クリスマスに欠かせないドイツの伝統菓子「シュトーレン」。近年は日本でも注目されるようになり、クリスマスが近づくとさまざまなお店で販売されています。この記事では、シュトーレンの歴史や味、伝統的な食べ方のほか、食べ方のアレンジを解説!記事の後半では、おうちで作れるシュトーレンのレシピもご紹介します。ぜひご覧ください。
ドイツのクリスマス伝統菓子「シュトーレン」とは?食べ方や味、歴史などを徹底解説!
- 目次
- シュトーレンとは?
- シュトーレンはパンの一種
- バターが使えるようになったのは1491年
- シュトーレンはどんな味?
- シュトーレンの食べ方は?
- シュトーレンの食べ方アレンジをご紹介!
- シュトーレン以外のアドベントの習慣
- シュトーレンのおすすめレシピをご紹介!
- クリスマス気分を盛り上げる、シュトレーンを作ってみよう!
シュトーレンとは?
「シュトーレン」とはドイツの伝統的なクリスマスのお菓子のこと。パンのような質感で、パンとパウンドケーキの間のような食感をしています。
その起源には諸説ありますが、14世紀にザクセン州ドレスデンで発祥したといわれています。
シュトーレンはパンの一種
シュトーレンは現在ではパンの一種ともされていますが、当時のドイツでは宗教上の理由からバターなどの乳製品は決まった時期にしか使えなかったため、小麦粉と酵母、水を練って作った焼き菓子のようなものでした。
そのため、当時のシュトーレンはとても質素であまりおいしいとはいえないものだったようです。
バターが使えるようになったのは1491年
その状況を改善するため、ザクセン選帝侯らがローマ法王にバターの使用を認めるよう求める活動をしました。
それがすぐに認められることはなかったものの、数十年が経過した1491年にバターの使用が許可され、現在のようなおいしいシュトーレンに変化していったといわれています。
💡ワンポイント豆知識
シュトーレンが日本で最初に販売されたのは1969年だったといわれています。ドイツからシュトーレンのレシピが持ち込まれ、日本国内でも製造されるようになりました。その後は製粉会社が主催するドイツパンやドイツ菓子の勉強会、イベントなどを通して広まっていったそうです。
シュトーレンはどんな味?
シュトーレンは、バターをたっぷり使った生地に、洋酒に漬けたドライフルーツやナッツを練りこんだリッチな味わいが特徴です。表面には粉砂糖がたっぷりとまぶされていて、その見た目が白いおくるみに包まれたキリストをイメージしているともいわれています。
バターや粉砂糖をたっぷりと使うので保存性が高く、洋酒を効かせているため焼きあがってから時間が経つにつれて味がなじんでいき、味わいが変化していくのも特徴です。
名前の由来
トンネルの形にも似ていることから、ドイツ語で「坑道」や「地下道」という意味の「stollen」という名前になったそうです。
ちなみに、Stollenは日本ではシュトーレンという読み方で定着していますが、ドイツではシュトレンと発音します。
シュトーレンの食べ方は?
続いて、シュトーレンの食べ方についてチェックしてみましょう。
アドベント期間中に薄くスライスして食べる
伝統的な製法で作られるシュトーレンは、先ほど触れたように保存性が高いため、日持ちするお菓子として知られています。また、日に日に変化していく味わいを楽しめることもあり、ドイツでは、クリスマスの4週間前からクリスマスイブまでの「アドベント」の間に、シュトーレンを薄くスライスして少しずつ食べる習慣があるんですよ。
シュトーレンをスライスするときは、端から食べていくのではなく、まず真ん中から半分に切り、その日に食べる分だけ中央部分から切り分けます。残ったシュトーレンは、切り口同士を合わせ、空気に触れないようにラップなどで包んで保存しましょう。
お好みのトッピングやドリンクと合わせる
シュトーレンは、そのまま食べることがほとんどですが、お好みで生クリームを添えてもおいしく食べられます。
コーヒーや紅茶と相性がよいのはもちろん、赤ワインなどのお酒ともよく合いますよ。
アレンジシュトーレンを試してみる
シュトーレンにもいろいろな種類があり、最近ではチョコレートやマロングラッセ、抹茶、ゆずなどを使った一風変わった味わいのものも売っているそうです。
冬になると見かける機会も多くなるので、いろいろな種類を食べ比べてみたいものですね。
シュトーレンの食べ方アレンジをご紹介!
今ご紹介したように、シュトーレンは薄くスライスしてそのまま食べるのが一般的な食べ方です。ただ、大きいものを買うとどうしてもその食べ方に飽きてしまうこともありますよね。ここではそんなときにおすすめな、シュトーレンの食べ方アレンジ方法をご紹介します。
オーブンなどで焼く
うすくスライスしたシュトーレンをオーブンで焼いてみましょう。焼き立てはやわらかく崩れやすいですが、少し冷ますとラスクのようにカリッとした食感を楽しめます。
バターをのせる
トーストしたシュトーレンにバターをのせて食べるのもおすすめです。スパイスやドライフルーツの風味とバターのコクが相性抜群で絶品ですよ!
