橙（だいだい）とみかんの違いとは？特徴や保存方法について解説！

お正月飾りなどでおなじみの「橙（だいだい）」。みかんと似たような見た目をしているマーマレードやポン酢づくりに使われる酸味の強い柑橘類です。この記事ではだいだいの特徴や保存方法、みかんとの違いなどを解説します。記事後半のだいだいマーマレードや自家製ポン酢など、だいだいを活用した絶品レシピも必見ですよ。

だいだいとはミカン科ミカン属に属する常緑小高木の植物のことです。だいだいの果実の形は球形で、大きさは直径8cm前後、重さは250～300gほど。外側はゴワゴワと分厚い皮に包まれていて、手でむくのは難しいほどの固さです。内側にはたくさんの種と爽やかでさっぱりとした味わいの果汁がたっぷりと入っています。だいだいの果汁は酸味が強く香りがよいのが特徴です。香酸柑橘という種類に属し、ほのかな苦味も感じられます。かなり酸味が強いため、そのまま生で食べるというよりは酸味や香りを活かして料理に活用するのが一般的。まるごと煮詰めてマーマレードにしたり、果汁をふんだんに使った自家製ポン酢にしてもとてもおいしいですよ。

だいだいの原産地はインドのヒマラヤ地方とされ、日本へは中国を経由して伝わったようです。平安時代の書物にも「橙（アベタチバナ）」という名前が出てきており、これが現代のだいだいではないかと考えられています。中国からヨーロッパに伝えられたものは「サワーオレンジ」や「ビターオレンジ」と呼ばれ、主にマーマレード作りに活用されています。

だいだいの収穫は10月下旬頃に始まります。旬の時期は10月下旬から12月頃にかけてと言われていますが、実は果汁がもっとも甘くなるのは1～2月頃なんだとか。広島県や静岡県、和歌山県や福岡県などが主な産地です。

だいだいは実った果実を収穫せずにいると、そのまま2～3年ほど木になったままでいるのが特徴です。そのため、同じ木に1年目の果実や2年目、3年目の果実が同じ木に同時になっていることになります。このようにさまざまな世代の実がなることから「代々」と同じ読み方の「橙」という名前で呼ばれるようになったと言われています。「代々続く」という語呂合わせと、実が落ちにくいという特徴から子孫繁栄を願って、鏡餅やしめ縄などのお正月飾りに使うようになったそうです。

だいだいは大きく分けて「回青橙（かいせいとう）」と「かぶす」という2つの種類があります。ちなみに、この「かぶす」は現在の「かぼす」とは別物です。回青橙は130～180gほどの大きさで「座代々（ざだいだい）」とも呼ばれます。秋には果皮がオレンジ色になりますが、収穫しないと次の春から夏にかけて緑色に戻るという不思議な特徴があるんです。そのため、回青橙という名前が付けられました。

「臭橙（しゅうとう）」とも呼ばれるかぶすは回青橙よりも一回り大きく、200gほどのサイズです。

だいだいとみかんは見た目が似ているので、同じものと思っている方も多いかもしれません。でも、実際にはみかんとだいだいは似て非なるものなのです。みかんとはどんな違いがあるのでしょうか。ここでは、日本で最も一般的なみかんである温州みかんの特徴やだいだいとの違いについて見ていきましょう。

温州みかんはだいだいと同じくミカン科ミカン属に属する植物です。とても甘い柑橘であることから、「蜜柑」と呼ばれるようになりました。温州みかんという名前は中国の温州地方に由来しています。温州地方でできるみかんが甘くてたいへんおいしいことにあやかって、そこで育ったみかんのようにおいしいという意味を込めて付けられたそうです。

温州みかんは鹿児島県原産と考えられています。実は400年ほど前に突然変異によって種のない姿になりました。当時は種がないというのは縁起が悪いと言われ、限られた地域でしか栽培されなかったそうです。今のようにさまざまな地域で栽培されるようになったのは明治時代からと言われているんですよ。

みかんは40～80gほどと小ぶりで、手のひらサイズです。個体差がありますが、皮は薄くてやわらかめなので手で簡単にむくことができます。300gほどになることもあるだいだいと比べるとかなり小さいサイズだということがわかりますね。

みかんはとても甘いので皮をむいてそのまま生で食べるのが定番です。そのほかゼリーやケーキなどの洋菓子や、寒天や大福など和菓子にも活躍します！缶詰に加工されることも多いです。一方、だいだいは酸味が強いため、そのまま食べることはほとんどありません。果汁を絞り調味料と混ぜてポン酢にしたり、皮ごと煮詰めてまるごとマーマレードに加工して使うのが一般的です。爽やかな香りと酸味が絶妙のアクセントとなり、とてもおいしいですよ。

だいだいの特徴や保存方法、みかんとの違いがわかったところでここからは、だいだいを使った絶品アレンジレシピをご紹介します。簡単に作れるレシピをピックアップしているので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

だいだいをまるごと使ってマーマレードジャムを作ってみませんか？ほろ苦い皮と甘酸っぱい果肉を砂糖で煮詰めておいしいマーマレードジャムに仕上げました！ほろ苦さが絶妙のアクセントで爽やかな味わいです。ヨーグルトやパンと一緒に食べるのはもちろん、料理にも活用できますよ。ぜひ作ってみてくださいね。

だいだいの甘酸っぱい果汁をふんだんに使用して簡単ポン酢を作ってみました。昆布茶を加えているので、風味豊かな味わいです。柑橘が香るポン酢は市販のものとはひと味違ってクセになるおいしさですよ！ぜひいろいろな食材と合わせて召し上がってみてくださいね。

※みりんは、加熱を行いアルコールを飛ばし粗熱をとったものを使用しています。

香りのよいだいだいを使った自家製ポン酢のご紹介です。昆布と花かつおで出汁を取って風味豊かに仕上げました。一晩寝かせたポン酢はまろやかでとても爽やかな味わいです！料理にかけるだけで、だいだい特有の華やかな香りと濃厚な味わいを満喫できますよ。とても簡単にお作りいただけるので、ぜひお試しくださいね。

※みりんは、加熱を行いアルコールを飛ばし粗熱をとったものを使用しています。

いかがでしたか？だいだいの特徴や保存方法に加え、だいだいを活用した絶品アレンジレシピなどをご紹介しました。だいだいはお正月飾りに使うイメージがあるかもしれませんが、酸味と香りのよさを活かして料理に活用することができます。今までだいだいを使ったことがなかった方も、今回ご紹介したレシピなども参考にしていただき、ぜひだいだいを活用してみてくださいね。