ホクホクした食感とねっとりとした舌触りが特徴的な「里芋」。煮物や汁物など、和食には欠かせない食材のひとつですよね。今回は、そんな里芋に含まれる栄養素や、特有のぬめりの正体、おいしい里芋の選び方をご紹介します。
里芋の選び方と栄養素|買い物で役立つ基本の「き」

- 目次
- 歴史の長い食材
- 里芋の種類
- 主要な栄養価はこちら
- 注目の栄養素について解説
- 皮むきに注意!
- おいしい里芋の選び方
- ホクホクの里芋を楽しもう!
歴史の長い食材
里芋は、インド東部からマレーシアにかけての熱帯地方が原産で、現地では「タロイモ」と呼ばれ親しまれています。
日本では、縄文時代より栽培されており、稲作より歴史のある食材のひとつです。また、江戸時代までは、じゃがいもやさつまいもよりも里芋が主流であり、主食として食べられることもあったそうです。
里芋の種類
里芋は、親芋を中心にしてその周辺に子芋や孫芋など、いくつもの芋ができあがります。そんな里芋にはいくつもの品種があり、形や食味など、それぞれ特徴を持っています。
土垂(どたれ)
一般的にスーパーなどで見かける里芋の品種です。長期の貯蔵が可能なため、一年を通して市場で手に入れることができます。楕円形でねっとりしているのが特徴で、煮物にぴったりな品種です。
石川早生(いしかわわせ)
土垂よりやや小さく、丸っこい形をした里芋です。大阪府の南河内郡石川村が発祥ということから、この名がついたとされています。煮物はもちろん、強い粘り気を活かし、蒸して食べるのもおすすめです。
海老芋
その名の通り、エビのように曲がった形をしている品種です。ねっとりとした食感と、ホクホクとした食感の両方が楽しめるので、さまざまな調理に適しています。
八つ頭
親芋と子芋が連なり、ひとつの大きな塊になっている品種です。甘みがあり、ホクホクとした食感が楽しめます。縁起物として扱われることも多く、おせち料理などの定番にもなっています。
芋茎(ずいき)
芋茎は、里芋の茎の部分を食用にしたもので「芋がら」とも呼ばれています。赤芋茎や青芋茎など、品種によって色や変わるため、食卓を彩るアイテムとしても楽しめます。アクが強いため、アク抜きをする必要がありますが、煮物や和え物など幅広い調理法でおいしくいただけます。
主要な栄養価はこちら
里芋(生)100gあたりの栄養価は以下の通りです。
・エネルギー 53kcal
・たんぱく質 1.5g
・脂質 0.1g
・炭水化物 13.1g
・食物繊維 2.3g
・カリウム 640mg
注目の栄養素について解説
続いては、里芋に含まれる栄養素について見てみましょう。
ガラクタン
里芋特有のぬめりは、ガラクタンによるものです。ガラクタンは、水溶性食物繊維の一種であり、便のかさを増やして便通を整えます。また、脂質や糖、ナトリウムなどを吸着して排出する働きもあります。
カリウム
カリウムには、体内の余分なナトリウムを排出する働きがあります。筋肉の収縮や神経の働きにも密接に関わる重要なミネラルのひとつです。
皮むきに注意!
生の里芋は、ヌメりによって手や包丁がすべりやすくなるため、皮をむくのにコツが必要です。また、里芋のぬめりに長く触れていると手にかゆみが出てくる場合があります。これは、里芋に含まれるシュウ酸カルシウムが原因とされています。気になる方は、調理用手袋をつけるなどの対策を行いましょう。
クラシルでは、簡単に里芋の皮をむく方法もご紹介していますので、チェックしてみてくださいね。
おいしい里芋の選び方
■しっとりとした皮
皮がしっとりとして粘り気のあるものを選びましょう。また、里芋の表面に見える縦模様は、うまく成長しているものほどくっきりと線が出ています。傷があるものや、芽が出ているものは避けましょう。
■ふっくらとしているか
品種問わず、全体的にふっくらと丸みを帯び、ずっしりと重量感を感じられるものを選びましょう。身がしまっているかどうかも、確認ポイントです。反対に、ふかふかとした感触のものは傷んでいる可能性が高いです。触って確認してみましょう。
■身は白くツヤがあるもの
皮がむいてある里芋を選ぶときは、白くてツヤがあるものを選びましょう。里芋は、寒さに弱く、赤い斑点が生じることがあります。斑点は舌触りが悪く、調理前に取り除く必要があります。こうした手間を除くためにも、表面の状態をしっかりとチェックしましょう。
ホクホクの里芋を楽しもう!
里芋に含まれる栄養素と、おいしい里芋の選び方についてご紹介しました。 ホクホクの里芋は食べておいしいだけではなく、さまざまな栄養素が含まれいるので、旬の時期には積極的に手に取りたい食材のひとつですね。
クラシルでは、里芋の保存方法についてもご紹介しています。こちらもぜひ参考にしてみてください。