チーズをのせて焼く
スライスしたシュトーレンにピザ用チーズやモッツァレラチーズなど、とろけるタイプのお好みのチーズをのせて焼くと、ワインのおつまみにもぴったりな一品ができあがります。シュトーレンをトーストしてクリームチーズをつけて食べるのもおすすめですよ!
生クリームやアイスクリームを添える
スライスしたシュトーレンに生クリームやアイスクリームを添えて食べてみてはいかがでしょうか。シュトーレンはそのまま常温の状態でもおいしいですが、少しトーストしたものにアイスクリームをのせると食感や温度差を楽しめます。
はちみつやジャムをつける
スパイスやドライフルーツをたっぷり使ったシュトーレンにははちみつやフルーツジャムもよく合うんです!甘いものが好きな方ははちみつを、少し酸味がほしい方はフルーツジャムをつけるなど、お好みでお試しください。これまでにご紹介したクリームチーズなどを組み合わせるのもおすすめですよ。
生ハムをのせる
意外に思えるかもしれませんが、シュトーレンには生ハムがよく合います。レーズンなどドライフルーツの甘酸っぱい味わいやナッツの香ばしさと塩気の効いた生ハムの組み合わせはワインにぴったり!いつもと違う食べ方でシュトーレンを食べたいときにおすすめです。
チョコレートをのせて焼く
板チョコレートを割って、オーブントースターで軽く焼いて食べてみませんか?少し溶けた濃厚なチョコレートをシュトーレンのスパイシーな風味がよく合います。使うチョコレートは少し苦みも感じるダークチョコレートがおすすめです。
パンプディングにする
シュトーレンが余ってしまったり、食べきれなかったときは、パンプディングにしてみましょう!ひと口大にカットしたシュトーレンを耐熱容器に入れて、卵や牛乳、砂糖などを混ぜ合わせた卵液をかけてしっかりと染み込ませたら、あとはオーブンやオーブントースターで焼くだけ!食パンで作るシンプルなものとは異なり、スパイスの風味がふわっと香る豊かな味わいのパンプディングに仕上がりますよ。
シュトーレン以外のアドベントの習慣
アドベントとは、キリスト教のクリスマスを迎える準備期間で、クリスマスイブまでの約4週間です。この期間は、キリストの誕生を待ち望む意味を込めて、祈りや礼拝、慈善活動が行われます。
シュトーレンを食べること以外のアドベントの習慣の中で有名なのは、「アドベントカレンダー」や「アドベントクランツ」です。こうした習慣は、クリスマスを待ちながら心を整えるための重要な儀式です。それぞれの習慣について解説します。
アドベントカレンダー
アドベントカレンダーとは12月1日から12月24日もしくは25日までのカレンダーです。形はさまざまですが、必ず日付が入っています。これを毎日めくったり開けたりしながら、中に入っているお菓子やメッセージ、絵柄などを楽しみます。
アドベントクランツ
アドベントクランツとは、リースに4本のろうそうくを立てたもので、1週間に1本ずつ火をつけ、クリスマスまでのカウントダウンを楽しみます。
シュトーレンのおすすめレシピをご紹介!
ここからは、おうちで作れるシュトーレンのおすすめレシピをご紹介します。スパイシーな香りがたまらない本格シュトーレンから、ホットケーキミックスで作れるお手軽シュトーレン風まで、絶品レシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。
シュトーレン
香り豊かな本格シュトーレンを作ってみたい方は、こちらのレシピに挑戦してみてはいかがでしょうか。本種と中種を作る、中種法で生地を作りました。手間はかかりますが、しっとりとしたおいしい生地に仕上がりますよ。シナモンやカルダモンがよく香り、くるみやドライフルーツもふんだんに使った満足感のある一品です。
お家でお手軽 自家製シュトーレン風
ドライフルーツやナッツの食感がたまらない、自家製シュトーレン風をご紹介します。上でご紹介したレシピとは違い、生地の材料を一度に混ぜ合わせるストレート法で作りました。ラム酒の香りが生地によく染みとってもおいしいですよ。手軽に挑戦できるので、こちらのレシピもおすすめです。
お家で作る シュトーレン風
こちらもおうちで作れるお手軽シュトーレン風のレシピです。シナモンやカルダモンが効いたスパイシーな香りの生地に、バターをたっぷり染み込ませて粉砂糖をたっぷりまぶしました。とっても贅沢な味わいで、クリスマス気分を盛り上げてくれること間違いなし!ぜひ作ってみてくださいね。
ホットケーキミックスでお手軽シュトーレン風
ホットケーキミックスで作れる、お手軽シュトーレン風をご紹介します。発酵の工程がなく、生地を作ったらすぐに焼くことができるので短時間で仕上がります。軽い食感の生地に、ドライフルーツやナッツの食感がアクセントとなりとってもおいしいですよ。クリスマスのおやつに、ぜひ挑戦してみてくださいね。
クリスマス気分を盛り上げる、シュトレーンを作ってみよう!
今回は、シュトーレンの特徴や歴史、食べ方について解説しました。クリスマスというと、ケーキやパーティーの献立に注目しがちですが、今年はシュトーレンを作ってクリスマス気分を盛り上げてみてはいかがでしょうか。今回ご紹介したレシピを参考に、ぜひ作ってみてくださいね。
