■保存期間
冷蔵5日
■紹介文
今日は、筑前煮のレシピをご紹介します。
たっぷりの根菜を鶏もも肉の旨味で煮含めた、滋味あふれる一品です。
温かくても冷めてもとてもおいしくいただけるので、普段のおかずやお弁当にはもちろん、おせち料理や、ハレの日のおもてなしにも大活躍します。
飾り切りをしお重に詰めて、きぬさやをあしらうと、とても豪華に仕上がります。
■材料(4~5人分)
鶏もも肉 1枚(約300g)
干し椎茸 4~5枚
里芋 4~5個(約100g)
ごぼう 1/2本(約150g)
れんこん 1節(約150g)
にんじん 1/2本(約100g)
水煮たけのこ 約150g
こんにゃく 1/2枚(約120g)
くわい(あれば) 6~8個(約100g)
きぬさや 8~10枚程度
■鶏肉の下ごしらえ用
酒 小さじ1(5ml)
みりん 小さじ1(5ml)
しょうゆ 小さじ1(5ml)
■調味料
サラダ油 小さじ2(10ml)
だし汁 500ml
(または) 水500ml+粉末だしの素小さじ1
干し椎茸の戻し汁 100ml
酒 大さじ2(30ml)
砂糖 小さじ4
みりん 大さじ2(30ml)
しょうゆ 大さじ2(30ml)
■作り方
【1】干し椎茸を戻します。
干し椎茸はさっと洗ってゴミを落とし、軸を下にして、かぶる程度の水につけて戻します。上からラップで覆うと、浮かずに確実に戻すことができます。
水につけて冷蔵庫で12時間~24時間(一昼夜)ほどかけて戻すと、中までふっくらと戻り、かつ、歯ごたえもあり、そして良い出汁も出て、一番おいしく仕上がります。
時間がない場合や、思い立って作る場合は、耐熱容器に干し椎茸と、干し椎茸がかぶる程度の水とひとつまみ(小さじ1/6~1/8目安)の砂糖を入れてラップをし、電子レンジ600Wで1分ほど様子をみながら50度程度の温度まで加熱し、冷めるまで置いておくとよいです。その間に、次以降の手順に進むと良いです。
【2】鶏肉はひと口大に切ります。
鶏肉は、水洗いして水気を拭いてから調理すると、臭みが取れます。
鶏もも肉はキッチンバサミを使うと切りやすいです。
血合いや黄色い脂がある場合は、雑味が出てしまいますので、取り除くことをおすすめします。
白い筋がある場合は、取り除いておきましょう。加熱すると硬くなります。
【3】丈夫な袋またはボウルに鶏肉の下ごしらえ用の材料と手順2の鶏もも肉を入れよくもみ込み、冷蔵庫で30分以上ねかせます。
ねかせている間に、根菜の下ごしらえをするとよいです。
【4】こんにゃくは手綱(たづな)にし、塩(分量外:大さじ1/2)をふりかけて、手綱がほどけないように軽くもみ10分ほど置きます。
それぞれの具材は、飾り切りでご紹介します。
こんにゃくを飾り切りしない場合は、ひと口大に手でちぎるか、スプーンでくり抜くとよいです。おろし器やスライサーの反対側に付いているギザギザもおすすめです。
塩でもんで置いている間に、お湯をわかすとよいです。4人分500ml目安です。
【5】よく沸騰したお湯にこんにゃくの水分を切って入れ、2~3分間ほど中火でゆでてざるにあげておきます。
【6】れんこんは花れんこんにし、水に2~3分さらします。穴と穴の間に縦に包丁を入れて、V字型に切り込みを入れていき、皮をむきながら丸く整え、7mm~1cmの厚さに切りそろえます。
詳しい切り方は、別のページでご紹介しています。
【7】にんじんはねじり梅にします。1.5cm幅(人さし指の幅目安)に切り、梅型で抜き、花びらを区切るように切り込みを入れていきます。
詳しい切り方ついては別のレシピで紹介しています。
