火鍋に入れる定番具材とは？薬膳スパイスについてもご紹介！

中国をはじめ、アジア各国で親しまれている鍋料理「火鍋」。日本でいうしゃぶしゃぶのようなもので、味わいの異なる2種類のスープにさまざまな具材を入れて楽しむ料理です。今回は、火鍋の定番具材やよく使われる薬膳スパイス、シメの食材を30種類ご紹介します。おうちで楽しむ火鍋のおすすめレシピも必見ですよ！

「火鍋」とは、中国が発祥の鍋料理のこと。熱いスープが入った鍋にさまざまな具材を入れて楽しむ、日本のしゃぶしゃぶのようなものです。どのように発祥したのかははっきりとわかっていませんが、2000年前にはすでに中国で親しまれていたといわれていて、今では台湾や韓国でも食べられています。

「火」という漢字から辛い味を想像する方も多いかもしれませんが、辛いスープだけではなく、あっさりとした味わいのものから酸味の効いたものまで、幅広い味つけのスープがあるんですよ。

一つの鍋に2種類のスープを分けて入れられる「鴛鴦鍋（えんおうなべ）」というスタイルの鍋もよく使われていて、唐辛子の効いた「麻辣（マーラー）」という赤いスープと、鶏ガラベースの「白湯（パイタン）」というスープ、この2種類の組み合わせで提供されることが多いようです。麻辣にも白湯にもそれぞれ香辛料や香味野菜が入ることが多く、風味豊かな味わいを楽しめます。

また、日本のしゃぶしゃぶと同じようにタレをつけていただくスタイルもあり、さまざまな調味料や香辛料を自分好みにアレンジしてつけダレを作ることもあるんですよ。

火鍋には、肉類や魚介類、野菜など、さまざまな具材が使われます。ここからは、火鍋の定番具材やおすすめ具材をご紹介！まずは肉類や魚介類、貝類の具材を見てみましょう。

旨味たっぷりの牛肉は火鍋にぴったりの具材です。スープにさっとくぐらせてしゃぶしゃぶのように食べる火鍋では、薄切り肉を使いましょう。

豚肉も火が通りやすいよう薄切り肉を選ぶのがおすすめです。豚の脂がスープに溶け出し、旨味がプラスされますよ！さっぱりと味わいたいときはロース肉、より脂のコクを楽しみたいときはバラ肉を選んでみましょう。

鶏肉を火鍋に取り入れたいときは、鶏ひき肉を使って鶏団子にしてみてはいかがでしょうか。やわらかな食感とやさしい旨味があり、どんなスープにも合いやすいですよ。

火鍋の具材には、ラム肉もよく使われます。先ほど火鍋の発祥には諸説あるとお伝えしましたが、その一つにモンゴルの羊肉料理がルーツだという説もあるんですよ。そして羊肉を使った火鍋は北京でよく食べられているようです。火鍋に使う肉はやわらかいラムロース肉の薄切りなどがおすすめです。

辛みや旨味がしっかりとついた火鍋のスープには、鱈などの淡白な味わいの白身魚がぴったり！火が通りやすく、簡単に調理できるのもうれしいポイントです。

エビは、そのまま使ってプリプリとした食感を楽しむはもちろん、すり身にしてエビ団子として使うのもおすすめです！スープも染み込みやすく、旨味が口いっぱいに広がりますよ。

火鍋の具材にアサリを取り入れてみましょう！スープにアサリの旨味が溶け出し、奥深い味わいに仕上がりますよ。ほかの海鮮の具材と組み合わせるとさらに濃厚な魚介の旨味が楽しめます。

ホタテの甘みや旨味がスープに加わるとより豊かな味わいに。やわらかな食感も魅力で、クセになること間違いなしですよ。

旨味たっぷりの火鍋のスープがよく染みた野菜類やきのこ類は絶品！お好みのものをお使いいただけますが、特におすすめの定番具材をご紹介します。

鍋料理でおなじみのチンゲン菜や小松菜、白菜、ニラといった葉物野菜は、火鍋にもぴったりの具材です。特に香りの強いニラは、特有の香味成分が麻辣スープの味わいを引き立ててくれるので、火鍋を食べる際はぜひ準備したい具材です。

じゃがいもは皮を剥き、厚めにカットして加えましょう。ホクホクとした食感がとてもおいしいですよ。煮崩れしにくいメークインやとうや、インカのめざめといった品種を選ぶのがおすすめです。

鮮やかなオレンジ色のにんじんは、彩りのアクセントにもなります。火が通りやすいように薄く切って使いましょう。ピーラーを使ってリボン状に薄く切るのもおすすめですよ。

大根はお肉との相性がよく、どんなスープとも合いやすい野菜です。にんじんと同じように薄く切るか、ピーラーでリボン状にしたものを使うと、さっと火が通りますよ。

長ねぎも火鍋の定番具材。スープとの相性もよく、長ねぎの甘みがスープに溶け出し、奥深い味わいに仕上がります。お好みの切り方で楽しめますが、斜め切りにするのがおすすめですよ。

しめじやしいたけ、えのきなどのきのこは、火鍋にぜひ使っていただきたい具材です。溶け出した旨味がスープの風味を豊かにし、食感も楽しめます。また、きのこの一種でもある「きくらげ」は、火鍋には欠かせない食材です。コリコリとした食感がアクセントになるので、ぜひお試しくださいね。手に入れば白きくらげを入れるのがおすすめですよ。

