「68℃ ほったらかしでとろとろ 基本の温泉卵」)
https://boniq.jp/recipe/?p=400
「黄身がもっとやわらかい方が良い」、という意見もあると思うが、黄身が流れる状態であればあるほど黄身の生臭さが顔を出すので、私には少し硬めのねっとりしたくらいが好みである。
ところが、氷水で冷却し冷蔵庫で保存し、いざ殻を割ってみると・・・硬くなっている。黄身はねっとりしているものの、出来立てより固まっている。出来立ては理想の状態であったのに、冷却することで硬くなってしまう。
では、冷却した状態で硬いのなら、再び湯せんで温めればまた元の状態に戻るのだろうか?それとも硬いままか?
手順
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BONIQで68℃ 0:30(30分)、卵を低温調理する。
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実験1. 湯せんから取り出してすぐに殻を割る
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実験2. 殻ごと氷水で冷却して15分後、殻を割る
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実験3. 殻ごと氷水で冷却して15分→冷蔵庫に移して1日後、殻を割る
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実験4. 殻ごと氷水で冷却して15分→冷蔵庫に移して1日→取り出してBONIQで60℃ 0:20(20分)で温めた後、殻を割る。
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実験5. BONIQで67℃ 0:30(30分)
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実験6. BONIQで66℃ 0:30(30分)
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実験7. BONIQで65℃ 0:30(30分)
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それぞれ卵を低温調理した後、実験3同様に殻ごと氷水で冷却して15分→冷蔵庫に移して1日後、殻を割る。
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※鍋底に卵を勢いよく落とさないよう、お玉やトングなどを使ってそっと沈める。
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※食材全体が湯せんに浸かるようにする。
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※高温・長時間調理時は湯せんにカバーをする。(鍋:ラップ、コンテナ:フタ)
投稿者からのコメント
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《比較実験結果》
結果は・・・
「低温調理後に出来立てすぐを食べる実験1」は、黄身は流れそうで流れない状態で硬くもなく、程よいねっとり感。生臭みなどもなく、甘みとコクを感じる。※画像4枚目
「氷水で冷却してからすぐ食べる実験2」は、実験1よりは硬くなっている。白身も黄身もよりしっかりした食感になった。黄身は中心までねっとりしている。※画像5枚目
「冷蔵庫で保存したものを食べることを想定した実験3」は、黄身が実験2よりもさらに固まっており、包丁を入れるとはっきり断面が出る。※画像6枚目
「冷蔵庫で保存したものを温めて食べることを想定した実験4」は、実験2の氷水で冷却したものと近い状態になり、黄身も程よくねっとりしている。が、出来立ての実験1の状態までは戻らなかった。※画像7枚目
やわらかさ:実験1>実験2、4>実験3
「実験5. 67℃ 30分」は、切った断面が美しい。ねっとり濃厚な黄身である。コクを感じる。※画像8枚目
「実験6. 66℃ 30分」は、黄身がとろりとやわらかく、ゆっくり流れる。※画像9枚目
「実験7. 65℃ 30分」は、白身も黄身も切って早々、バッと流れる状態である。生の黄身にある、若干の苦味を感じる。※画像10枚目
やわらかさ:65℃>66℃>67℃>68℃
となるのは当然の結果として、実験7の65℃はやや生卵の風味が残り若干の苦味を感じる。生卵と温泉卵の中間として食べると良いと思う。生卵を添えると水っぽくなりがちな所を、65℃の温泉卵なら黄身が流れ出つつ、白身は温泉卵であるので水っぽくなるのを抑えられる。卵かけご飯にも最適ではないか。
この実験5、6、7は30分という括りで行っているので、65℃の温度は他にもBONIQレシピが豊富にあり同時調理ができることから、時間を延ばして45分あたりも良いかもしれない。
完全に好みによるところでもあるのだが、以上の結果から、低温調理後冷却せずに食べる場合は「68℃ 30分」がおすすめだが、冷蔵保存して硬くなった「68℃ 30分」もBONIQで温めれば、ある程度はやわらかく復活できる。
冷蔵保存していてそのまま食べるなら「実験5. 67℃ 30分」がおすすめ、やわらかめがお好みなら「実験6. 66℃ 30分」も良し。「実験7. 65℃ 30分」は生卵の進化系として◎。
《作った感想》
当実験は59~61gの卵で行なったものであり、卵のサイズが違えば仕上がりは異なりますのでご注意ください。(※Mサイズで58g以上64g未満)
卵料理というのはシンプルでいて奥深い料理です。火入れ一つで味や食感、風味が変わります。今回比較実験をして感じたのは、画像に映えるのはバッと黄身が流れる温泉卵だと思うのですが、実はもう少し硬めの方が黄身がねっとり濃厚でコクを感じました。ただ、この辺はお好みによりますので、ぜひお好みの硬さと味を探してみてくださいね。
《注意》
低温調理では高温による殺菌ができないため、食の安全に留意する必要があります。
レシピ記載の温度・時間設定をご参考いただき、例として大きく温度設定を変更するなどはされないようご注意ください。
なお、レシピ記載の設定をお守りいただいた上であっても、食材や調理環境などによっても安全面のリスクが異なるため、最終的には自己責任となりますことご了承ください。
取扱説明書や低温調理ガイドブック、各種の低温調理における情報などをご覧いただいた上で、安全に配慮した調理をお願いいたします。詳細は下記URLから参照下さいませ。
【低温調理のルール〜6つのポイント〜】
https://boniq.jp/recipe/?p=19886
また食中毒に関して、下記のサイトもご一読ください。
特にお年寄りやお子様、免疫力の弱っている方は当サイト推奨温度設定に従わずに、下記厚生労働省サイトの指示に従い全てのお肉で【中心温度75℃ 1分以上】の加熱をしてください。
【食中毒に関する注意点:厚生労働省 食中毒予防】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/index.html
※みやすさのために書式を一部改変しています。