「お盆のお団子」にはどんな意味があるの?作り方や飾るときのポイントも解説!

「お盆のお団子」にはどんな意味があるの?作り方や飾るときのポイントも解説!

ご先祖さまを偲び、供養する「お盆」。毎年お盆には団子をお供えしているおうちも多いのではないでしょうか。この記事では、お盆に団子をお供えする意味に加え、お供え団子の作り方や飾り方について解説します。記事の後半では、お供えにおすすめの団子のレシピもご紹介するので、ぜひ最後までご覧くださいね。

  • 目次
  • お団子をお供えするのはなぜ?
  • そもそも「お盆」とは?
  • お盆の期間はいつ?
  • お供え団子の呼び方
  • お盆の団子の種類や数について
  • お団子をお供えするときの注意点
  • お供えした団子はどうする?
  • お供えにおすすめレシピ
  • お盆にはぜひ手作りのお団子を!

お団子をお供えするのはなぜ?

「お盆」とは、ご先祖さまをおうちに迎え、供養する行事のこと。供養のために用意するお供え物にはいろいろありますが、「団子」もそのうちの一つです。

お供え物は一般的に「五供(ごく・ごくう)」と呼ばれ、香、灯、花、水、食べ物の5つを用意します。「香」はお線香、「灯」はろうそくを指し、「食べ物」は果物や野菜、そうめん、お菓子、団子などが選ばれることが多いようです。

💡ワンポイント豆知識
団子をお供えする理由には諸説ありますが、一説によると、お釈迦さまが亡くなる際に「香飯(こうはん)」を口にしなかったことに由来するといわれています。
この故事にちなみ、「故人があの世へ向かう途中でお腹が空いたときのために」との願いを込めて、香飯の代わりに団子をお供えするようになったそうです。

そもそも「お盆」とは?

お盆とは、仏教の考えに影響を受けた日本の風習で、家族や親族で集まり、ご先祖さまを供養する行事を指します。

お盆という名前は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」や「盂蘭盆(うらぼん)」という仏教の行事名を略したもので、その語源はサンスクリット語で「逆さに吊り下げられた苦しみ」という意味がある「ウランバーナ」です。

盂蘭盆会は、お釈迦さまの弟子「目連尊者(もくれんそんじゃ)」が、亡くなった母親を苦しみから救い出す「盂蘭盆経」という話が由来となっています。

目連尊者の母親は、生前に自分の子どもを養うことを優先するあまり、水を欲しがる人がいても分け与えませんでした。そのため、常に飢えと渇きで苦しむ「餓鬼道」に落ち、逆さに吊るされてその報いを受けていたのです。

母親を助けたかった目連尊者は、お釈迦さまの教えの通り、夏の修行を終えた7月15日にお供えをして供養したところ、母親は極楽往生を遂げることができたのだとか。

これがお盆の由来となり、現在ではお盆の期間に供養物をささげ、故人やご先祖さまを供養するようになったのです。

お盆の期間はいつ?

お盆の期間は、一般的に毎年8月13~16日の4日間で、これを旧盆や8月盆と呼びます。一方で、東京都や神奈川県、石川県などの一部地域では、7月13~16日をお盆期間としていて、こちらは新盆や7月盆と呼ばれます。

このように、お盆の時期が地域によって異なるのは、明治時代に旧暦から新暦に改暦されたことが影響しています。もともとお盆行事は旧暦の7月15日前後に行われていたため、現在の暦に置き換えると8月15日頃にあたります。そのため、多くの地域では新暦の8月に行われるようになったのです。

諸説ありますが、東京などの都市部では新暦を重視する傾向がある、農業が盛んな地域では7月は繁忙期のため8月盆を採用したなど、旧盆・新盆が使われる理由はいくつかあるようです。

