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フランスの伝統菓子「ベラベッカ」とは?特徴やシュトーレンとの違い、作り方についても解説!

フランスの伝統菓子「ベラベッカ」とは?特徴やシュトーレンとの違い、作り方についても解説!

ベラベッカ」というフランスの伝統菓子を知っていますか?ナッツやドライフルーツ、スパイスを使って作られており、フランスのアルザス地方でクリスマスの時期に食べられるお菓子です。今回は、ベラベッカの特徴や作り方、シュトーレンとの違いについて解説します。記事後半でご紹介する、ベラベッカのレシピも必見ですよ!

  • 目次
  • ベラベッカとは
  • アルザス語で「洋梨のパン」
  • ベラベッカとシュトーレンの違いとは
  • ベラベッカをおいしく作るポイント
  • ベラベッカのレシピをご紹介
  • 今年はクリスマスを待ちわびながら「ベラベッカ」を食べてみませんか?

ベラベッカとは

「ベラベッカ」とは、フランス北東部に位置するアルザス地方で、クリスマスの時期になると食べられているお菓子です。

クリスマスに食べられるお菓子といえば、シュトーレンやパネトーネがよく知られていますが、今回のテーマとなっているベラベッカも近年注目されているんですよ。

アルザス語で「洋梨のパン」

ベラベッカという名前には「洋梨(ポワール)のパン」という意味があり、フランスでは「パンドポワール」とも呼ばれています。名前のとおり洋梨を使ったお菓子で、ほかにもたくさんのフルーツやドライフルーツ、ナッツを混ぜて焼きあげます。

さくらんぼを発酵させて作ったブランデー「キルシュ」や、スパイスも使うので、芳醇で豊かな香りがあるのも特徴です。

💡ワンポイント豆知識
ベラベッカ発祥の地であるアルザス地方は、クリスマスツリーの発祥地と言われています。クリスマスにはゆかりの深い地域なんですよ。

ベラベッカとシュトーレンの違いとは

先ほども少し触れましたが、クリスマスの時期に食べるお菓子には、シュトーレンもありますよね。どちらもクリスマス当日まで少しずつ食べていくという共通点があります。それでは、両者にどのような違いがあるのか見てみましょう。

   ベラベッカ シュトーレン
発祥     フランス(アルザス地方) ドイツ(ドレスデンなど)
使う食材

・洋ナシをメインとしたドライフルーツ
・ナッツ

・バターと小麦粉の生地 + ドライフルーツ
・ナッツ

生地の割合

・極少量
(フルーツをつなぐ接着剤程度)

・多め
(パン生地の中に具材が入る)

見た目

茶色くてゴツゴツ(粉糖なし)

真っ白(粉糖で覆われている)

食感

・ねっちり、濃厚、スパイシー

・ホロホロ、しっとり

発祥地の違い

ベラベッカは先ほど触れた通り、フランスのアルザス地方が発祥の地とされています。一方、シュトーレンはドイツのドレスデンで15世紀に生まれたといわれています。

ベラベッカがいつ生まれたのかはわかっていませんが、中世にはアルザスでドライフルーツやスパイスが使われていたという記録があることから、かなり古い時代に生まれた可能性もあるようです。そして、19世紀頃にはクリスマスのお菓子として親しまれていたのだとか。

使われる材料

先ほどベラベッカには「パンドポワール(洋梨のパン)」とも言われるとお伝えしましたが、必ず干した洋梨「ドライポワール」が入るのが特徴です。洋梨をメインにオレンジやイチジク、アプリコットなどのドライフルーツと、アーモンドやくるみといったナッツが使われます。また、シナモンやナツメグ、クローブといったスパイスとキルシュを使用しており、スパイスや洋酒の香りが際立つ濃厚な味わいを楽しめます。

シュトーレンもさまざまなドライフルーツやナッツが使われますが、ベラベッカのように特定のフルーツを必ず入れるという決まりはありません。ただ、一般的にレーズンやクランベリー、オレンジピールなどをラム酒やブランデーに漬けたものを使うことが多いようです。ナッツやスパイスはベラベッカと同じようなものが使われています。

