最終更新日 2023.6.26

ツワブキとは?フキとの違いや食べ方について解説!

ツワブキとは?フキとの違いや食べ方について解説!

見た目がフキに似ている「ツワブキ」。鑑賞用の植物として人気のある植物ですが、食用にすることもできる山菜の一つです。今回は、あまり馴染みのない食材「ツワブキ」について、特徴や一般的なフキとの違いなどを解説します。食べ方や下処理の仕方、さらにレシピも併せてご紹介しているので、ぜひチェックしてみてくださいね。

  • 目次
  • ツワブキとは?
  • ツワブキとフキの違い
  • ふきのとうの有無
  • ツワブキの味わい
  • ツワブキの下処理
  • ツワブキのおいしい食べ方

ツワブキとは?

数少ない日本原産の多年草である「ツワブキ」。漢字では「石蕗」と書きます。野山に自生している植物で日陰でも育てやすく、観賞用の植物としても人気があるため、自宅で育てている方もいらっしゃるかもしれません。観賞用としてだけでなく、食用として楽しむことのできる植物で、野菜としては山菜に分類されています。日本においては、東北南部以南の海岸付近に自生しているほか、日本以外では朝鮮半島や中国、台湾にも自生しています。常緑性の植物なので、年中葉が青々と茂っているのも特徴です。フキ同様、地下茎から伸びる葉柄を食べますが、根の部分には「ピロリジジンアルカロイド」という天然の毒素が含まれているため、アク抜きなどの下処理が必要です。(※1)

冬の季語にもなっているツワブキは、寒くなる頃に鮮やかな黄色い花を咲かせ、花期が終わると地下茎から産毛が生えた「葉柄(ようへい)」が伸びます。この葉柄がツワブキの食用部分となります。食用のツワブキは年明け頃から春先にかけて出回り、若葉の頃の葉柄は比較的アクも少なく食べやすいとされ、早春の味覚として楽しまれていています。食べる場合は、この時期を逃さずにいただくのがポイントです。食べ頃時を過ぎてしまったツワブキはかたくなってしまうため、おいしさが半減してしまいます。

※1 参照:食品中のピロリジジンアルカロイド類に関する情報

ツワブキとフキの違い

冒頭でもお伝えしましたが、フキとツワブキは見た目がよく似ています。見分け方を知らないと区別するのは至難の業です。そこでここでは、両者の見分け方のポイントを3点ご紹介します。

ポイントの1つ目は「花」。フキは冬になると地上部分がなくなってしまうのに対して、ツワブキは、寒くなってくると黄色の花を咲かせます。

2つ目は「葉」です。葉に厚みや光沢が無く、表面がザラザラとしているフキに比べ、ツワブキは葉に厚みや光沢があり、表面がツルッとしているのも違いを見分けるポイントです。さらにフキは夏に葉を広げますが、ツワブキは常緑性であるため、年間を通して青々とした葉を茂らせているという特徴もあります。ちなみに諸説ありますが、葉にツヤがあることから「ツヤのあるフキ」と言われ、その言葉が転じて「ツワブキ」という名前になったとも言われているんですよ。

ふきのとうの有無

3つ目は「ふきのとうの有無」です。フキは、初春になると近くにふきのとうが芽吹き出します。一方、ツワブキの周りにふきのとうが生えてくることはありません。ツワブキは花が咲いたり、フキの周りにはふきのとうが出てきたり…とそれぞれ季節によって違いがあります。こうしたポイントに着目することで両者を見分けやすくなるので、参考にしてみてくださいね。

ツワブキの味わい

適切な収穫時期に収穫したツワブキは、筋っぽさがなく、歯ごたえがよいのが特徴で料理に加えるとその食感がやみつきになります。フキを食べたことがある方は、ツワブキを食べた際に独特の香りとほんのり感じる苦みがフキに似ていると感じるかもしれません。ワラビやゼンマイ、ふきのとうと同様、ほのかな苦みが特徴的な、旬を逃さず食べておきたい春の味覚です。

ツワブキの下処理

特徴のところでもお伝えしましたが、ツワブキの根には天然の毒素成分が含まれています。毒素と聞くと少しドキッとしてしまいますが、しっかり下処理をすることでおいしく食べることができますよ。ここでは、ツワブキの下処理方法を確認してみましょう。

お湯を沸かし、塩を入れた鍋に5cmほどにカットしたツワブキを入れ、やわらかくなるまで中火で10分ほどゆでます。ゆであがったらザルに上げて湯を切り、水を張ったボウルにツワブキを入れて粗熱を取ります。野生のものなどは皮がかたく、アクが強い場合もあるので、粗熱を取って皮を剥き、水に数時間浸けてから調理に使用しましょう。アクを抜くために水に浸けるのは重要な工程になるので、ぜひたっぷり時間を使ってアク抜きしてくださいね。

ツワブキのおいしい食べ方

下処理をしたツワブキは、さまざまな料理に活用することができます。油と相性がよいので炒め物にも適しているほか、佃煮や煮物などしっかり味を染みこませたものもおいしくいただけます。また、ほかの食材と組み合わせることで、ツワブキの複雑な味わいが引き立つので、この後ご紹介するレシピも参考にしていただきながら、ツワブキのおいしさを味わってみてくださいね。

ツワブキのレシピをご紹介

ツワブキの下処理法やおいしい食べ方がわかったところで、ここからは、ツワブキを使ったおすすめレシピをご紹介します。あと一品ほしいときにうれしいおかずばかりなので、ツワブキが旬の時期に作ってみてくださいね。

つわぶきと厚揚げのさっと煮

ツワブキを厚揚げと組み合わせて煮物に仕立てました。顆粒和風だしや薄口しょうゆを使ったシンプルな味つけが、ツワブキのおいしさを引き立てます。どこか落ち着くようなほっこりとした味わいで、和献立の一品にぴったりですよ。

つわぶきと牛肉の和風炒め

ツワブキを牛肉とともに炒めて、甘辛い和風の味わいに仕上げました。旨味たっぷりの牛肉にツワブキの食感とほろ苦さがよく合い、お箸がどんどん進みますよ!ツワブキが手に入ったら、ぜひ試してみてくださいね。とてもおいしくいただけますよ。

つわぶきのマヨみそ和え

下処理したツワブキは和えるだけでも立派なおかずになるんです!こちらのレシピでは、みそとマヨネーズ、しょうゆでツワブキを和えました。仕上げにかつお節をかけることで旨味もプラスされ、シンプルながらも奥行きのある味わいを楽しめますよ。歯ざわりのよい食感が箸休めにもぴったりな、覚えておきたい一品です。

ツワブキに出会ったらぜひ食べてみて!

今回は、フキに似た山菜、ツワブキについてご紹介しました。ほんのりとした苦みが特徴のツワブキは、シンプルにその特有の風味を味わうのはもちろん、ほかの食材と組み合わせて料理に取り入れてもおいしくいただけます。店頭などで見つけた際にはぜひ手に取っていただき、今回ご紹介した下処理方法も参考にしながら献立に取り入れてみてくださいね!

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