また、東京の多摩地区では7月31日〜8月2日、沖縄県では8月中旬~9月上旬など、地域やお寺の慣習などによってお盆の期間が異なる場合もあります。

お供え団子の呼び方

故人を供養する際、さまざまな場面で団子をお供えしますが、そのタイミングによって、団子の呼び方が異なります。どのような場面でどのように呼ばれているか、以下の表で確認してみましょう。

行事名 団子の呼び方
お葬式(命日~火葬前まで)

枕団子、早団子

お盆

お迎え団子、お供え団子、送り団子

お彼岸

お彼岸団子、積み団子

初七日・四十九日

枕団子

お盆の団子の種類や数について

お盆にお供えする団子は、日によって呼び名や使う団子の種類が異なります。また、団子の数や材料にも宗派や地域による違いがあります。ここでは、それぞれの団子の種類や数について見てみましょう。

お盆にお供えする団子の種類

次の表で、お盆にお供えする団子の呼び名と団子の種類をチェックしてみましょう。

呼び名 お供えする日 団子の種類
お迎え団子

迎え盆の日(8月13日)

タレやあんこの団子

お供え団子

お盆の中日(8月14~15日)

おはぎ

送り団子

送り盆の日(8月16日)

白い団子

ご先祖さまをお迎えするお盆の初日にお供えする団子が「お迎え団子」です。ご先祖さまが自宅で過ごすとされる8月14~15日にお供えする団子は「お供え団子」と呼ばれます。そして、ご先祖さまがあの世へと戻っていく最終日にお供えする団子が「送り団子」です。

お迎え団子にはあの世からの長旅の疲れを癒してもらう意味が込められており、あんこやしょうゆタレなどで甘い味つけをするのが一般的です。送り団子はあの世へ戻るときの手土産としての意味があり、白い団子がよく使われます。

お供え団子は「おもてなし団子」や「落ち着き団子」とも呼ばれ、ご先祖さまがゆっくり過ごせるようにという願いを込めて、おはぎをお供えすることが多いようです。

お供えする団子の数

お供えする団子の数に決まりはありませんが、一般的には「6個」とすることが多いようです。しかし、地域や家庭、宗派によっては異なる数を供える場合もあり、それぞれに意味が込められています。

・6個
一般的な6個という数は、仏教の六道(ろくどう)が由来なのだとか。六道とは、四十九日までの間に行き来するといわれる「地獄・飢餓・畜生・修羅・人間・天上」の6つの世界のこと。

団子の積み方は、まず5個を円形に並べ、その中心の一段上に1個を置き、ピラミッド型になるようにします。

・7個
団子を7個お供えする理由には二つの説があります。一つは、六道のどれでもなく、それらのさらに上の極楽浄土へ行けることを願い、6個に1個を足して7個をお供えするという説。

もう一つは、死後四十九日までの間に六道を輪廻しながら生まれ変わる世界を審理されますが、その裁判が7日ごとに行われることにちなんだという説です。7個をお供えする場合も、ピラミッド型になるよう積みます。

・13個
13個という数は、極楽浄土に導いてくれるとされる「十三仏信仰(13人の仏さま)」の考え方に由来します。13個の団子をきれいに積むには、一段目に7個、二段目に5個の団子を円く積み、1番上に最後の1個の団子をのせます。

・そのほかの個数
故人の年齢の数や、10個、49個をお供えする地域などもあるようです。故人が長寿だった場合、その年齢の数だけお供えし、それを食べることで、長寿にあやかれるともいわれています。10個は初七日から三回忌までの裁判(死者の審理)の回数、49個は四十九日にちなんだ数字です。

団子の材料の違い

団子は、一般的には米が原料である上新粉で作ります。しかし、かつて米の収量が安定しなかった地域などでは、小麦粉や雑穀粉を利用して団子を作ることもあったようです。

例えば岩手県の「かまもち」。かまもちは小麦粉で作った生地で味噌や黒砂糖、くるみを混ぜたあんを包んだお菓子で、鎌のような半月型をしています。かまもちは、青森県では「きんかもち」という呼び名で親しまれています。生地をやわらかく保つため、小麦粉にもち粉やごはんを加えることもあります。

