【食べる宝石】アスピックとは?テリーヌとの違いや歴史、基本の作り方を解説

【食べる宝石】アスピックとは?テリーヌとの違いや歴史、基本の作り方を解説

「アスピック」とは、フランス料理の前菜としてよく登場する、美しい見た目が魅力の料理です。この記事では、アスピックの特徴や歴史、作り方のコツ、似ている料理である「テリーヌ」や「煮こごり」との違いについて解説します。記事の後半でご紹介するテリーヌと煮こごりのおすすめレシピも必見ですよ。

  • 目次
  • アスピックとは?語源と歴史について
  • アスピックとは?フランス料理における定義と語源
  • 保存食から芸術品へ。アスピックの歴史と進化
  • よく似ている?「テリーヌ」や「煮こごり」との違い
  • おうちでも美しく作れる!アスピックをきれいに仕上げるコツ
  • アスピックを楽しむための活用法
  • テリーヌと煮こごりのレシピをご紹介
  • ツヤツヤで色鮮やかな見た目が魅力!アスピックを作ってみよう

アスピックとは?語源と歴史について

「アスピック」とは、フランス料理で使われる調理方法または料理名で、肉や魚、野菜、卵といった食材を透明なゼリーの中に閉じ込めたものです。

ゼリーは肉や魚、香味野菜からとった出汁(ブイヨン)をゼラチンで固めたもので、さっぱりとしているものの、旨味のある味わいとなっています。味つけによってはそのまま食べるほか、ソースをかけていただくことも。そんなアスピックについて、詳しく見ていきましょう。

アスピックとは?フランス料理における定義と語源

先ほども少し触れましたが、アスピックとは「肉や魚、野菜、卵などを風味豊かなブイヨンのゼリーで固めたフランス料理」のことで、「ゼリー寄せ」とも呼ばれます。

フランス語では「aspic」と書き、これはもともとは「コブラ」や「毒ヘビ」を意味する言葉です。語源には諸説あるのですが、ゼリーのツヤがあり美しい見た目がコブラのなめらかな皮のようであることや、ゼリーが固まりかけた状態がヘビがとぐろを巻く様子に似ているからなどといわれています。

保存食から芸術品へ。アスピックの歴史と進化

アスピックは、中世ヨーロッパの貴族の料理がルーツだといわれています。当時は、保存性を高めることを目的として、肉や魚、野菜などの食材をゼリー状に冷やし固めていました。当時はゼラチンの代わりに肉や魚の煮こごりが使われることが多かったようです。

17世紀になると美しさを重視した芸術的な冷製料理へと変化し、豪華な宴会などで広く楽しまれるようになりました。さらに、19世紀にはアントワーヌ・カレームというシェフによって、宮廷料理や高級料理のシンボル的な存在として確立されました。

アスピックを含む西洋料理が日本に伝わったのは明治時代。当初は外国人向けのメニューとされていましたが、戦後になるとホテルなどの会食メニューとして取り入れられるようになり、定着していきました。現在では、オードブルなどのパーティー料理で見かけることも多くなりました。

よく似ている?「テリーヌ」や「煮こごり」との違い

アスピックと見た目や材料が似ている料理として「テリーヌ」や「煮こごり」があります。どのような違いがあるのか見てみましょう。

項目 アスピック   テリーヌ 煮こごり    
基本の定義 肉や魚、野菜、卵などをブイヨンのゼリーで冷やし固めた料理 テリーヌ型を使って調理された料理(もともとはテリーヌ型そのものを指す言葉だった) 魚や肉などのコラーゲンで煮汁が自然に固まったもの
凝固方法 ゼラチン 使う食材によってさまざま 魚や肉のコラーゲン
調理法・位置づけ ブイヨンのゼリーで具材を閉じ込めて冷やし固める、フランス料理の前菜 湯煎したり焼いたり使う食材によってさまざま、おかずだけではなくスイーツもある 魚や肉を煮込んでから冷ます、和風のおかず
食感 ゼリー状のプルプルとした食感 使う食材や調理法によってさまざま ゼリー状のプルプルとした食感

テリーヌとの違い

テリーヌとは、テリーヌ型を使って調理した料理全般を指します。テリーヌ型とは、ホーローや陶器、ガラスなどでできた容器のことで、もともと「テリーヌ」という言葉はこの容器を表す名前でした。

テリーヌに使う食材に決まりはありませんが、ひき肉や魚肉、レバーペースト、野菜などを入れて湯煎やオーブンで加熱したものが多いようです。テリーヌ型を使って具材をゼリーで冷やし固めることもあり、アスピックはテリーヌの一種ともいえます。

また、料理としてのテリーヌだけではなく、フルーツなどを使った甘いゼリーや「テリーヌショコラ」のように、スイーツとしてのテリーヌもあります。

煮こごりとの違い

煮こごりとは、魚や肉を煮込んだ煮汁に溶け出したコラーゲンが冷えることによって固まった和食の一品。

ゼラチンや寒天を添加して固めることもありますが、基本的には煮汁が冷えたときに自然に固まったものを指し、アスピックのように見た目の美しさを求めて固めたものとは少し意図が異なります。

おうちでも美しく作れる!アスピックをきれいに仕上げるコツ

フランス料理と聞くと作るのは難しそう...と感じる方もいるかもしれませんが、アスピックはおうちで作ることもできるんですよ。以下で、アスピックをきれいに仕上げるポイントを解説します。

透明感を出すためにはアク取りや温度管理が重要!

