「チョッパル」とはどんな料理か知っていますか?豚足をじっくり煮込んだ韓国料理で、タレがよく染みたやわらかな食感が魅力なんですよ!この記事ではチョッパルの特徴や歴史に加え、おいしい食べ方や日本の豚足料理との違いなどを解説します。記事の後半では、豚足を使ったおすすめレシピもご紹介するので、ぜひ最後までご覧くださいね。
韓国の豚足料理「チョッパル」とは?由来や特徴、日本の豚足料理との違いを解説!
- 目次
- チョッパルとは
- チョッパルの発祥・歴史
- 韓国にはチョッパル通りがある
- 昔は足首部分を食べていたが今はスネ付近が主流
- チョッパルはどんな味?特徴もご紹介
- 日本の豚足料理との違い
- チョッパルの食べ方や楽しみ方
- 豚足を使ったレシピをご紹介
- 日本の豚足とはまた違うおいしさ!チョッパルを食べてみよう
チョッパルとは
チョッパルとは、豚足を使った韓国料理のこと。韓国語の「족(チョッ)」と「발(パル)」を組み合わせた名前で、どちらも「足」を指す言葉です。そのため、チョッパルを直訳すると「足足」という意味になるんですよ。
チョッパルの発祥・歴史
チョッパルは「紅醤猪脚(ホンシャオジュージャオ)」という中国料理がルーツとなっているという説があります。紅醤猪脚には「猪」という漢字が使われていますが猪ではなく豚を指す言葉で、「紅焼」はしょうゆで煮込むという意味。つまり、豚足をしょうゆで煮込んだ料理です。
もともとは朝鮮半島北部で食べられていた料理でしたが、1950年から1953年の朝鮮戦争の頃に朝鮮半島南部に避難してきた人々によって韓国に広まりました。そのため、韓国料理の中では比較的歴史の浅い料理なのです。
韓国にはチョッパル通りがある
韓国の奨忠洞(チャンチュンドン)には、チョッパルの有名店が集まるチョッパル通りがあります。ここは、朝鮮戦争のときに北部から避難してきたたくさんの人々が来て住み着いた場所であり、戦争直後からチョッパルのお店が多く開かれたそうです。
ここにあるお店の多くは、開店当初から使っているタレを代々受け継ぎながらチョッパルを作っているのだとか。
昔は足首部分を食べていたが今はスネ付近が主流
また、現在韓国では豚足のなかでも肉の多くついたスネに近い部分をチョッパルに使うことが多いですが、もともとは足首に近い部分の豚足を使うのが主流でした。
肉の多くついた豚足は「ワン(王)ジョッパル」と呼ばれ、区別されていたものの、時代とともにワンジョッパルが主流となり、チョッパルといえばワンジョッパルを使うのが一般的になりました。
チョッパルはどんな味?特徴もご紹介
チョッパルの味や食感などの特徴、味つけのバリエーションについても確認してみましょう。また、同じ豚肉料理である「ポッサム」との違いについても解説します。
味わい
チョッパルは、豚足をしょうゆベースのタレでじっくり煮込んだ料理です。豚肉のコクや旨味を楽しめる料理ですが、しっかりと煮込むことによって脂が落ちるので、意外と後味はさっぱりとしています。
香辛料を使った風味豊かな味わいも魅力で、見た目に反して豚肉特有の臭みもほとんどありません。
💡ワンポイント豆知識
ちなみに、タレの材料はしょうゆや塩、酒、砂糖、生姜、ニンニク、ねぎ、コショウなど。フェンネルや八角、シナモン、クローブ、山椒、陳皮といった香辛料を加えることもあります。
食感や部位の特徴
これまでもご説明しましたが、チョッパルに使うのは豚足です。豚足はコラーゲンが多く、ほかの豚肉の部位とは食感が異なります。コラーゲンはじっくり煮込むことでゼラチンとなりとろけるようなやわらかさと、プリプリと弾力のある食感が楽しめます。
豚肉を使った韓国料理といえば、ポッサムもよく知られていますよね。チョッパルとポッサムの大きな違いは、使っている豚肉の部位です。ポッサムは豚のバラ肉などを茹でた料理で、チョッパル専門店でも食べられます。
バリエーション
チョッパルには、オーソドックスなものからアレンジしたものまで、さまざまなバリエーションがあります。よく知られているアレンジメニューが「冷菜チョッパル(ネンチェチョッパル)」。
スライスしたチョッパルにクラゲの塩漬けやきゅうりなどの野菜、錦糸卵などをのせてピリ辛味のタレをつけて食べるメニューです。釜山のチョッパル店で考案され人気を集めましたが、現在では韓国各地で親しまれています。
💡ワンポイント豆知識
ほかにも、お店によっては激辛チョッパルや炭焼きチョッパル、揚げチョッパル、タレのアレンジなど、さまざまなチョッパルメニューがあるんですよ!