また、大分県ではもち粉や豆腐で作った「盆団子」、鹿児島県では白玉粉と豆腐で作った「鼻つまん団子」などをお盆のお供えに作ったりするんですよ。

お団子をお供えするときの注意点

団子をお供えするときに気を付けたいポイントをチェックしてみましょう。

団子は基本的にはピラミッド型に積む

団子の数の説明でも少し触れましたが、団子は基本的にピラミッド型や三角錐型になるように積みましょう。

高く積み上げることによって、天上まで高く昇って行けますようにという意味も込められているんですよ。ただし明確な決まりではないので、お供えする数が多い場合にはこの限りではありません。

半紙は左が上になるように折る

団子の下に半紙を敷く場合は、折り方に決まりがあります。半紙は対角となる角同士が少しずれるように手前側を上に折るのですが、お盆のお供えに使うときは左側が上になるように折り重ねます。左右が逆になると慶事用となるので注意しましょう。

故人や仏壇の方に向けて置く

お供えの団子は故人や仏壇に向けて置きます。先ほどご説明した半紙でいうと、折り目のある平らな面が仏壇側、尖った角のある方が自分側です。三角錐型に積んだ団子も同様に平らな面を仏壇側に、尖った部分が自分側に向くように配置します。

お供えした団子はどうする?

お盆にお供えした団子は、翌日には下げるのが一般的です。お供え団子をお供えする期間は8月14~15日と2日間ありますが、14日に供えたものは一度下げ、15日に新しいものを改めてお供えします。

下げたあとの団子は食べることができます。味つけされた団子の場合はそのまま食べられますが、シンプルな白い団子はおしるこやぜんざい、みたらし団子などにアレンジして食べるのもおすすめですよ。

お供えにおすすめレシピ

さてここからは、お供えにおすすめのレシピをご紹介します。さつまいもを使ったやさしい甘さのみたらし団子や、炊飯器を使って作る2色おはぎなど、バラエティ豊かなレシピをピックアップしました。ぜひチェックしてみてくださいね。

おやつに!みたらし団子

シンプルで飽きのこない味わい!みたらし団子を作ってみましょう。香ばしい焼き目のついたモチモチの団子に、甘じょっぱいみたらしタレが相性抜群です。おやつにもぴったりですよ。

さつまいものみたらし団子

さつまいもを使ったみたらし団子のご紹介です。電子レンジで加熱して潰したさつまいもを団子の生地に練り込みました。ほのかにさつまいもの香りのするやさしい甘さの団子にみたらしタレがよく合い、とてもおいしいですよ。

贅沢 みたらしあんこ白玉

あんことみたらしを同時に楽しめる!贅沢なみたらしあんこ白玉です。粒あんを包んだ白玉団子に、みたらしタレをかけました。意外に簡単に作れるので、ぜひお試しくださいね。

炊飯器でつくる 2色おはぎ

炊飯器で作れる、2色おはぎをご紹介します。シンプルなあんこのおはぎと、きな粉をまぶしたおはぎ、どちらも定番のおいしさで、大人も子どもも家族みんなで楽しめます。もち米にうるち米をブレンドすることで、ほどよくもっちりやわらかな食感に仕上がりますよ。

お月見団子

送り団子にもぴったりの、白い団子のレシピです。だんご粉と水で作った生地をお湯で茹でるだけととても手軽に作れますよ。あんこやみたらしタレなど、お好みのトッピングでアレンジしてお楽しみください。

お盆にはぜひ手作りのお団子を!

今回は、お盆にお供えする団子の意味や呼び名、お供えの仕方などについて解説し、団子のおすすめレシピをご紹介しました。お盆はご先祖さまを偲び、家族の絆を深めるいい機会です。ご紹介したレシピも参考に、ぜひおうちで手作りの団子も作ってみてくださいね。

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