天ぷらや炒め物はもちろん、そのままグリルしてもおいしい「ししとう」。唐辛子に似た形であることから、辛いのでは?と想像される方も少なくないと思います。
ししとうの選び方と栄養素|買い物で役立つ基本の「き」
しかし、基本的にししとうには辛味がなく、むしろほんのりとした甘みを感じます。火を加えることでより甘みが増しますので、いろいろなメニューに使える万能食材ですよ!
今回は、そんなししとうに含まれる栄養素やおいしいししとうの選び方をご紹介します。ぜひ、参考にしてみてくださいね。
たくさんある!ししとうの種類
ししとうは、ナス科トウガラシ属の野菜です。とうがらしの中でも辛くないとうがらしを甘味種として分類しており、「ししとう」は甘味種の「甘とうがらし」と呼ばれます。ピーマンやパプリカも甘味種の一種ですので、ししとうは辛いとうがらしよりもピーマンやパプリカに似た品種ということになります。
ししとうの旬は夏頃とされており、初夏から夏にかけて多くの種類のししとうが出回ります。ししとう自体はハウスで栽培されていることが多いため、季節を問わず手に取ることができますが、夏頃のししとうはとっても肉厚でジューシーですよ。
そんな甘味種のししとう(甘とうがらし)にはたくさんの種類があります。代表的なししとうの種類をご紹介します。
■ししとう(獅子唐)
一般的に1年中スーパーなどで出回っているものです。でこぼことした表面で、小指程度の大きさのもののことを言います。天ぷらやフライで出されることが多い品種です。
■万願寺とうがらし(ししとう)
万願寺とうがらしは京都府舞鶴市万願寺地区で生まれたブランド京野菜として親しまれています。果肉は肉厚があり、すらりと細長い形をしています。種が少なく甘みが強いので、ピーマンに似た味わいですが、ピーマンほど青臭くないのが特徴です。
初夏から夏にかけて出荷されることが多く、現在では京都府だけでなく全国どこでも手に入れることができます。高級料亭などでも取り扱われるブランド京野菜なので、ししとうに比べると少し高価ではありますが、値段に負けないおいしさがある甘とうがらしです。
■山科唐辛子
古くから京都市山科地区で栽培されている伝統京野菜のひとつです。形はししとうに似ていて小ぶりなものが多く、先端が少し尖っているのが特徴です。全国的に出回っておらず、京都府を中心に出荷されています。
■ひもとうがらし
奈良県内で栽培されている大和野菜です。その名の通り、ひものように細長い形状が特徴で中には種が詰まっていますが、種ごとお召し上がりいただけます。辛味もなく特徴的な形なので切らずにそのまま調理することをおすすめします。
■パレルモ
パレルモはイタリアンパプリカやスイートペッパーとも呼ばれており、長さは約20cmほどとほかの品種に比べてとても長いのが特徴です。果肉は肉厚で赤く色付くほど甘みが増します。パプリカに似た味わいなので、サラダなどで生食としてもおいしいですよ。
主要な栄養素はこちら
ししとうはその小さい見た目からは想像できないほど、たくさんのビタミンをバランスよく含んでいます。
ししとうの可食部100gに含まれる主要な栄養素は以下の通りです。
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27キロカロリー
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たんぱく質 1.9g
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炭水化物 5.7g
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ビタミンA(カロテン当量) 530μg
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ビタミンC 57㎎
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ビタミンE 1.3㎎
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カリウム 340㎎
うれしい効果が期待できる栄養素がたっぷり!
ししとうはビタミン類をバランスよく含んでいる食材です。特に注目して頂きたいのは、ビタミンC、ビタミンA、カリウムです。
■ビタミンC
ビタミンCは、コラーゲンのもととなるアミノ酸を生成する働きをもつ水溶性ビタミンです。また、抗酸化作用があり、過酸化物質の生成を抑えるため、免疫を高める効果なども期待できます。
■ビタミンA
ビタミンAは皮膚や髪の健康維持に効果が期待できる栄養素です。水に溶けだしにくい性質があるため、煮びたしやお浸しなどで効率よく摂取することができますよ!
■カリウム
これだけでもうれしい効果が期待できるのですが、さらにししとうは、カリウムを多く含んでいます。カリウムは体内の余分なナトリウムを排出する働きがありますので、むくみ予防に効果が期待できます。