日本の豚足料理との違い
チョッパルは豚足を使った料理とご説明しましたが、日本にも豚足を使った料理がありますよね。ここでは、チョッパルと日本の豚足料理との違いを比較してみましょう。
| 項目 | 韓国「チョッパル」 | 日本の豚足料理 |
|---|---|---|
| 味つけ | しょうゆ・砂糖・ニンニク・生姜・香辛料 |
塩・みそ・しょうゆ(地域差あり) |
| 調理法 | 下 茹で後、調味料と一緒に長時間煮込む |
下茹で後、調味料と一緒に長時間煮込む、焼く(福岡)、塩茹で(山形) |
| 食感 | プルプル、トロトロ、肉らしいしっかりとした食感 |
プルプル、トロトロ、カリカリ、モッチリ(焼く、揚げる) |
| 食べ方 | 薄切りにして野菜に巻く、薬味やタレと一緒に |
そのまま、酢じょうゆ・ポン酢 |
| 薬味・タレ | サムジャン(みそダレ)、エビの塩辛 |
辛子味噌、酢味噌、塩 |
| 文化背景 | 美容食・おつまみ |
郷土料理・おつまみ |
| 有名な地域 | ソウル・奨忠洞(チャンチュンドン)、釜山・南浦洞(ナンポドン) |
沖縄(てびち)、鹿児島、福岡、山形 |
食感や部位の特徴
チョッパルは豚足の中でも足の付け根に近い部分を使うので、肉のしっかりとした噛みごたえを感じられます。
一方、日本の豚足料理では、肉があまりついていない足先部分を使うので、プルプルとしたゼラチン質が特に際立つのです。
有名な地域
先ほど少し触れましたが、韓国のソウルは通りごとに売っている食べ物に特色があり、奨忠洞(チャンチュンドン)はチョッパル店が軒を連ねる「チョッパル通り」として知られています。
また、釜山の南浦洞(ナンポドン)にも、チョッパル通りと呼ばれるところがあり、何軒ものチョッパル専門店があるんですよ。その中に、前述の冷菜チョッパルの元祖といわれる店があります。
一方、日本で豚足料理が有名な地域は、沖縄県や鹿児島県の奄美地方、福岡県など。
沖縄県や奄美地方では、豚足をしょうゆなどの味つけで煮込んだ「てびち」が郷土料理として親しまれています。福岡では、下茹でした豚足を焼いた「焼き豚足」が有名です。
チョッパルの食べ方や楽しみ方
チョッパルはどのように食べる料理なのでしょうか。ここでは、チョッパルの食べ方や楽しみ方をご紹介します。
たくさんの付け合わせと一緒に提供される
多くのお店では、チョッパルを注文すると、骨を外してスライスされた状態で出てきます。さらに、サンチュやえごまの葉、エビの塩辛、サムジャン、キムチ、ねぎの和え物なども一緒に提供されるのが一般的です。
アミエビの塩辛をつけたりサンチュを巻いて食べる
チョッパル自体に味がついているのでそのまま食べてももちろんおいしいですが、お好みでエビの塩辛をつけたり、葉物野菜で巻いてタレをつけて食べたりとさまざまな楽しみ方ができます。
韓国冷麺と一緒に食べる
また、チェンバンククスやマッククスといった甘酸っぱい味つけの韓国冷麺と一緒に食べるのも定番です。
豚足を使ったレシピをご紹介
さてここからは、豚足を使ったおすすめレシピをご紹介します。茹で豚足をカリッと焼いた豚足の香味焼きや、八角の風味が食欲をそそる豚足の台湾風煮込みなど、バラエティ豊かなレシピをピックアップしたので、ぜひチェックしてみてくださいね。
豚足の香味焼き
豊かな風味が食欲をそそる、豚足の香味焼きはいかがでしょうか。ガーリックパウダーや花椒、粉唐辛子を使ったスパイシーな味わいで、クセになるおいしさ!市販の茹で豚足を使えばフライパンで焼くだけで簡単に作れるので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
豚足のやわらか煮
トロッとやわらかな食感がたまらない、豚足の煮物のご紹介です。じっくりと煮込むことで、豚足の旨味が大根にもよく染み、とてもおいしいですよ。ぜひ作ってみてくださいね。
豚足の台湾風煮込み
台湾風の豚足煮込みを作ってみましょう。シンプルな味つけですが、八角の香りが加わることによって奥深い味わいに仕上がります。しっかりと味の染みた豚足と卵が絶品なので、ぜひお試しくださいね。
柚子こしょうダレで 焼き豚足
オーブントースターで作る焼き豚足をご紹介します。ゆず胡椒やすりおろしニンニク、ごま油などを混ぜたタレを豚足にすりこんで焼くだけなのでとても簡単!ゆず胡椒のピリッとした辛味で、ついつい食べ進めたくなるおいしさですよ。お酒のおつまみにもおすすめです。
日本の豚足とはまた違うおいしさ!チョッパルを食べてみよう
今回は、チョッパルの特徴や歴史、日本の豚足との違いについて解説し、おいしい食べ方やおすすめの豚足料理のレシピをご紹介しました。じっくり煮込んだチョッパルのやわらかくてプルプルとした食感は、一度食べたらやみつきになること間違いなしです!ご紹介したレシピも参考に、ぜひおうちで豚足を使った料理を作ってみてくださいね。