小麦粉とバターの割合

ベラベッカとシュトーレンの大きな違いは、小麦粉の割合や見た目です。ベラベッカは小麦粉やバターも使いますが、ドライフルーツなどに比べると割合は少なく、ずっしりと重い仕上がりになります。

一方シュトーレンも小麦粉やドライフルーツ、ナッツを用いて作るお菓子ですが、ベラベッカと比べるとパン生地の割合が多くなっています。バターの量も異なり、シュトーレンはバターを生地に練りこんだうえ、焼きあげた後にも表面にバターを塗ります。シュトーレンはバターの風味を感じられる濃厚かつリッチな味わいを堪能できるのが魅力です。

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ベラベッカをおいしく作るポイント

ベラベッカをおいしく作るためにはいくつか注目しておきたいポイントがあります。以下で確認してみましょう!

洋ナシが味の決め手

これまで何度も触れてきましたが、ベラベッカには「洋梨」が欠かせません。ドライポワールを使うことで、本場のベラベッカに近づきますよ。

日本だと製菓材料専門店などで取り扱いがあったり、ネット通販でも購入が可能です。ほかのドライフルーツとやスパイスと一緒にキルシュに漬けて作るのがおすすめですよ!

生地は「つなぎ(接着剤)」として扱う

一般的なパン作りは、生地を捏ねて具を混ぜ込みますが、ベラベッカは大量の具材に少量の生地をまぶして作ります。簡単にいうと、ベラベッカにおいて生地は「接着剤」のような役割になるのです。

フルーツ同士の隙間を生地で埋めるようなイメージで、ギュッギュッと力を入れて混ぜ合わせます。

☝️クラシルシェフのコツとポイント
ベラベッカは、生地が極端に少ないため、崩れやすいという特徴があります。手で成形する際は、空洞ができないようにかなり強く押し固めることが失敗せずに作るポイントです。

低温でじっくり焼いて「照り」を出す

ベラベッカは糖度が非常に高く、フルーツが露出しているため、普通のパンと同じように焼くとすぐに焦げてしまいます。150℃〜160℃くらいの低めの温度で、じっくり時間をかけて加熱することがポイントです。「焼く」というより、水分を飛ばして「乾燥させる」とイメージしておくとよいでしょう。

パウンドケーキにナパージュを塗る
パウンドケーキにナパージュを塗る

焼き上がったら熱いうちにナパージュやシロップを表面に塗って乾燥を防ぎ、美しい見た目に仕上げてくださいね。

ベラベッカのレシピをご紹介

さてここからは、ベラベッカのおすすめレシピをご紹介します。ドライフルーツやナッツ、スパイスをたっぷり使った贅沢な味わいのレシピを2つピックアップしたので、ぜひチェックしてみてくださいね。

ドライフルーツぎっしり ベラベッカ

ぎっしり入ったナッツやドライフルーツの食感がたまらない、ベラベッカを作ってみましょう。ドライフルーツの甘酸っぱさとラム酒の香りが相性抜群!おやつはもちろん、お酒のおつまみにもぴったりなので、ぜひ作ってみてくださいね。

スパイス香るベラベッカ

スパイスやラム酒が効いた、濃厚な味わいのベラベッカのご紹介です。ぎゅっと詰まったナッツやドライフルーツの芳醇な香りを楽しめる一品です。おもてなしのおやつにもおすすめですよ。

今年はクリスマスを待ちわびながら「ベラベッカ」を食べてみませんか?

今回は、ベラベッカの特徴やシュトーレンとの違い、作り方について解説し、おすすめレシピをご紹介しました。芳醇な香りとしっかりとした噛みごたえが魅力のベラベッカ。まだ食べたことのない方も、食べてみたくなったのではないでしょうか。今回ご紹介したレシピを参考に、ぜひおうちでも作ってみてくださいね。

クラシルではクリスマスに作りたいレシピもたくさんご紹介しています。ぜひチェックしてみてくださいね。

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