最終更新日 2023.3.30

菜種油とは?特徴や他の油との違いを解説!

菜種油とは?特徴や他の油との違いを解説!

食用油として古くから使われている「菜種油」。身近な食用油ですが、お店にはキャノーラ油やサラダ油などもあり、違いがよくわからないという方も多いのではないでしょうか。そこでこの記事では、菜種油について解説します。菜種油の特徴やほかの油との違い、使い方についてもご紹介しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。

  • 目次
  • 菜種油とは?
  • 菜種油の種類について
  • ほかの油との違い
  • サラダ油
  • 大豆油
  • こめ油
  • ひまわり油
  • べに花油

菜種油とは?

菜種油(なたねあぶら・なたねゆ)とは、アブラナ科の植物の一種であるセイヨウアブラナの種子から抽出した油を指します。色は透明か、やや黄みがかった半透明です。

アブラナは中国大陸から日本に伝わり、はじめは野菜として食していましたが、江戸時代に菜種油の搾油がはじまり、行灯の燃料として用いられました。食用油として広く普及したのは明治時代になってからといわれています。

菜種油の搾油には、圧搾法と抽出法があります。伝統的な作り方は圧搾法による搾油ですが、現在は大量生産に適した抽出法が大半を占めています。圧搾法によって、手間暇かけて抽出した一番搾りの菜種油は、深みの濃い黄色や深緑色で、焙煎の香りや菜種本来の風味を楽しむことができますよ。

菜種油の種類について

菜種油の親戚のような食用油に「キャノーラ油」があります。キャノーラ油の方が馴染みがあるという方も多いのではないでしょうか。このキャノーラとは、品種改良されたセイヨウアブラナの一種のことで、キャノーラ油はキャノーラ種を使用して作られたものなのです。キャノーラ油も菜種油の一種なのですね。

基本的に精製された油なので、気になるにおいやクセもなく、安価で手に入りやすい食用油といえます。熱に強く、クセが少ないことから加熱調理からドレッシングまで幅広く使えますよ。

ほかの油との違い

ここからは、菜種油の特徴をより理解するために、ほかの油の特徴をご紹介します。

サラダ油

サラダなどに使用できる、そのまま生でも食べられる油ということから「サラダ油」という名前がついたといわれています。JAS規格により、菜種、大豆、米、ひまわり、紅花、綿実、とうもろこし、ごま、ブドウなどの油を精製したものがサラダ油として規定されています。

大豆油

大豆油は、日本でも明治時代から使用されてきました。クセがなく、独特のうまみやコクがあることから、世界中でさまざまな料理に使われています。白絞油(しらしめゆ)と呼ばれることも。

こめ油

お米を精製する際にできる米ぬかを使用して作られる油です。酸化に強く、油切れもよいことから揚げ物用として好まれています。

ひまわり油

ひまわりの種子から抽出したひまわり油は、世界中で広く使われている食用油です。クセがなく軽やかな味わいが特徴。マーガリンやマヨネーズの原料から、炒め物用、生食用など幅広く使われています。

べに花油

べに花の種子から抽出された食用油。サフラワー油とも呼ばれ、香りや苦み、クセがほとんどないことから、揚げ物からドレッシングまで幅広く使える食用油です。

綿実油

綿を取った後の種子が原料となる食用油です。「サラダ油の王様」とも呼ばれ、まろやかな風味と冷めても風味が落ちにくい特徴があるので、高級天ぷら油などとして利用されています。

ごま油

ごま油は原料や製法によって、香りや風味が異なります。圧縮する前に焙煎を行なうと、香ばしい風味と茶褐色の色が特徴のごま油になり、豊かな風味とコクを活かして、風味づけに用いられます。焙煎をせずに圧縮される太白ごま油は、色が薄くてクセがないため、天ぷら油やお菓子作りにも使用されています。

オリーブ油

多くの植物油が種子を圧搾して作られますが、オリーブ油はオリーブの果実を圧縮します。オリーブの果実をそのまま絞ったものをバージンオイル、そのなかでも最高品質のものをエクストラバージンオイルと呼びます。ピュアオリーブオイルと呼ばれるものもあり、バージンオイルと精製されたオリーブオイルを混ぜたものを指します。

コーン油

コーンスターチを作る際に分離した胚芽を使用して作られる食用油です。香ばしい風味やコクが特徴で、使用した後の保存性のよさなどから揚げ油として好まれています。

グレープシードオイル

白ワインを作る際に取り除かれる種子を圧搾して作られたもの。色はブドウの品種によって異なりますが、黄色から緑色をしているのが一般的です。見た目のわりに味にクセはなく、さっぱりとした風味から揚げ物や炒め物、ドレッシングまで、日常的に使いやすい油といえます。

パーム油

アブラヤシを絞って作られる食用油です。日本人にとってはあまり馴染みがないかもしれませんが、実は世界で一番使用されています。淡白な味わいですが、常温で固体になることからマーガリンやチョコレートなどの加工用として使用したり、酸化安定性に優れているため揚げ油としても利用されます。

ピーナッツ油

ピーナッツ特有の香りと風味が特徴的な油です。主に中華料理で活躍します。加熱に強いので炒め物や揚げ物で使用されたり、高温に熱したピーナッツ油を切ったねぎや生姜にかけて香りを出したりと幅広い用途で使用されます。

油の種類についてもっと詳しく知りたい方はこちら!

菜種油の活用方法

菜種油の特徴やほかの油との違いがわかったところで、菜種油の利用方法についてご紹介します。菜種油には、酸化しにくく、コシが強いという特徴があります。揚げ物に使うとカラッと揚がり、さっぱりとした仕上がりに。香りやクセが少ないので、サラダのドレッシングやお菓子に使ったりと、幅広く使える使い勝手のよい食用油です。

先ほどご紹介した、昔ながらの圧搾法で作られた一番搾りの菜種油の場合は、菜種特有の香りや風味が残っています。揚げることによってややマイルドになりますが、特有の風味は残るので、揚げ物や炒め物に使うことでよいアクセントになるでしょう。用途に合わせて使い分けてもおもしろいかもしれませんね。

菜種油の特徴を活かして調理しよう!

いかがでしたか。菜種油の特徴やほかの油との違い、使い方についてご紹介しました。日本でも古くから使われてきた菜種油は、私たちの生活に欠かせない身近な食用油のひとつです。クセが少なく使いやすいので、揚げ物からドレッシングまで、さまざまなシーンで幅広く使えるのも魅力。今回ご紹介した内容をぜひ参考にしていただき、菜種油を毎日の料理に取り入れてみてくださいね。

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