にんじんは意外に火が通りやすく、煮くずれしやすいため、飾り切りにする場合は、1.5cm程度の厚みをもたせるようにするとよいです。
ひと口大に切る場合、普段にんじんの皮をむかないという方も、筑前煮の際は、ぜひ皮をむきましょう。皮付きのままですと、煮込むと薄く皮がはがれてしまい、中途半端にぶら下がったり、他の具材にくっついたりして、気持ち悪い仕上がりになってしまいます。
【8】くわいは底と皮を厚めに切り落とし亀甲に切ります。
詳しい切り方ついては別のレシピで紹介しています。
【9】里芋は手に酢をつけて皮をむき亀甲に切ります。
里芋は、泥を洗い落とした後に、よく乾かしておいてから皮をむくと、すべりにくく、むきやすいです。皮をむく際は、手に酢をつけて皮をむくと、かゆみが和らぎます。
詳しい切り方ついては別のレシピで紹介しています。
【10】くわいと里芋は塩(分量外:小さじ1)をふりかけて、たっぷりの沸騰させたお湯に入れ、再び沸騰したら4~5分ほどゆでます。ゆで上がったらざるにあけておきます。
これを「ゆでこぼし」といいます。
くわいや里芋はゆでこぼすことで、ぬめりや土臭みを取ります。また、味がしみ込みやすくなりますので、控えめの調味料でも、しっかりと味を含ませることができます。
【11】たけのこはひと口大に切ります。穂先は末広切りにするとよいです。
末広切りの詳しい切り方ついては別のレシピで紹介しています。
【12】ごぼうはたわしなどで泥を洗い落とします。皮はむきません。根元の硬い部分は切り落とし、皮ごと7mm厚さ(人差し指の1/2幅目安)、3~4cm長さ(指2本分の幅目安)の斜め切りにし、水に2~3分さらします。
【13】戻した干し椎茸は、石づきを切り落とします。大きいものは半分に切るとよいです。
【14】きぬさやはヘタと筋を取って矢羽根に切り、塩ゆでして水に放ちざるにあげておきます。
詳しい切り方ついては別のレシピで紹介しています。
塩ゆでは、4人分でお湯400ml+塩小さじ1(分量外)が目安です。
長い間水に浸けていると、栄養が抜けたり、色が黒ずんできますので、早めにざるにあけるようにしましょう。この時点で、水気を切ってラップに包み、密閉容器に入れると、冷蔵庫で3日間ほど保存できます。
【15】鍋かフライパンにサラダ油をひき中火にかけて熱し、手順3の鶏肉を漬け汁ごと加えて炒めます。鶏肉の表面が白くなったら取り出しておきます。
この時点では、完全に火が通る必要はありません。鶏肉の旨味を油に移す程度で充分です。
鶏肉は火を通しすぎると硬くなりますので、先に炒めて取り出しておきます。鶏肉の旨味を引き出しておき、他の野菜とだし汁を加えて煮込み、最後の味付けの際に戻し入れることで、それぞれの旨味が活きた仕上がりになります。
【16】手順15のフライパンを再び中火にかけ、下ごしらえをした具材を加えて混ぜ油を回します。
にんじんは意外に火が通りやすく、煮くずれしやすいので、ねじり梅の形を崩したくない場合は、手順19で鶏肉と一緒に加えるとよいです。
【17】具材全体に油が行き渡ったらだし汁と干し椎茸の戻し汁を入れます。アクが浮いてくるようでしたら取り除きましょう。
【18】沸騰したら酒、砂糖を加えて全体になじませて、落としぶたかアク取りシートを上からかぶせ、鍋のふたを少しずらしてかぶせ弱めの中火で10分ほど煮ます。
まず、酒と砂糖だけで煮ます。酒は具材の臭みを飛ばして旨味を引き出します。砂糖は具材を柔らかくする働きがあること、また、しょうゆよりも分子が大きいことから、しょうゆより先に砂糖だけで煮ることで、砂糖控えめでも、仕上がりの甘味がきちんと引き立ちます。
