旨味たっぷりでコリコリとした食感が魅力のしいたけ。特に鍋ものやスープなどに入れるとグンと旨味が増してコクのある味わいに仕上がりますよね。今回は、しいたけに含まれる栄養素や、調理のポイント、新鮮なしいたけの選び方についてご紹介します。ぜひ参考にしてみてくださいね。
しいたけの選び方と栄養素|買い物で役立つ基本の「き」

- 目次
- 「菌床栽培」と「原木栽培」の違いは?
- 主要な栄養価はこちら
- 注目の栄養素について
- しいたけの栄養素を効率よく摂取するには?
- おいしいしいたけの選び方
- しいたけの旨味と風味を存分に楽しもう
「菌床栽培」と「原木栽培」の違いは?
しいたけは1年を通して購入することができ、価格の変動も比較的少ないです。しかし、本来しいたけの旬は春と秋。実は、しいたけが1年を通して生産されるようになったのは80年代以降なんです。従来の「原木栽培」に比べてより生産効率が高い「菌床栽培」という栽培技術が確立されたことが、そのきっかけとなります。
「菌床栽培」と「原木栽培」はどのような違いがあるのでしょうか?まずは、それぞれの違いについてご紹介します。
■菌床栽培
菌床栽培とは、おがくずや米ぬかなどをブロック状にまとめた「菌床」に、しいたけの種菌を植えて栽培する方法です。菌床は温度管理や衛生管理が整った建物の中で栽培されます。種菌を植えてから収穫まで3ヶ月ほどと短く、1年を通して安定した生産が可能です。国内で生産されているしいたけの90%が菌床栽培となります。
■原木栽培
原木栽培とは、クヌギの原木にしいたけの種菌を植えて栽培する方法です。原木は自然の森の中に置かれ、自然の力を利用して栽培します。種菌を植えてから収穫まで1~2年と栽培期間が長く、収穫は春と秋の2回のみになります。菌床栽培のものよりも肉厚で歯ごたえがよく、強い旨味と風味があるのが特徴です。菌床栽培に比べて栽培期間が長い分、価格も高くなります。
主要な栄養価はこちら
しいたけ(菌床栽培/生)100gに含まれる主な栄養価は以下の通りです。
・エネルギー 25kcal
・たんぱく質 3.1g
・脂質 0.3g
・炭水化物 6.4g
・食物繊維 4.9g
・ビタミンD 0.3μg
・ナイアシン 3.4mg
注目の栄養素について
ここではビタミンD、食物繊維、グルタミン酸について解説します。
■ビタミンD
ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨の成長を促し、血中のカルシウム濃度を調整するために欠かせません。油に溶けやすく水に溶けにくい性質があります。
■食物繊維
食物繊維は水溶性と不溶性に大きく分けることができ、しいたけには不溶性食物繊維が多く含まれています。不溶性食物繊維は、腸のぜん動運動を活発にして便通を促します。また、脂質や糖、ナトリウムなどを吸着して排出する働きもあります。
■グルタミン酸
旨味物質としても知られているグルタミン酸。たんぱく質を構成する20種類のアミノ酸のうちの1つとして重要な成分であり、ひとつでも欠けるとたんぱく質が合成できなくなります。
しいたけの栄養素を効率よく摂取するには?
次に、調理の際に気をつけたいポイントを3つご紹介します。正しい方法で調理することで、しいたけの栄養素を効率よく摂取することができます。
■水洗いは必要ない
しいたけは基本的に流水で洗わずに使うことができます。洗うことで栄養素や風味が損なわれてしまうこともあるので、汚れなどが気になる場合は水で濡らしたキッチンペーパーをよく絞り、拭き取るようにしましょう。
■油を使った加熱調理に
ビタミンDは脂溶性ビタミンです。油に溶けやすく水に溶けにくい性質を持ち、熱にも強いので、油を使った加熱調理に向いています。ソテーや揚げ物などにいかがでしょうか?
■カルシウムを含む食品と一緒に食べる
ビタミンDはカルシウムの吸収を助ける働きがあります。カルシウムを多く含む食品と一緒にいただくことで、効率よく摂取することができますよ。
おいしいしいたけの選び方
■かさが肉厚で開ききっていない
しいたけはかさにツヤがあり肉厚で丸みがあるものほど、旨味が強く食感もよいです。鮮度が落ちるとかさが開いてくるので、かさが開ききっていないものを選びましょう。理想の開き具合は8割程度です。
■ひだの部分が白っぽく、軸が太くて短い
新鮮なしいたけは、ひだの部分が白っぽくハリがあります。ひだが茶色く変色して崩れているものは、鮮度が落ちている可能性があります。また、適切な気温と湿度の中で育ったしいたけは軸が太くて短く、おいしいものが多いです。
■パックの内側が蒸れていない
しいたけは水気に弱く、少しでも湿っているとそこから傷みはじめます。パックの内側が蒸れて水滴がついているものは、鮮度が落ちている可能性が高いので避けた方がよいでしょう。
しいたけの旨味と風味を存分に楽しもう
今回は、しいたけに含まれる栄養素や、調理のポイント、新鮮なしいたけの選び方についてご紹介しました。
しいたけにはビタミンDや食物繊維、グルタミン酸など、健康を保つために欠かせない栄養素が含まれています。日々、積極的に料理に取り入れていきたいですね。
クラシルでは、しいたけの保存方法についてもご紹介しています。こちらもぜひ参考にしてみてくださいね。