沖縄の代表的な郷土料理の一つ「ジューシー」とはどのような料理なのか知っていますか?季節の行事やお祝いごと、法事の先などに欠かせない一品で、現代では家庭料理にもよく登場するんですよ。今回は「ジューシー」について、その歴史や由来を解説!さらに、普通の炊き込みご飯との違いや作り方などもご紹介します!
沖縄の郷土料理「ジューシー」とは?味や作り方、普通の炊き込みご飯との違いについて解説!

- 目次
- ジューシーとは?歴史や由来も解説!
- 大見出し ジューシーには種類がある?
- ジューシーと普通の炊き込みご飯との違い
- クラシルおすすめ!ジューシーの作り方
- ジューシーは歴史のある料理だった!
ジューシーとは?歴史や由来も解説!
ジューシーとは、沖縄の言葉で「炊き込みご飯」のことを指す、沖縄の郷土料理です。あとでもう少し詳しくご紹介しますが、豚肉や野菜、ひじきなどを具材にして、豚肉のだしで炊き込んでいるので濃厚な味わいを楽しめます。沖縄でジューシーは、日常的にはもちろん、お祝いのときや法事などでも食べられる料理で、とくにお盆には欠かせないものなのだそう。
縄ではさまざまな行事を旧暦で行う文化が根強く残っていて、毎年7月13〜15日の期間は「旧盆」と呼ばれ、とても大切な行事とされています。旧盆の初日である7月13日は「ご先祖様をお迎えする」という意味の「ウンケー(お迎え)」の日。この日はさまざまな食べ物や料理をお供え物として準備しますが、そのなかの一つがジューシーです。
この日にお供え膳にならべられるジューシーは「ウンケージューシー」と呼ばれ、邪気を払うという意味も込めて香りの強い生姜または葉ショウガなどを入れて炊き込むのが定番なのだとか。ウンケージューシーはご先祖様をお迎えするためのご馳走として作られたもので、これがジューシーのはじまりとされています。
また、冬至には「トゥンジージューシー」という芋の入ったジューシーを食べて身体を温め、家族の健康を祈願するという習慣もあるんですよ。現在でもジューシーは沖縄の人々にとってとても大切で伝統的な行事食であり、法事や祝いごとだけでなく、普段の食卓やお店などでも提供される定番の郷土料理なのです。
大見出し ジューシーには種類がある?
先ほど「ジューシーは沖縄の言葉で炊き込みご飯を指す」と説明しましたが、実はお米のかたさによって大きく2種類に分けられます。
一般的な炊き込みご飯のタイプである「クファ(硬)ジューシー」と、雑炊のようなやわらかいタイプの「ヤファラ(柔)ジューシー」があるんですよ。ヤファラジューシーは「ボロボロジューシー」と呼ばれることもあるそうです。
ちなみに「ジューシー」という名前の由来は「雑炊飯(ぞうすいめし)」が転じて「ジューシーメ」と呼ばれるようになったという説や、「ジュースのように水分が多い」ことから呼ばれた説などがあります。クファジューシーとヤファラジューシーはそれぞれ違ったおいしさがあるので、機会があったらぜひ食べ比べてみてくださいね。
ジューシーと普通の炊き込みご飯との違い
ジューシーも炊き込みご飯の一種ではありますが、いわゆる一般的な普通の炊き込みご飯とは何が違うのでしょうか。以下で確認してみましょう。
豚肉のゆで汁を使う
一般的な炊き込みご飯は水と和風だしなどを加えて炊くのに対し、ジューシーは水と和風だしなどに加えて、豚肉のゆで汁を使って炊きます。そのため、加える具材にもよりますが一般的な炊き込みご飯と比べると、ジューシーの方がコクと甘味があり、濃厚な味わいに仕上がるようです。
具材に豚肉が入る
ジューシーの具材には豚肉が必ず入ります。先ほど、ジューシーは豚肉のゆで汁で炊くとご紹介しましたが、そのときにゆでた豚肉を具材にすることが多いようです。
仕上げにラードを混ぜ込む
ジューシーは炊きあがったあと、ラードを加えて混ぜるのも特徴です。炊きあがりに加えることで一気にコクが増し、深みのある味わいになるのだとか。
特徴的な具材が使われる
ジューシーには先ほど解説したように炊き込みご飯タイプや雑炊タイプなど、さまざまなバリエーションがありますが、一般的な炊き込みご飯では使われないような、ニラやイカスミ、ヨモギやさつまいもの葉などといった特徴的な具を使うものがあります。ヨモギが使われるものは雑炊タイプで「フーチバージューシー」と呼ばれ、沖縄では昔から親しまれているのだそうです。
クラシルおすすめ!ジューシーの作り方
ジューシーがどんな料理か分かったところで、ここでは作り方を軽くご紹介します。
【手順】
①具材をそれぞれ細かくカットします。
②鍋にお湯を入れ、沸騰したら豚肉を入れてゆでます。中まで火が通ったらザルにあげ、豚肉とゆで汁に分けます。
③豚肉をカットします。
④米2合を入れた炊飯釜に調味料、豚肉のゆで汁を2合の目盛りまで注ぎ、カットした具材を加え、炊飯します。
⑤炊き上がったらさっくりと混ぜ合わせ、茶碗に盛り付けて完成です。
【ポイント】
- 豚肉はブロック肉でも薄切り肉でもお作りいただけます。豚肉のゆで汁は捨てないように気をつけてくださいね。
- 雑炊タイプの「ヤファラジューシー」や「ボロボロジューシー」の場合は、水分量で静かに炊き上げます。最近は「ジューシーの素」といったお米に入れて炊くだけの便利な商品もあるので、そういったものを使って試してみるのもおすすめです。
もっと詳しい材料や手順を知りたい方は動画をチェックしてくださいね。
豚肉の旨味あふれる 沖縄のクファジューシー
ジューシーは歴史のある料理だった!
沖縄の郷土料理として知られている「ジューシー」は、行事ごとやお祝いの日だけでなく、ふだんの食事にも気軽に取り入れられるメニューです。いつもの炊き込みご飯に少しだけ手を加えて、ジューシーを作ってみてはいかがでしょうか?

