最終更新日 2023.3.30

「かりん」ってどんな果物?旬や特徴、保存方法について解説!

「かりん」ってどんな果物?旬や特徴、保存方法について解説!

のど飴の材料として有名な「かりん」。名前は聞いたことがあっても、どんな果物なのかはよくわからないという人も多いのではないでしょうか?この記事ではかりんの特徴や旬、保存方法などを解説します。記事後半のかりんのコンポートやかりんのコンポートサラダなど、かりんを使った絶品レシピも必見ですよ!

  • 目次
  • かりんとは?
  • かりんの歴史
  • かりんの味の特徴やおすすめの食べ方
  • かりんの保存方法
  • かりんの皮のむき方
  • かりんを使った絶品レシピ
  • 甘酸っぱい かりんのコンポート
  • かりんのコンポートサラダ

かりんとは?

かりんは中国東部原産のバラ科カリン属の果物です。漢字では「花梨」と書きます。ピンクの5弁花の美しさや新緑、紅葉を楽しめることに加え、香りのよい大きな果実がなることなどから庭園樹としてもたいへん人気があります。かりんの果実は350~500gほどの大きさで、パパイヤのように楕円形をしています。皮の表面はつるりとしていて、薄い黄色です。ちなみに、完熟するとワックスを塗ったように表面がベタベタとしてくるんですよ。果肉は薄い黄色から橙黄色で中心部には縦に5本の空洞があり、その中に種がたくさん入っています。

形が似ていることからよく間違われやすい果物にマルメロがありますが、かりんは楕円形で果実の表面がつるりとしているのに対しマルメロは球状でビロード状の綿毛が密集しているのが特徴です。

かりんは庭木としても人気があるため全国的に栽培されている植物です。寒さに強いという特徴があることから、長野県などの甲信越や山形県などの東北地方のほか香川県や愛媛県などの四国地方が主な産地となっています。日本全国に分布しているため、収穫される時期が長いのが特徴です。4月中旬から5月上旬ごろに花が開花し、夏から秋にかけて実が大きくなり熟していきます。実全体が黄色く色づき、香りがたってきたら食べごろです。10月から12月ごろに旬を迎えます。

かりんはスーパーなどでは見かけることが少ないですが、地元の農産物を扱う直売所などに並んでいたり、通販などで購入することができます。

かりんの歴史

かりんの歴史は大変古く、原産地である中国では古来から薬用や観賞用として用いられてきました。日本には平安時代までには伝わったと言われており、やはり薬や鑑賞のために利用されていたようです。当時は「和木瓜(わもっか)」という生薬名で親しまれていました。一説には遣唐使であった弘法大師(空海)が中国から持ち帰ったのが由来とされており、香川県のまんのう町を訪れた弘法大師が持ち帰ったかりんの木を植えたという記録も残っています。日本に伝わったあと、かりんは全国各地で庭園樹として栽培されるようになり、広く親しまれるようになりました。「かりん」という名前が「借りぬ」に似ていることから、借金をしないですむという願いを込めて庭に植える習慣がある地域もあるそうですよ。

かりんの味の特徴やおすすめの食べ方

完熟したかりんの実は芳しい香りが特徴で、梅や桃にも似た甘く濃厚な香りを持っています。とても香りが強いので、そのまま部屋に置いておくだけで芳香剤の代わりになるほどなんですよ。この香りからは甘くジューシーな果肉を連想しますが、実際にはかりんの実は生では食べることができません。かりんの実は硬いうえに、渋みがとても強いのです。和梨のシャリシャリとした食感は石細胞という硬い細胞によるものですが、かりんにはこの石細胞がたくさん含まれています。口に含むとじゃりじゃりとした繊維質が残って食べることができません。また、かりんには渋みを作り出すタンニンという物質がたくさん含まれています。生で食べるとヒリヒリとするような強い渋さを感じることでしょう。

かりんは生で食べることができないので、特有の香りを活かして加工品にしたり、加熱して活用するのが一般的です。昔から定番となっているのが、かりんシロップやかりん酒などに加工して楽しむ方法。スライスしたかりんを砂糖やはちみつに漬け込んで作るシロップ漬けは、かりんの甘い香りがシロップに移り芳醇な香りが楽しめます。お湯で割ってホットドリンクにして飲むと格別のおいしさ!紅茶に混ぜて飲むのもおすすめですよ。ゆずや生姜などと組み合わせてみるのも楽しいですね。

かりんは加熱すると渋みが消えてやわらかくなり、鮮やかなルビー色に変化します!ジャムやコンポートなどにして食べるのもおすすめですよ。かりんのジャムやコンポートは甘酸っぱさが特徴で、そのまま食べるのはもちろん、ヨーグルトやアイスなどのトッピングにしてもおいしいです。かりん特有の甘く濃厚な香りと、桃やりんごのようなやさしい味わいがクセになります。

かりんの保存方法

かりんは明るい黄色でツヤがあるものを選びましょう。傷がなくずっしりと重みを感じるものがおすすめです。かりんを購入したら、完熟しているかどうか確認しましょう。皮が黄緑色で香りが弱いものは未熟なので、追熟させる必要があります。その場合、直射日光が当たらない涼しい場所に置いておきましょう。実の全体がむらなく黄色く色づき、フルーティーな芳香がしっかりと感じられるようになるのが完熟の目安です。完熟した後も冷蔵庫に入れる必要はなく、新聞紙などで包んで常温で保存することができます。ただし、完熟したらなるべく早く使い切るのがおすすめです。

かりんの皮のむき方

続いて、かりんの下処理の方法をご紹介します。ジャムやコンポートなどに加工する際には皮をむいて芯や種を取り除いてから使いましょう。カリンはとても硬いので、包丁でカットする際には手をけがしないよう取り扱いに十分気をつけてくださいね。

かりんを使った絶品レシピ

かりんの産地や旬、特徴やおすすめの食べ方がわかったところで、ここからはかりんを使った絶品レシピをご紹介します。おうちで簡単に作れるレシピをピックアップしているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

甘酸っぱい かりんのコンポート

甘酸っぱさがたまらないかりんのコンポートのご紹介です。下処理したかりんをカットして、砂糖とレモン汁を加えた甘酸っぱいシロップで煮込むだけで簡単にお作りいただけます!りんごよりもしっかりとした食感で、かりんの芳醇な香りが特徴です。そのまま食べるのはもちろん、スイーツに活用するのもおすすめですよ。とてもおいしいのでぜひ作ってみてくださいね!

かりんのコンポートサラダ

かりんのコンポートを使っておしゃれなフルーツサラダを作ってみました。かりんの甘酸っぱさと香ばしいピーナッツの風味が好相性!甘酸っぱいフレンチドレッシングが爽やかで、野菜をもりもり召し上がれますよ。華やかな見た目でおもてなしにもぴったりです。ぜひ献立に加えてみてくださいね。

芳醇な香りと甘酸っぱさが魅力のかりんを使ってみよう

いかがでしたか?かりんの旬や産地、特徴やおすすめの食べ方に加え、かりんを使った絶品レシピなどをご紹介しました。芳醇な香りが特徴のかりんは生では食べられませんが、加工するとフルーティーで香り豊かに大変身します!これまで使ったことがなかったという方も、今回ご紹介したレシピなども参考にしていただき、ぜひかりんを活用してみてくださいね。

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