【19】落としぶたを取り、手順15の鶏肉、みりん、しょうゆを加え、全体になじませます。
アク取りシートを被せている場合、全体のアクを拭っておくとよいです。
【20】再び落としぶたをして鍋のふたを少しずらしてかぶせ、7~10分ほど煮て、具材が柔らかくなったら火を止めます。落としぶたを取り除き、ふたをしてそのまま2~3時間ほど置いて、味を含ませます。
アク取りシートを使う場合、上から軽く押して、具材に密着させるようにするとよいです。
沸騰している間は、煮汁のかさが多く見えます。また、煮汁は冷める間に具材にしみ込むこと、あまり火を通し過ぎるとにんじんや里芋が崩れてしまいますので、具材が柔らかくなったら火を止めましょう。
【21】常温まで完全に冷めたら、再び弱めの中火にかけます。味見をしてお好みの甘辛さと濃さになったら、火を止めます。
煮物は、冷める際に味が染み込みます。具材が柔らかくなったら一旦火を止めて冷ますことで、しっかりと味を含ませ、それからもう一度火を入れて仕上げます。煮詰め過ぎないように注意しましょう。
【22】盛り付ける際にきぬさやをあしらいます。
保存の際は、粗熱を取ってから、重箱ではなく、充分に消毒した保存容器に入れて、冷蔵庫で保存しましょう。
おせち料理の準備などで大量に作った場合は、鍋ごと外の軒下などに置いておくとよいです。
■作り置きのコツ・ポイント
干し椎茸は水につけて冷蔵庫で12時間~24時間(一昼夜)ほどかけて戻すと、中までふっくらと戻り、かつ、歯ごたえもあり、そして良い出汁も出て、一番おいしく仕上がります。
鶏もも肉は、①水洗いして水気を拭き取る②血合いや黄色い脂を取り除く③筋を断ち切ってから調理すると、臭みや雑味が取り除かれ硬く不快な舌触りもなくなります。
普段にんじんの皮をむかないという方も、筑前煮の際はぜひ皮をむきましょう。皮付きのままですと煮込んだ際薄く皮がはがれてしまい、中途半端にぶら下がったり、他の具材にくっついたりして気持ち悪い仕上がりになってしまいます。
鶏肉は火を通しすぎると硬くなりますので、先に炒めて取り出しておきます。鶏肉の旨味が出た汁に他の野菜とだし汁を加えて煮込み、最後の味付けの際に戻し入れることで、それぞれの旨味を活かした仕上がりにします。
にんじんは意外に火が通りやすく煮くずれしやすいので、ねじり梅の形を崩したくない場合は、手順19で鶏肉と一緒に加えるとよいです。
煮込む際は、まず、酒と砂糖だけで煮ます。酒は具材の臭みを飛ばして旨味を引き出します。砂糖は具材を柔らかくする働きがあること、また、しょうゆよりも分子が大きいことから、しょうゆより先に砂糖だけで煮ることで仕上がりの甘味がきちんと引き立ちます。
煮物は冷める際に味が染み込みますので、具材が柔らかくなったら一旦火を止めて冷まし、もう一度火を入れて仕上げます。最後の炒り煮は味見をして、お好みの甘辛さと濃さになったら火を止めます。煮詰め過ぎないように注意しましょう。
■アレンジのヒント
茶碗蒸しの具材としても活躍します。卵1個あたり、うすくちしょうゆ・みりん各小さじ1/3、だし汁200ml、塩少々(親指と人さし指でつまんだ量)が目安です。
卵でとじると、具だくさん親子丼の具材として活躍します。1人前あたり、みりん大さじ2、だし汁・しょうゆ各大さじ1で、筑前煮お玉1杯(90g)を温めて、卵2個でとじるのが目安です。
細かく切って、混ぜご飯やちらし寿司の具材にも。
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