カカオ豆から作られる「カカオニブ」をご存じですか?チョコレートやカカオを製造する過程で作られるものですが、栄養価が高く、そのまま食べることもできる注目の食材なんです。この記事では、カカオニブの特徴や味わいに加え、チョコやココアとの違い、おいしい食べ方やレシピまで詳しく解説します。ぜひチェックしてみてくださいね。
カカオニブとは?ココアやチョコとの違いとおすすめの食べ方
- 目次
- カカオニブとは?
- カカオニブの味わいと風味の特徴
- カカオマスやチョコとの違い
- カカオニブの成分について
- カカオニブはどうやって食べる?
- そもそもカカオ豆とは?
- カカオニブを使ったレシピをご紹介!
- ほろ苦さがクセになる!カカオニブを取り入れてみませんか
カカオニブとは?
カカオニブ(英語:cacao nibs)とは、発酵・焙煎したカカオ豆の胚乳を粗く砕いた粒です。 チョコレートやココアの原料で、そのまま食べることもできます。
ヨーグルトやアイスにトッピングしたり、クッキーやマフィンに混ぜ込んだりと、日常的に取り入れやすい食材です。
カカオニブの味わいと風味の特徴
カカオニブは、甘みのないカカオ100%の風味が特徴です。チョコレートの原料ではありますが甘さはなく、しっかりとした苦味や酸味、香ばしさがあります。ナッツのようなカリッとした食感とあいまって、慣れるとクセになるおいしさです。
ローストの温度や時間によっても味の印象は変わり、高温で焙煎すると苦味やコクが強くなり、低温ではややマイルドになります。また、使用されるカカオ豆の品種や産地によっても風味に違いが出るため、食べ比べてみるのも楽しみのひとつです。
さきほど少し触れたように、カカオニブはチョコレートやココアパウダーなどを作る際の原料となる素材です。カカオニブをすり潰すと「カカオマス」と呼ばれるペースト状の原料になり、そこからチョコレートやココアパウダーが作られます。
続いて、カカオマス・ココアパウダー・チョコレートの違いについてわかりやすく解説します。
カカオマスやチョコとの違い
カカオニブは、チョコレートやココアの「もと」になる食材ですが、具体的にどのような違いがあるのでしょうか。表にまとめたので、確認してみましょう。
| 用語 | 定義 | 用途 |
|---|---|---|
| カカオニブ | 発酵・焙煎したカカオ豆の胚乳を砕いた粒 |
トッピング、焼き菓子などに混ぜ込む |
| カカオマス | カカオニブをすり潰してペースト状にしたもの |
チョコレートやココアの原料 |
| ココアパウダー | カカオマスを脱脂し、残りを粉末にしたもの |
ココアドリンク、焼き菓子など |
| チョコレート | カカオマスに砂糖やココアバターを加えて固めたもの |
菓子としてそのまま食べる、製菓材料に使う |
それぞれの違いを確認したところで、カカオニブ以外の3つの素材について、もう少し詳しく見ていきましょう。
カカオマスとは
カカオマスは、カカオニブを細かくすり潰してペースト状にしたものです。見た目は黒っぽく、ねっとりとしており、味わいは非常にビター。ここには砂糖や乳製品などは含まれていません。
このカカオマスが、チョコレートやココアパウダーの中間原料として使われます。市販のチョコレート製品の原材料表示に「カカオマス」と書かれていることもあり、製菓・製造工程では欠かせない存在です。
ココアパウダーとは
ココアパウダーは、カカオマスから脂肪分(ココアバター)を搾り取り、残った固形物を乾燥・粉砕して作られた粉末状の素材です。製菓用に使われる純ココア(無糖タイプ)の多くはこの形です。
風味はまろやかで、カカオの香りが引き立ちやすく、お菓子作りやホットココアなどの飲み物に幅広く使われます。油分が少ない分、扱いやすく、料理やドリンクにも応用しやすいのが特徴です。
チョコレートとは
チョコレートは、カカオマスにココアバターや砂糖、乳製品などを加えて混ぜ合わせ、冷やして固めた製品です。甘さの加減やカカオ分の割合、乳成分の有無によって、ビターチョコやミルクチョコなど、さまざまなタイプに分類されます。
製品としてそのまま食べられるのはもちろん、チョコチップやコーティングなど、製菓材料としての用途も豊富です。
市販のチョコの原点をたどると、カカオニブにたどり着くというのは、興味深いポイントですね。
カカオニブの成分について
カカオニブは、スーパーフードとも呼ばれます。注目の栄養成分をチェックしてみましょう。
テオブロミン
テオブロミンはカカオの学名である「Theobroma Cacao(テオブロマカカオ)」が由来となっています。カカオニブに含まれる苦味と香りの成分で、カフェインと同じメチルキサンチン類のひとつです。なので、カフェインと同様、摂り過ぎには注意が必要です。
カカオポリフェノール
カカオポリフェノールは、その名の通りカカオに含まれるポリフェノールです。エピカテキンという物質を主にする化合物で、強い抗酸化作用を持ちます。体内の活性酸素を取り除き、酸化を抑える働きがあります。カカオマスやココアなどに比べて、カカオニブには特に多く含まれていることがわかっています。
食物繊維
カカオニブには、リグニンという不溶性食物繊維が含まれています。人間の消化酵素や腸内細菌に分解されにくいため、便のかさを増してスムーズな便通を促します。
カカオニブはどうやって食べる?
