かぼちゃはさつまいもと同様に、70℃前後の低温度帯で長く火入れをすることで、かぼちゃに含まれる酵素の働きによってでんぷんが糖に変わり、甘くなる。
では、かぼちゃが一番甘くなる調理方法はどれか?
以下の5つの方法で出来上がりの甘さの違いを比較する。
①鍋で蒸し煮(中火 5分→弱火 12分)
②炊飯器(保温 45分)
③電子レンジ(500W 4分)
④BONIQ(95℃ 20分)
⑤BONIQ(70℃ 1時間30分→95℃ 20分)
《BONIQ設定》
④95℃ 0:20(20分)
⑤70℃ 1:30(1時間30分)→95℃ 0:20(20分)
《材料》
<実験①~⑤>
・かぼちゃ(西洋かぼちゃを使用) 1玉
《当レシピの栄養素(一食あたり)》
・カロリー:91 kcal
・糖質:17.1 g
・タンパク質:1.9 g
・脂質:0.3 g
・食物繊維:3.5 g
・塩分:0 g
■このレシピに使った製品
低温調理器 BONIQ(ボニーク)
※詳しくはプロフィール欄をご覧ください。
※低温調理器 BONIQ 公式製品サイト:https://boniq.store/
(「BONIQ」で検索もOK)
《比較実験》
①鍋で蒸し煮(中火 5分→弱火 12分)
鍋にかぼちゃが半分浸かる量の水を入れて中火で5分、さらに弱火で12分蒸し煮にする。
②炊飯器(保温 45分)
炊飯器にかぼちゃが半分浸かる量の熱湯を入れて45分保温する。
③電子レンジ(500W 4分)
かぼちゃをラップで包み、500W 4分電子レンジにかける。
④BONIQ(95℃ 20分)
かぼちゃをフリーザーバッグに入れ、BONIQが設定温度に達したらバッグを湯せんに入れながら、バッグ内に気泡が残らないようにしっかり空気を抜いて密封し、95℃ 20分低温調理をする。
この時、バッグを完全に沈めて食材全体が湯せんに浸かるようにする。
(気泡が残っていたり食材全体が完全に浸かっていないと、熱が適切に伝わらず、加熱ムラが生じる。)
⑤BONIQ(70℃ 1時間30分→95℃ 20分)
かぼちゃをフリーザーバッグに入れ、BONIQが設定温度に達したらバッグを湯せんに入れながら、バッグ内に気泡が残らないようにしっかり空気を抜いて密封し、70℃ 1時間30分、さらに、95℃ 20分に上げて低温調理をする。
※フリーザーバッグの密封方法:https://youtu.be/N-t1ox7mox0
(「フリーザーバッグ 脱気」で検索もOK)
調理後温かいままのかぼちゃ、また、冷ましたかぼちゃをそれぞれ実食し、甘さを比較する。
《比較実験結果》
画像1枚目上段:左から①鍋で蒸し煮(中火 5分→弱火 12分)、②炊飯器(保温 45分)、③電子レンジ(500W 4分)
画像1枚目下段:左から④BONIQ(95℃ 20分)、⑤BONIQ(70℃ 1時間30分→95℃ 20分)
①鍋で蒸し煮(中火 5分→弱火 12分)
“しっとり”と“ホクホク”の間。水を使っているため、甘さなどが水分に流出している。
②炊飯器(保温 45分)
お湯を使って蒸かしているため、水っぽい。しっとりとしている。
③電子レンジ(500W 4分)
甘く、ねっとりとしているが水分が飛んでしまい、若干“モソモソ”としている。
④BONIQ(95℃ 20分)
ねっとり、ホクホク。甘さは③電子レンジ(500W 4分)の方が甘い。
密閉していたからか香りが良く、ナッツのような風味がある。
⑤BONIQ(70℃ 1時間30分→95℃ 20分)
④BONIQ(95℃ 20分)よりしっとりした仕上がり。一番甘みが強い。
冷えるとより強く甘味を感じた。
「⑤BONIQで70℃ 1時間30分→95℃ 20分」で低温調理をしたかぼちゃが一番甘い、という結果になった。
《作る際のポイント》
かぼちゃはフリーザーバッグに入れる時、その形状から空気が抜きにくいので、ポリ袋(耐熱性・耐水性のあるもの)を使用すると沈めやすいです。