続いて、火鍋におすすめのそのほかの具材をご紹介します。

辛いものが好きな方は、唐辛子を具材に使って辛さをアップさせてみてはいかがでしょうか。鷹の爪をホールのまま入れたり、刻んでいれるほか、生の青唐辛子や赤唐辛子を加えるのもおすすめです。唐辛子は食べても問題ありませんが、食べすぎると体に負担がかかる恐れがあります。食べ過ぎには注意しましょう。

八角はスターアニスとも呼ばれる、花のようなかわいらしい見た目と特有の甘い香りを持つスパイスです。デザートの香りづけに使われますが、中国では豚肉や鴨肉料理の香りづけにもよく使われます。火鍋に加えると中華料理特有の本格的な味わいに仕上がりますよ。

シナモンスティックは、コーヒーや紅茶といった飲み物や、スイーツ作りに使われるイメージのあるスパイスですが、火鍋にも使われます。エキゾチックな香りがプラスされ、より複雑で奥行きのある味わいの火鍋ができあがりますよ。ぜひ試してみてくださいね。

もちもちの皮と肉の旨味が詰まった食べごたえのある水餃子は、火鍋にもぴったりの具材。具材は肉だけではなく、エビやニラ、しいたけ、野菜など、さまざまな種類があるので、お好みで選んでみてくださいね。

豆腐は鍋料理の定番具材。火鍋でももちろんおいしく食べられます。煮崩れしにくい木綿豆腐や味の染みやすい厚揚げがおすすめです。

ツルッとのどごしがよく、スープがよく絡む春雨も、火鍋にぜひ加えてみてください。春雨自体にはほとんど味がないので、どんなスープにもよく合います。

火鍋には、中国に古くからある「医食同源」の考えも取り入れられていて、薬膳スパイスも多く使われます。その組み合わせによって特有の味や香りを楽しめるのも魅力の一つです。ここでは、火鍋によく使われる薬膳スパイスをご紹介します。

大蒜とはニンニクのこと。火鍋に限らず、さまざまな料理の香りづけに使われていて、食欲をそそる香りが特徴です。

なつめとは、クロウメモドキ科の木になる果実。収穫したものを天日干しして使います。りんごのような甘酸っぱい味と香りが特徴です。

党参は、キキョウ科のヒカゲノツルニンジンなどの根を乾燥させたものです。煮込むとごぼうのような味がします。

良姜は、ショウガ科ハナミョウガ属の植物の根茎。「姜」という漢字がついていることからわかるように生姜の仲間で、辛味と清涼感があります。

龍眼はムクロジ科の果実で、ライチによく似ています。皮を剥くとプルプルとした白い果肉が入っていますが、薬膳スパイスとして使われるものは、皮ごと乾燥させたものです。火鍋に使われている龍眼も、皮を剥いて中の果肉を食べられますよ。

枸杞の実は、杏仁豆腐のトッピングに使われているイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。ナス科のクコの果実で、ほんのりと甘酸っぱい味わいが特徴です。

松の実は、松ぼっくりとして知られる松の木の実の中にあります。やわらかい食感とクリーミーな味わいが特徴で、見た目はピーナッツに似ています。

火鍋の具材をある程度食べ終えたら、具材の旨味やスパイスがたっぷり溶け込んだスープでシメまで楽しましょう！鍋に仕切りのある鴛鴦鍋なら、2種類のシメを楽しむこともできますよ。以下で、火鍋のしめにおすすめの食材を見てみましょう。

火鍋のスープにごはんを入れて、雑炊を作ってみてはいかがでしょうか。スープがごはんによく染み、旨味たっぷりのおいしいスープを余すことなく楽しめます。ごはんを入れて軽く煮込んだら、卵でとじるのもおすすめです。

火鍋の麻辣スープのしめには、ラーメンがおすすめ！麺と一緒に辛味とスパイスの効いたスープが口の中に広がり、お腹がいっぱいでもどんどん食べたくなるくらいのおいしさです。

うどんも火鍋のしめにぴったりの食材です。もちもちとした麺に旨味たっぷりのスープが絡み、絶品ですよ！そのままスープに入れられる冷凍うどんなどを使うと手軽に楽しめます。

さてここからは、おうちで楽しむ火鍋のおすすめレシピをご紹介します。ラム肉を使った火鍋や赤いスープの麻辣火鍋など、バラエティ豊かなレシピをピックアップしました。

香り豊かなスープがたまらない、火鍋で楽しむラムしゃぶのレシピをご紹介します。ニンニクや生姜、鷹の爪などをごま油で炒めて香りを引き立てた食欲をそそるスープに、ラム肉や野菜がよく合います。具材の旨味たっぷりのスープで、シメまで楽しんでくださいね。

旨辛味がたまらない、麻辣火鍋を作ってみましょう。香り立つ赤いスープに、牛肉とエビ、野菜が相性抜群！香辛料をごま油で炒めているので、辛味と旨味が両方底上げされます。ごはんもお酒も進むおいしさです。ぜひ作ってみてくださいね。

鶏ガラスープの素を使って、白湯スープ風の火鍋を作ってみませんか？このレシピでは牛乳を加えてコクを出したスープにたっぷりの野菜と鶏団子を加えて煮込みました。つけダレは、シンプルなポン酢やゴマだれでもよく合いますよ。このスープと麻辣味のスープを作って2つの味を楽しむのもおすすめです。

今回は、火鍋の具材について解説しました。辛いスープからあっさりしたスープまで、さまざまな味つけで楽しめる火鍋。使う具材によってもスープの味が変わるので、いろいろな具材で試してみたいですよね。今回ご紹介したレシピも参考に、具材のアレンジを楽しみながら、おうちで火鍋を作ってみてくださいね。