最終更新日 2024.2.27

くさやってどんなにおい?使う魚の種類や作り方・食べ方をご紹介!

くさやってどんなにおい?使う魚の種類や作り方・食べ方をご紹介!

発酵させた魚の干物である「くさや」。世界で5番目にくさいと言われる強烈なにおいで知られていますが、一体どんな食べ物なのかよくわからないという人も多いのではないでしょうか?この記事ではくさやがどんなにおいなのかに加え、使う魚の種類や作り方や食べ方などを解説します。ぜひ最後までご覧くださいね。

  • 目次
  • くさやとは?
  • くさやの歴史
  • くさやのにおいは?
  • くさやの味
  • くさやの作り方と食べ方
  • 作り方
  • 食べ方
  • クセになる味わい?くさやに挑戦してみよう

くさやとは?

くさやとは新島や八丈島をはじめとする伊豆諸島の名産品である魚の干物のこと。非常に強烈なにおいを持つ食べ物として有名です。魚をさばいて内臓や血合いを取り除き、くさや液と呼ばれる特有のにおいがある調味料に漬け込みます。くさや液に10~20時間ほど漬け込んだら水に漬けて塩分やくさや液を抜き、天日干しか乾燥機でじっくりと乾燥させて完成です。

くさやの原料となる魚の種類はひとつではなく、ムロアジなどアジ科の魚に加え、シイラやトビウオ、サンマなどさまざまな種類の青魚が用いられます。くさや作りには脂の少ない魚の方が適しており、アジ科で最も多く使われるムロアジの中でも、青ムロと呼ばれる種類が最適だそうです。別名「クサヤモロ」や「クサヤムロ」と呼ばれることもあるんですよ。

くさやは通常の干物と比べて塩分の濃度が低いのが特徴です。一般的な干物の塩分濃度が18~20%なのに対し、くさやは6~8%と言われています。塩分濃度が低いにもかかわらず長期保存できるのは、くさや液に含まれているくさや菌のおかげ。このくさや菌は抗菌性細菌と言われる乳酸菌の一種です。

くさやの歴史

くさやという名称が生まれたのは江戸時代。日本橋の魚河岸で命名されたようです。強烈なにおいから「くさいや」と言われていましたが、それがなまって「くさや」と呼ばれるようになったという説や、ムロアジの別名「クサヤモロ」が由来という説もあるんですよ。とはいえ、くさやそのものは伊豆諸島で室町時代から作られていたとも言われています。江戸時代の記録には幕府に献上品として納められていたという記述も。

くさやの誕生の歴史には伊豆諸島ならではの風土が背景にあります。江戸時代には一般的に塩を用いて干物を作っていましたが、離島である伊豆諸島では水や塩などの資源がたいへん貴重だったそうです。とくに伊豆諸島は急な斜面が多い土地柄で稲作や畑が盛んではなかったため、米の代わりに塩を年貢として幕府に納めることが求められていました。貴重な塩を節約するため、干物を作る際も魚を塩漬けにせず塩水に漬けていたそうです。その塩水も一回ごとに捨てることなく、新たに魚を塩漬けにする際は使い残しの塩水を何度も再利用しました。

その結果、塩水には魚肉の可溶成分や取りきれなかった内臓の一部などが溶け出し、これらの成分から微生物が発生しました。そして、これらの微生物によって塩水が発酵した結果、特有のにおいを発するようになったのです。

数十年から数百年にもわたって、このように塩を継ぎ足しながら使ったくさや液は、改良を加えながら代々受け継がれ、現代のくさや液となりました。このくさや液はぬか床のように各商店ごとに受け継がれ、伝統の味となっています。島ごとににおいや味わいが少しずつ違うのも特徴です。

くさやのにおいは?

特有の強烈なにおいがたびたび話題になるくさやですが、いったいどのようなにおいがするのでしょうか?まず、どれほど強いにおいなのか見ていきましょう。

くさや以外にもにおいが強いことで世界的に知られている食材には納豆やたくあんの古漬けなどがあります。それらと比べてもくさやは圧倒的ににおいが強いと言われているんですよ。いかに強烈なにおいかが伺えますね!ちなみに、世界で1番臭いと言われている食べ物はスウェーデンの「シュール・ストレミング」で、ニシンの塩漬けです。開封直後のシュール・ストレミングは納豆はもちろん、くさやよりもずっと臭いとされています。

くさやのにおいはさまざまなものに例えられてきました。その多くが食べ物ではなく、顔をしかめたくなるような臭い物や場所を例として用いられています。いかに激しいにおいかということが伝わってきますね。

くさやの味

非常ににおいが強いために敬遠されがちなくさやですが、くさやを好んで食べる人も少なくありません。においは強烈ですが、その向こう側にたいへん味わい深くクセになるおいしさがあるのです。くさや液には旨味成分であるアミノ酸が豊富に含まれているため、一般的な干物よりも旨味が強いと言われています。一般的な干物の旨味を凝縮させたような深い味わいとまろやかな旨味が感じられるのだとか。噛めば噛むほど発酵した深い旨味が感じられるのが魅力です!

熟成チーズなどにも似たまろやかで旨味たっぷりの味わいは一度食べたら忘れられないと言われています。ごはんのおともにも、お酒のおつまみにもよく合うそうですよ。

くさやの作り方と食べ方

くさやの特徴や歴史、においや味わいなどがわかったところでここからはくさやの作り方やおいしい食べ方についてご紹介します。

作り方

くさや作りに欠かせないのが新鮮な魚です。まず、アジやサンマ、トビウオなどの魚を開いて血合いや内臓などを取り除きます。魚をよく洗って水気を除き、くさや液に漬け込みます。魚が重ならないよう丁寧に漬け込むのがコツ。魚の種類にもよりますが1~2日ほど漬け込みます。

その後、水洗いをして水分を取り、簾などに並べて天日干しです。天日干しすることで塩の成分がアミノ酸へと変化し、くさや特有の甘みや旨味が生まれます。

食べ方

くさやは干物のほか、缶詰や真空パックになったものが出回っています。缶詰や真空パックは焼いて手頃なサイズにカットされているものが多いので、手軽に食べたいならこちらを利用するのがよいでしょう。よりおいしく食べたいなら干物を焼いて食べるのがおすすめです。

焼き方にはコツがあり、表側を7割、裏側を3割程度焼くのがポイント。しっかり焼くよりも半生程度にしたほうがくさやの風味を感じられておいしいと言われています。中火を目安に焦がさないよう注意しながら焼きましょう。くさやを焼くときのにおいを和らげるには魚焼きグリルの中にアルミホイルにしょうゆを入れ、一緒に焼くのがおすすめ。しょうゆの香ばしい香りでくさや特有のにおいが感じにくくなります。また、くさやの表面に酒を塗って焼くと生臭さが抑えられ、香ばしく仕上がるようです。

焼きあがったくさやはそのまま焼酎などのお酒と一緒に食べるほか、酒やしょうゆ、砂糖などを混ぜ合わせたタレや七味マヨネーズなどをつけて食べるのもおいしいですよ。

クセになる味わい?くさやに挑戦してみよう

いかがでしたか?くさやの特徴や歴史、どんなにおいかに加えて、くさやの味や作り方、おすすめの食べ方などをご紹介しました。強烈なにおいが注目されがちなくさやですが、実は奥深い味わいが楽しめることから好んで食べる人も多い食べ物です。これまでくさやを食べたことがなかった人も、この機会にぜひ一度くさやのおいしさを味わってみてくださいね。

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