ここまでカカオニブについてご紹介してきましたが、スーパーフードと言われると日々の食事などに取り入れたくなりますよね。ここではカカオニブの食べ方についてご紹介します。
ヨーグルトにトッピングする
カカオニブを手軽に取り入れるならヨーグルトにトッピングするのがおすすめです。なめらかなヨーグルトにカリカリとしたカカオニブの食感がアクセントになっておいしいですよ!カカオニブは苦いので、はちみつやフルーツジャムなどで甘みを加えるとバランスのいい味わいになります。
ホットドリンクにトッピングする
ココアやホットチョコレートなど甘いホットドリンクにトッピングすると、おしゃれなカフェのような見た目に。また、見た目だけでなく味わいに奥行きが出ます。とくにホットチョコレートは甘いので、カカオニブをトッピングすることで味が引き締まりますよ。
グラノーラに加える
カカオニブをグラノーラに加えるのも手軽に取り入れる方法のひとつです。カカオニブの香ばしさと苦みが加わり、風味豊かなグラノーラを楽しめますよ。
アサイーボウルにトッピングする
近年ブームが再燃しているアサイーボウルにも使われることが多いようです。アサイーはわずかに渋みがありますがクセがないので、少し苦みのあるカカオニブや酸味のあるフルーツともよく合います。はちみつをかけて、お好みの味わいで食べるのがおすすめです。
クッキーなどの焼き菓子に混ぜ込む
クッキーやブラウニーなどに混ぜ込むのもおすすめですよ!カリッとした食感はもちろん、苦みがアクセントになって少し大人な味わいに仕上がります。
そもそもカカオ豆とは?
そもそも、カカオ豆がどのようなものかご存じでしょうか?カカオは西アフリカや中南米など、赤道付近に位置する高温多湿な地域で栽培される熱帯植物です。
カカオ豆は、このカカオの樹に実る果実(カカオポッド)のなかにある、白い果肉で覆われた種子のことを指します。
カカオの学名は「Theobroma Cacao(テオブロマカカオ)」。Theobromaはメキシコ・アステカ族の神話に由来し、ギリシャ語で「神の食べ物」を意味します。昔は王族や貴族だけが口にすることができる、貴重な食べ物だったようです。
カカオニブを使ったレシピをご紹介!
カカオニブはそのまま食べてもおいしいですが、お菓子作りに使うのもおすすめです。チョコレートチップやナッツの代わりのイメージで使うと、カカオニブのほろ苦さやカリカリとした食感が加わり、また違った味わいが楽しめますよ。
カカオニブのココナッツクッキー
シンプルなココナッツクッキーに、カカオニブを加えてアレンジしました。ココナッツオイルを加えた甘い香りの生地にほろ苦いカカオニブがよく合い、とてもおいしいですよ。簡単な手順で作れるので、ティータイムのお供にぜひお試しくださいね。
カリカリ ココアスノーボール
カカオニブを混ぜ込んだ、ココア風味のスノーボールはいかがでしょうか。甘さ控えめのココア風味の生地にカカオニブのカリカリとした食感がアクセントになり、食べる手が止まらないおいしさ。サクサクのクッキーを口に入れるとほろりと溶けていきますよ。
カカオニブとクランベリーのお豆腐スコーン
ナッツのような香ばしさがあるカカオニブは、スコーンのような焼き菓子にもおすすめ。甘酸っぱいクランベリーと、ほろ苦いカカオニブの相性が抜群です。生地はホットケーキミックスを使うので失敗しにくく、お菓子作り初心者の方にもおすすめのレシピですよ。
バナナとカカオニブのマフィン
定番のバナナマフィンにカカオニブをプラスした、ちょっぴり大人な味わいの一品です。バナナの自然な甘みに濃厚でほろ苦いカカオの風味が加わり、ワンランク上のおいしさに仕上がりますよ。しっとりとした生地と、カカオニブのカリッとした食感の違いも楽しめます。
カカオニブのマーマレードチーズトースト
カカオニブはお菓子だけでなく、こんな風にトーストのアレンジに使うのもおすすめ。コクのあるクリームチーズと甘酸っぱいマーマレード、ほろ苦いカカオニブの組み合わせが絶妙なバランスで、クセになる味わいに仕上がりますよ。
ほろ苦さがクセになる!カカオニブを取り入れてみませんか
カカオ豆から作られるカカオニブは、小さな粒に注目の栄養素が詰まった食材。カカオ特有の風味とほろ苦さがあり、そのまま食べるのはもちろん、お菓子作りにも活用することができます。店頭でカカオニブを見かけたらぜひ手に取って、そのおいしさを味わってみてくださいね。
