■保存期間
冷蔵5日/冷凍1か月
■紹介文
今日は、豚の角煮のレシピをご紹介します。
リクエストを多数いただいていた旧式のレシピを改めて整理したものです。旧式を作った時から15年近く経ったため、近年流通している豚肉の臭みが格段に減ったことから材料、手順をいくつか見直しています。
豚肉を最初にしっかりと焼くことで旨味をギュッと閉じ込めるとともに、余分な脂を落とします。
また、先にしょうゆを絡めて煮ることで豚肉に味をしっかりとしみ込ませてから、昆布とともにじっくりと土鍋で煮込みます。
煮込み鍋は土鍋がおすすめです。少ない煮込み時間でも余熱でじんわりと火が通り、ホロホロ柔らかく仕上がります。
旨味たっぷりで甘辛く、ほろほろとろける柔らかさに仕上がります。ぜひ、お試しくださいませ。
■材料(4人分)
豚肉ブロック(バラまたは肩ロース ※1)800g
だし昆布 20g(10cm長さ2~3枚目安 ※2)
水 600ml
酒 200ml
しょうゆ 50ml(大さじ3+小さじ1)
砂糖 大さじ2+1/2
■お好みでどうぞ
大根 1/2本(500g目安)
卵 4個
(※1)バラ肉はよりジューシーに、肩ロース肉は脂控えめの芳醇な仕上がりです。お好みでどちらを使っても構いません。
(※2)煮込んだあとの昆布はお召し上がりいただけます。だし昆布が手に入りにくい場合は、昆布だしの素 小さじ2で代用するとよいです。
■作り方
【1】大根は3cm程度(指2本分の幅目安)の厚さに切ってから厚めに皮をむき、半分に切ります。
大根を柔らかく炊く場合、せっかく柔らかく仕上げても、大根の皮のすぐそばにある筋が舌触りを悪くするので、皮は厚めにむいておきましょう。
大根の皮は、刻んでみそ汁の実にしたり、漬物、きんぴら、根菜汁、炒り高野などにするとおいしくいただけます。
豚肉だけを煮込んでもおいしく仕上がりますが、お好みで大根や卵を加える場合は、下記手順をご参照ください。
これらの手順は、「豚の角煮の作り方」手順2~7で、豚肉を焼き下味を付けている間に行うと要領が良いですが、無理しない程度に対応しましょう。
【2】大根の下ゆでをします。鍋に大根を並べ、大根がかぶる程度の水を入れてふたをして強火にかけます。
この時、米のとぎ汁、もしくは、水+小さじ1のぬか、水+大さじ1の生米を加えてゆでると、大根のアクがよく取れ、臭みが抜けます。吹きこぼれやすいので注意しましょう。
【3】沸騰したら弱めの中火にし10分ほど煮て、竹串が少し抵抗して刺さる程度に、硬めにゆでて水に放ちます。
水に浸して冷ますことで、より大根のアクと臭みを抜くことができます。
■卵の下ごしらえ
【1】卵をゆでます。まず、卵のとがっていないほうに画鋲やキリで浅く穴をあけます。
ゆでている間の圧力を逃すために、穴をあけます。こうすることで、ゆでている間に内側の圧力が膨張し、卵が割れてしまうことを防ぎます。
卵のとがっていないほうは、卵を覆っている膜と、殻との間に隙間がありますので、ゆでている間に卵が飛び出ることが少ないです。
冷蔵庫から出してすぐの卵で構いません。
今回はワインオープナーを使っています。スクリュー半巻き分差し込んだ程度の穴を開けています。卵に穴を開けるツールがあれば、ぜひそちらを使いましょう。
【2】鍋に卵を並べ、ひたひたに水を注ぎ、酢(分量外:水1リットルあたり大さじ1)を入れます。
ここでいう、ひたひたの水とは、卵が少しだけ水から出ている状態です。今回は直径22cmのフライパンに、水1リットルを入れています。卵8個でも同量の水で問題ありません。
酢には2つの役割があります。
1つは、たんぱく質を固まらせる働きがありますので、もし卵の殻が割れて白身が飛び出してきても、すぐに固め、それ以上卵が飛び出ないようにします。
もうひとつは、卵の殻を柔らかくする働きがありますので、卵の殻がむきやすくなります。
【3】ふたをして中火で加熱します。沸騰したら火を止め、そのまま7分蒸らします。
【4】氷水にとって急冷し、3分程度冷やします。
氷水につけ、手でさわれる程度に粗熱が取れたら、卵全体に軽くヒビを入れておいて冷やしておくと、さらに殻がむきやすくなります。
殻にヒビを入れる際は、平らなところで転がすようにすると、白身が傷つきにくいです。
【5】殻をむき、水にさらします。こうすることで、硫黄臭さが取れます。
■豚の角煮の作り方
【1】豚肉は5~6cm幅(指4本分の幅目安)に切ります。
冷蔵庫から出してすぐの状態で構いません。
豚肉は、調理が進むにつれ、どんどん小さくなりますので、仕上がりイメージよりも1.5~2倍程度大きめのサイズに切るとよいです。
