とろとろ脂と柔らかい肉のバランスが絶妙。
程よいバランスの豚の脂が口の中で甘くとろけ、肉汁がじゅわっと広がる。
《材料》
☆2〜3人分☆
・豚ばら ブロック/塊肉 500g
・しょうが(スライス) 2~3枚
・ねぎの青い部分 約10cm
<煮詰める調味料>
・酒 大さじ5
・しょうゆ 大さじ3
・みりん 大さじ2
・さとう 大さじ1
■このレシピに使った製品
低温調理器 BONIQ
※詳しくはプロフィール欄をご覧ください。
※BONIQ 公式製品サイト:https://boniq.store/
(「ボニーク」で検索もOK)
《手順》
1 BONIQをセット
高温・長時間調理による水の蒸発で水位が下がり、BONIQの稼働停止や食材の加熱ムラの発生を防ぐため、下限水位から大きく余裕を持たせた水量をセットする。
77℃ 0:30(30分)に設定する。
2 豚ばらをカットする
豚ばらを4cm幅にカットする。
3 豚ばらを焼く
フライパンを熱し(油は不要)、豚ばら上面の脂身から全面がきつね色になるまで中火で焼く。
こうすることで余分な脂を落とし(下画像)、後に下茹でする時に身が縮んだり旨みが流出するのを防ぐ。
4 豚ばらを下茹でする
鍋に豚ばら、ひたひたの水、ねぎの青い部分、しょうがを入れて火にかけ、沸騰したらフツフツ沸くくらいの弱火にしアクを取る。
竹串がスッと通るくらい(約2時間)になれば火を消し、茹で汁の中で冷ましておく。
5 調味料を煮詰める
後に豚ばらと調味料を一緒にBONIQする際、肉汁が出て調味料が薄まることを考慮し、かなりトロトロの状態まで煮詰める。
6 フリーザーバッグに投入
④の豚ばらと⑤煮詰めた調味料をフリーザーバッグに入れる。
煮詰めた調味料はかなりトロトロの状態なので、ゴムベラなどを使って鍋に残さないように全て使う。
7 BONIQに投入
BONIQが設定温度に達したらフリーザーバッグを湯せんに入れながら、バッグ内に気泡が残らないようにしっかり空気を抜いて密封し、低温調理をする。
この時、バッグを完全に沈めて食材全体が湯せんに浸かるようにする。
(気泡が残っていたり食材全体が完全に浸かっていないと、熱が適切に伝わらず、加熱ムラが生じる。)
コンテナを使用する場合は保温ルーフで、鍋の場合はラップやアルミ箔で湯せんにカバーをして水位減少を防ぐ。
※フリーザーバッグの密封方法:https://youtu.be/N-t1ox7mox0
※BONIQ コンテナ、保温ルーフ、保温ジャケット:https://boniq.store/pages/bulkupcontainer (「ボニーク」で検索もOK)
8 味を含ませる
BONIQの設定時間終了タイマーが鳴ったらフリーザーバッグを取り出し、バッグのまま室温で最低30分ほど味を含ませておく。
(すぐに食べない場合はバッグを冷水に浸けて急冷し、冷蔵庫へ。)
9 仕上げ
食べる際はフリーザーバッグごと再び77℃の湯せんに10分程(もしくは約80℃で3分程)浸けて温め、皿に盛る。
お好みで辛子を添えて出来上がり。
《作る際のポイント》
調味料を肉に浸透させるために、下茹で後にBONIQで低温調理をしています。
従来法では調味料と多くの酒、水などの水分が必要ですが、フリーザーバッグ内で行うことによって少量の調味料で効率よく浸透させることができます。
以前の「80℃ とろとろ豚ばらの角煮」では豚バラをカットせず
【大きなブロックまま焼く→下茹で→BONIQに入れる前にカットする】
でしたが、今回は
【4cm幅カット→全面を焼く→下茹で→BONIQ】
に行程を改善しました。この方が肉の全面が焼き固められているので下茹で~BONIQする時まで身が縮まず、適度な脂身で究極のとろとろに仕上がることがわかりました。
また仕上げの温度も以前は80℃にしていましたが、肉のタンパク質が縮むのを抑え、より柔らかに仕上げるため77℃に改善しました。
調味料を浸透させるだけなので他の温度でも良いかもしれませんが、もっと低い温度だと効率が悪く、もっと高い温度だと肉のタンパク質が変性して肉がパサついてしまうかもしれません。そこで、「77℃ 豚ばらの低温調理 温度比較実験」の結果も踏まえ、できる限りの高温ということで77℃にしています。
下茹での際、豚ばらに竹串がスッと入るようになれば火を消します。その後は必ず茹で汁の中で冷まします。決して熱いうちに肉を引き上げません。
茹で汁の中で冷ますことで、出てしまった汁が肉の中に戻っていき、ジューシーな角煮に仕上がります。
追記:
ユーザーさんより「圧力鍋で肉の下茹でをすると仕上がりが変わってしまうのか?」との質問をいただきました。
下画像のように、レシピ通り鍋でコトコト下茹でするのと比べたところ、圧力鍋で下茹でした方(右)は約120℃と高温で茹でることになりますので、身が繊維状になりやや硬くなってしまいます。
鍋でコトコト下茹でし、調味料と共にBONIQするこのレシピでは、肉も脂身もトロトロでプルプルの“極上の”状態に仕上がります。
ただこれは両者を比較しているからであって、圧力鍋で下茹でした方も間違いなく美味しかったです。
臨機応変に使い分けていただければ幸いです。
《BONIQ管理栄養士による栄養アドバイス》
牛肉や鶏肉を低温調理しても、煮汁に脂はそれほど溶け出はしないのですが、豚肉を調理すると大量の脂が出てきます。
その理由は 豚の脂肪分の融点が関係しています。
牛の脂が溶ける温度(融点)が50℃前後なのに対し、豚脂の融点は35℃前後と低め。
つまり低温調理をした後の脂を取り除けば、ある程度の量の脂肪分の摂取量を抑えることができるということです。
豚肉の脂には「オレイン酸」という不飽和脂肪酸が含まれています。
オレイン酸は血中コレステロールの「悪玉」を減らし、「善玉」はそのままにしておくという脂肪酸です。
豚バラ肉は脂肪分は多くて苦手…という場合、肩ロース肉で作る角煮も美味です。
肩ロース肉には適度な脂肪分が付いていますし、霜降りのような脂のサシが入っている個体が多いので豚バラ肉よりもヘルシーだけどパサパサしすぎない角煮を作ることができます。
《注意》
低温調理では高温による殺菌ができないため、食の安全に留意する必要があります。
レシピ記載の温度・時間設定をご参考いただき、例として大きく温度設定を変更するなどはされないようご注意ください。
なお、レシピ記載の設定をお守りいただいた上であっても、食材や調理環境などによっても安全面のリスクが異なるため、最終的には自己責任となりますことご了承ください。
取扱説明書や低温調理ガイドブック、各種の低温調理における情報などをご覧いただいた上で、安全に配慮した調理をお願いいたします。詳細は下記URLから参照下さいませ。
【低温調理のルール〜6つのポイント〜】
https://boniq.jp/recipe/?p=19886
(「低温調理 ルール」で検索もOK)
また食中毒に関して、下記のサイトもご一読ください。
特にお年寄りやお子様、免疫力の弱っている方は当サイト推奨温度設定に従わずに、下記厚生労働省サイトの指示に従い全てのお肉で【中心温度75℃ 1分以上】の加熱をしてください。
【食中毒に関する注意点:厚生労働省 食中毒予防】
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/shokuhin/syokuchu/index.html