アスピックは、透明感のある美しい見た目が魅力のひとつ。ゼリー部分をきれいに仕上げるために、アク取りをして余分な浮遊物を取り除くことが大切です。

また、ブイヨンが熱いうちにゼラチンを加えると濁りやすくなります。ゼラチンはブイヨンを少し冷ましてから加えるようにしましょう。ゼリー液を固める際もゆっくり冷やすと濁りやすくなるので、できるだけ急冷することで透明感が保たれやすくなりますよ。

ゼリー液を注ぐ前に具材を冷やしておくことや、ゼラチンをあらかじめ水に浸してふやかしておくこともゼリーを均一に仕上げるポイントです。

断面は想像しながら配置

アスピックは、透明なゼリーの中に配置された色鮮やかな食材の美しさも見どころの一つです。肉や魚のほかに、ゆで卵やエビ、ハム、パプリカ、オクラ、ヤングコーンといった彩りのよい食材も使ってカラフルに仕上げるとよいですよ。

型に入れるときは、仕上がりの断面をイメージして並べましょう。

ゼリー液を流し入れるときは、せっかく配置した具材が動いてしまわないよう静かに入れることがポイントです。そうすることで、気泡もできにくくなります。

また、ゼリー液は温度によって粘度が異なるので、液を少し冷まして、とろみがついた状態で流し入れると具材が浮き沈みしにくく、イメージ通りに仕上がりやすくなります。

端野菜も活用して野菜を無駄なく使い切る!

アスピックに使う具材に決まりはないので、おうちの冷蔵庫に残っている野菜や、ほかの料理を作るときに余った野菜なども活用してみましょう。切れ端の野菜でも、細かく刻んでアスピックに使えば、彩りをプラスすることができ、食材を無駄なく使い切ることにつながりますよ。

アスピックを楽しむための活用法

アスピックは見た目が美しいのはもちろんですが、活用するシーンによってはほかにもさまざまなメリットがあります。以下で見てみましょう。

前菜にぴったりのメニュー

アスピックは、旨味がありながらさっぱりとした口当たりで、食欲をそそる味わいです。そのため、コース料理などで最初に提供される前菜にぴったりですよ。

初めに見た目が華やかな料理が出てくると、これから始まる食事に期待感が高まり、ワクワクしますよね。

パーティー料理として準備がしやすい

パーティーなどではたくさんの品数の料理を用意する場合が多いですよね。アスピックは事前に冷やし固めて作っておくことができるので、パーティー当日は盛り付けるだけの状態になっています。

事前に仕込んでおける分、ほかの料理に手間や時間をかけられるメリットもあるんですよ。

テリーヌと煮こごりのレシピをご紹介

さてここからは、テリーヌと煮こごりのおすすめレシピをご紹介します。カラフルな野菜を使った華やかな見た目のテリーヌや、カニ缶を使った旨味たっぷりのゼリー寄せなど、絶品レシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。

スモークサーモンとアボカドのテリーヌ

ミニトマトの赤とアボカドの緑、スモークサーモンのピンク色のコントラストが美しいテリーヌをご紹介します。コンソメ味のさっぱりとした口当たりのゼリーに、旨味たっぷりのスモークサーモンがよく合い、とてもおいしいですよ。

カラフル野菜のテリーヌ

カラフルな野菜を使ってテリーヌを作ってみましょう。断面を想像しながら彩りよく野菜を並べ、少しずつゼリー液を流し入れるのがきれいに仕上げるポイントです。ぜひチャレンジしてみてくださいね。

カニ缶で和風ゼリー寄せ

カニ缶を使った和風な味わいのゼリー寄せはいかがでしょうか。味つけは顆粒和風だしとしょうゆだけととてもシンプルですが、カニ缶の風味が加わり奥深いおいしさに仕上がります。とても簡単に作れるので、ぜひお試しくださいね。

うなぎの煮こごり

ちょっと贅沢な味わいの煮こごりをご紹介します。ゼラチンのとろける食感とうなぎのやわらかな食感とともに、口の中にうなぎの旨味が広がり、クセになるおいしさですよ。市販のうなぎの蒲焼や錦糸卵を使えば手間が少なく、おもてなしにもおすすめです。

ツヤツヤで色鮮やかな見た目が魅力!アスピックを作ってみよう

今回は、フランス料理の前菜「アスピック」の特徴や上手に作るコツ、テリーヌや煮こごりとの違いなどを解説しました。アスピックは、見た目が美しいだけではなく、味わいや調理方法の点からパーティーメニューにもぴったりの料理です。ご紹介したレシピも参考に、おうちでアスピック作りに挑戦してみてくださいね。

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