秋田県の特産品でもある「とんぶり」。一見すると、海のものなのか山のものなのか判断しづらい食材ですが、ホウキギという植物に実る果実で、その姿がキャビアに似ていることから「畑のキャビア」と呼ばれています。今回はそんな「とんぶり」の特徴や旬に加えて、おいしい食べ方やとんぶりを使ったレシピもご紹介します。
キャビアに似ている「とんぶり」ってどんな食材?特徴やおすすめの食べ方について解説!
- 目次
- とんぶりとは?
- ホウキギについて
- とんぶりの特徴について
- とんぶりの産地や旬は?
- とんぶりのおいしい食べ方をご紹介!
- とんぶりを使ったレシピをチェック!
- とんぶりをもっと料理に活用してみよう!
とんぶりとは?
ヒユ科ホウキギ属に分類される一年草「ホウキギ」。別名「コキア」とも呼ばれるこの植物に実る果実が「とんぶり」です。
ホウキギについて
さて、とんぶりの解説に入る前にまずは、元となるホウキギについて少しご紹介します。ホウキギは、フワフワとした多くの枝葉が作り出すまん丸なフォルムが特徴で、名前が示すとおり、その茎は草ほうきの材料としても使われてきました。
比較的手をかけずに育てられるうえ、秋には美しく紅葉するため、園芸をされる方の間でも人気の高い植物となっているんですよ。
とんぶりの特徴について
そんなホウキギですが、品種によっては花が咲いたあとに実をつけます。この実を加工して食用にしたものが「とんぶり」です。
収穫後は乾燥・加熱・水さらしを繰り返しながら、外皮や茎をていねいに取り除き、しっかり水切りした後にビンやパックに詰めて出荷されます。
加工されたとんぶりは、やや黒みを帯びた緑色をしており、粒の大きさは1~2mmほど。見た目がサメの卵「キャビア」にそっくりなことから、「畑のキャビア」とも呼ばれています。味に大きなクセはなく、キャビアのようなプチプチとした食感を楽しむ食材として、さまざまな料理に使われているんですよ。
💡ワンポイント豆知識
とんぶりは、実は江戸時代の頃から食用とされていたといわれています。保存がきき、下処理をすればそのまま食べられることもあり、当時の人々にとっても便利な食材だったのでしょう。現代のように“プチプチ食感”を楽しんでいたのかと思うと、ちょっと親しみが湧きますね。
とんぶりの産地や旬は?
とんぶりの主な産地は秋田県です。かつては、ほうきを製造するため、全国各地で栽培されていたホウキギですが、ほうきの生産が衰退するのに伴ってホウキギの栽培地域も減少してしまいました。
そんな中、地理や気候の条件がとんぶり栽培に適していた秋田県では、現在でもホウキギの栽培が盛んに行われており、生産量・生産額ともに全国1位を誇っています。秋田県大館市などでは、地域の特産品として長年親しまれてきました。
とんぶりの旬は9月から10月ごろ。ホウキギの花が咲く夏を過ぎ、実がなる秋が収穫の最盛期です。ただし、加工された状態で販売されているため、旬はあるものの、一年を通して楽しめるのがうれしいポイント。スーパーやネットショップなどで見かけた際には、ぜひ手にとってみてくださいね。
とんぶりのおいしい食べ方をご紹介!
スーパーなどで見かけたことはあっても、「どう使えばいいのかわからなくて…」と手に取れなかった方も多いかもしれません。
でも実は、下ごしらえいらずでそのまま使える便利な食材なんです。クセがない分、いろんな料理に合わせやすく、キャビアのようなプチプチ食感が料理のアクセントにもぴったり。ここでは、初めての方でも取り入れやすいとんぶりの使い方をご紹介します!
和え物などのアクセントに
とんぶりは冷菜との相性が抜群です。たとえば、お好みの野菜と合わせた和え物やサラダに、とんぶりをひとさじ加えるだけで、食感に変化が出て楽しい一品に。
味にクセがないため、ドレッシングやタレに混ぜても違和感なくなじみます。納豆や山芋と合わせるのも定番の組み合わせなので、簡単に試せるアレンジとしてぜひお試しくださいね。
調味料に変化をつける
パスタソースにとんぶりを加えると、いつもの一皿がちょっと新鮮な味わいに。とんぶりのプチプチ感がよく合うので、和風でも洋風でも楽しめます。サーモンやクリーム系のソースとも相性がいいですよ。
ごはんにのせる
とんぶりの食感をしっかり味わいたいなら、ごはんの上にのせるシンプルな食べ方もおすすめです。
そのままだと味がないので、めんつゆやポン酢、納豆などと合わせて、味つけを工夫してみてください。
忙しいときでもすぐに作れるので、ぜひ一度試してみてくださいね。
とんぶりを使ったレシピをチェック!
ここからは、とんぶりを使って作るおいしいレシピをご紹介します。とんぶりいつもの料理にとんぶりをプラスするだけで、ちょっとした変化が楽しめますよ。ぜひチェックしてみてくださいね。
長芋とオクラのとんぶり和え
とんぶりを料理の仕上げにプラスしてみましょう!長一品で、長芋のシャキシャキとオクラのネバネバ、とんぶりのプチプチと、一皿で3つの食感を楽しめる一品です。
きのこととんぶりの和風スパゲティ
とんぶり自体にはほとんど味がないので、どんな味つけにも合わせやすいのが魅力です。こちらのレシピでは、きのこやベーコンを使った和風パスタにとんぶりを加えました。パスタ全体にとんぶりを絡めることで、味の邪魔をすることなく、プチプチとした食感が楽しめますよ。
ツナマヨととんぶりのお手軽丼
お手軽ランチにぴったりの、ツナマヨ丼をご紹介します。とんぶりを加えることで、プチプチとした食感がよいアクセントに。爽やかな大葉の風味も加わり、最後まで飽きずにおいしくいただけますよ。ごはんだけでなく、クラッカーやバゲットにのせてもおすすめなので、ぜひレパートリーに加えてみてくださいね。
とんぶりをもっと料理に活用してみよう!
今回は、とんぶりについてご紹介しました。「とんぶり」はホウキギの実を加工したもので、下ごしらえ不要でそのまま使える手軽さが魅力です。忙しいときでも、さっと料理にプラスできる便利な食材ですよ。旬は秋ですが、通年楽しめるので、お店で見かけたらぜひ手に取って、いろいろな料理に活用してみてくださいね。