また、湯せんが熱い状態で行うよりもBONIQをセットした際の水(蛇口のお湯)の状態で行っておき、しっかり口を縛っておくと良いです。
BONIQ投入後は耐熱性のある瓶などを上から乗せて押さえ、かぼちゃ全体がしっかり湯せんに浸かるようにします。
※参照:ベストなバッグ密封の仕方 比較実験
https://boniq.jp/recipe/?p=19616
(「BONIQ バッグ密封」で検索もOK)
《作った感想》
水分を使う調理法では、どうしてもかぼちゃに水っぽさが出てしまいます。
BONIQの低温調理ではその心配がなく、かぼちゃの香りも閉じ込めることができ、風味よく仕上がります。
調理後、かぼちゃが温かいうちに試食した際は「③電子レンジ(500W 4分)」よりも「⑤BONIQ(70℃ 1時間30分→95℃ 20分)」の方がかすかに甘いか、と感じる程度でした。
しかし、かぼちゃは冷えている方がより甘みを強く感じるため、冷ました状態で再度試食をすると「⑤BONIQ(70℃ 1時間30分→95℃ 20分)」がはっきりと一番甘さを感じました。
かぼちゃのサラダやスイーツに使用する際は「⑤BONIQ(70℃ 1時間30分→95℃ 20分)」で下準備をしてから調理すると、素材の味をより活かし砂糖の使用量を抑えることができますね。
《BONIQ栄養士による栄養アドバイス》
ダイエット中などで甘いものを我慢したいときにおすすめな食材が、かぼちゃやさつまいもなどの甘いホクホクとした野菜です。
これらの野菜には甘みのもととなる糖も含まれているのですが、でんぷんや食物繊維も多く含まれているのです。これらはスッキリとした排便習慣に欠かせない成分です。ダイエット中は食事量そのものが少なくなり、でんぷんや食物繊維が不足しがちになるため、便秘になりやすいといわれています。
でんぷんは腸内でガスを発生させるため、腸を刺激して便意を起こさせてくれる働きを持つほか、便のカサを増やします。
食物繊維は腸内細菌のエサとなり腸内環境を整えるほか、でんぷんと同じように便のカサを増やしてくれます。
かぼちゃにはβ-カロテンをはじめとしたビタミンが豊富に含まれており、緑黄色野菜の代表的な野菜の一つです。β-カロテンは、ビタミンAに変換され、体内の粘膜や皮膚の健康、視力を保つ働きがあります。「冬至にかぼちゃを食べると風邪を引かない」といわれているのは、この働きによるものです。また、活性酸素から体を守る抗酸化作用や免疫力をアップする働きがあるともいわれています。
かぼちゃを食べるときに皮は食べているでしょうか?β-カロテンや食物繊維はかぼちゃの皮に多く含まれているため、ぜひ捨てずに食べるようにしてください。
《注意》
低温調理では高温による殺菌ができないため、食の安全に留意する必要があります。
レシピ記載の温度・時間設定をご参考いただき、例として大きく温度設定を変更するなどはされないようご注意ください。
なお、レシピ記載の設定をお守りいただいた上であっても、食材や調理環境などによっても安全面のリスクが異なるため、最終的には自己責任となりますことご了承ください。
取扱説明書や低温調理ガイドブック、各種の低温調理における情報などをご覧いただいた上で、安全に配慮した調理をお願いいたします。詳細は下記URLから参照下さいませ。
【低温調理のルール〜6つのポイント〜】
https://boniq.jp/recipe/?p=19886
(「低温調理 ルール」で検索もOK)
また食中毒に関して、下記のサイトもご一読ください。
特にお年寄りやお子様、免疫力の弱っている方は当サイト推奨温度設定に従わずに、下記厚生労働省サイトの指示に従い全てのお肉で【中心温度75℃ 1分以上】の加熱をしてください。
【食中毒に関する注意点:厚生労働省 食中毒予防】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/index.html