【2】豚肉を焼きます。フライパンを中火にかけ、2分ほど熱し、手順1の豚肉を並べ、それぞれの面を、4~5分ずつを目安に焼きます。
バラ肉を使用する場合は、空焼きで構いません。肩ロース肉を使用する場合は、サラダ油小さじ2(分量外/4人分、8人分とも同量)を薄くひき、中火にかけます。
焼くことで、肉の旨味をしっかりと閉じ込めるとともに、余分な脂を落とします。赤い色や白い色がなくなるまで、しっかりと焼きましょう。しっかり焼くと硬く仕上がりそうなイメージがありますが、全くそんなことはありません。むしろ焼きが足りないと、特に白い脂肪の部分は柔らかくなりません。
【3】余分な脂は切ります。脂はざるでこすとラードとして利用できます。お好みでどうぞ。
冷蔵庫で2週間、冷凍庫で1か月ほど日持ちします。これで中華風の炒めものや炒飯を作るとおいしく仕上がります。
脂を捨てる場合、くれぐれも排水溝にそのまま捨てるのだけはやめましょう。キッチンペーパーか新聞紙で吸い取ってから捨てましょう。
【4】豚肉を煮込み用の鍋に入れ、しょうゆを加えて絡めます。粗熱が取れるまでそのまま15分ほど休ませます。
しょうゆを絡めて冷ますことで、しっかりとしょうゆ味をしみ込ませます。
【5】弱火にかけます。煮汁が沸騰したらさらに1分ほど煮ます。
ふたは、してもしなくても、どちらでも構いません。
しょうゆで肉汁を引き出した濃い煮汁で、しょうゆ味を、さらにじっくりとしみ込ませます。
【6】酒を加え中火にします。煮汁が沸騰したら、さらに4~5分ほど煮ます。
酒は、だし代わりです。酒をたっぷりと入れて煮込むことで、肉のクセを飛ばし、旨味をより芳醇にします。
【7】砂糖を加え全体になじませます。
火加減は中火のままで構いません。
【8】だし昆布を上にかぶせ入れ、その上から大根、卵を並べ入れ、水を加え、アク取りシートか落としぶたを乗せ、ふたをします。
水の分量は、大根、卵を加えた際も変えません。煮込んでいるうちに、さらに大根と豚肉から水分が出るため、問題ありません。
【9】沸騰したら弱火にし、30分ほど煮込みます。
【10】落としぶたを取り、上下を返すように底からかき混ぜます。
アク取りシートを被せている場合、全体のアクを拭っておくとよいです。
【11】ふたをして再び沸騰したら火を止めます。粗熱が取れるまでこのまま置きます。2~3時間ほど余熱でじっくりと火を通し、だんだん冷まして仕上げます。
煮物は、冷める際に味がしみ込みます。余熱でじっくりと火を通し、自然に冷まして仕上げます。
【12】冷めてからいただく際に、再び温めることでより味がしっかりとしみ込み、ホロホロとろける仕上がりになります。
【13】鍋ごと保存すると鍋が傷んだり、変色したり、味が染み付いて抜けなくなることもあります。鍋ごとではなく保存容器に移して冷蔵庫で保存しましょう。
保存の際は、粗熱を取ってから、充分に消毒した保存容器に入れて冷蔵庫で保存します。
汁気が多い仕上がりです。周りを水で冷やしながら、中身が空気にふれるようにかき混ぜて急冷することで、食中毒を防止することができます。水で冷やして10~15分ほど置いておくと、粗熱が取れます。
冷えると脂が固まりますが、神経質に取り除く必要はありません。脂は温めると溶けて旨味になりますので、一緒に温めるとよいです。
■作り置きのコツ・ポイント
煮込み鍋は土鍋がおすすめです。少ない煮込み時間でも余熱でじんわりと火が通り、ホロホロ柔らかく仕上がります。
豚肉は余分な脂が抜けることでどんどん小さくなりますので、仕上がりイメージよりも1.5~2倍程度大きめのサイズに切るとよいです。
豚肉は、赤い色や白い色がなくなるまでしっかりと焼きましょう。
煮物は冷める時に味がしみ込みます。いったん粗熱が取れるまで置き、いただく際に再び温めるとよいです。
鍋ごと保存すると鍋が傷んだり、変色したり、味が染み付いて抜けなくなることもあります。鍋ごとではなく保存容器に移して冷蔵庫で保存しましょう。
保存の際は粗熱を取ってから、充分に消毒した保存容器に入れて冷蔵庫で保存します。
汁気が多い仕上がりです。周りを水で冷やしながら中身が空気にふれるようにかき混ぜて急冷することで、食中毒を防止することができます。水で冷やして10~15分ほど置いておくと粗熱が取れます。
■アレンジのヒント
いただく際に添えておいしい具材や調味料:練り辛子/白髪ねぎ(ねぎの白い部分を、白髪のように縦にごく細くせん切りにしたもの)
煮汁の活用法:炊き込みご飯/炒め物の味付け/煮玉子/根菜の煮物/おからの煮物/切干大根の煮物
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