牛肉の部位にはたくさんの種類があります。カルビやロースは知っていても「イチボ」は知らないという方も多いのではないでしょうか。イチボは牛肉の中でも希少部位の一つで、サシが入ってジューシーな味わいが魅力です。今回は、イチボの特徴やほかの部位との違い、おいしい食べ方について解説します。
牛肉の「イチボ」はどんなお肉?特徴や部位、ほかのお肉との違いについて解説!
- 目次
- イチボとは?
- イチボの特徴や、ほかの部位との違いは?
- イチボのおいしい食べ方は?
- やわらかくてジューシー!イチボを味わってみよう
イチボとは?
牛肉にはいろいろな部位がありますよね。「肩」や「もも」といえばどこの部位か想像がつきやすいですが、「イチボ」というとどこの部位かわからない方も多いのではないでしょうか。
イチボとは、牛のお尻の先にある部位です。イチボと呼ばれるようになった由来には諸説ありますが、坐骨を意味する英語「aitch bone(エイチボーン)」がなまってイチボになったといわれています。
お尻の先にある部位なだけあり、一頭の牛から約2~4kgしかとれない希少部位です。希少部位とは、牛一頭が約400~600㎏であるのに対し、数㎏以下しかとれない部位のこと。イチボのほかには「シャトーブリアン」や「サガリ」「ザブトン」などいくつかの部位が希少部位として知られています。希少部位だからといって必ずおいしくて高価というわけではありませんが、高価なものが多い傾向はあります。今回ご紹介するイチボも、とってもおいしくて高値がつきやすい部位です。このあと、イチボの味わいについて解説します。
イチボの特徴や、ほかの部位との違いは?
イチボはお尻の肉なので、やわらかい食感が特徴。サシが入りやすくジューシーでありながら、赤身らしい噛みごたえと旨味があるのも魅力です。
ほかの部位の特徴とも比較してみましょう。まずはイチボに隣接する部位である「ランプ」です。ランプは牛の腰からお尻にかけての部分で、もも肉の中でも特にやわらかい部位です。イチボに比べるとサシが入りにくいですが、きめ細かい肉質が特徴です。ランプとイチボを合わせて「ランイチ」と呼ばれることも。
次に、イチボと同じく希少部位として知られる「ミスジ」です。ミスジは肩甲骨の裏あたりにある部位。肩甲骨の裏はあまり動かさない部分なので、ミスジもやわらかくとろけるような食感が特徴です。葉脈のように、一本の太い筋からまわりに向かって細かいサシが広がっていて、やわらかい肉質の中にプルッとした食感を楽しめます。
ステーキの王様とも呼ばれる「サーロイン」についても見てみましょう。実は、サーロインとイチボは、似ているといわれることもあるんです。サーロインは、牛の腰の上部にある部位。赤身の中にきれいにサシが入っているのが特徴で、やわらかい食感であるところがイチボとよく似ています。ただし、サーロインの方が脂の量が多く、脂の甘さも感じられるこってりとした味わいがあります。
イチボのおいしい食べ方は?
イチボの特徴についてわかったところで、イチボのおいしい食べ方について見てみましょう。
イチボはやわらかく、ほどよいサシが入っているので、ステーキにして食べるのがおすすめです。先程似ているとご説明したサーロインも、ステーキでよく知られている部位なので、イメージがわきやすいのではないでしょうか。イチボの中でも上の方がやわらかいので、特にステーキに適しています。下側は外ももに近く上部よりは硬いので、シチューなどの煮込み料理にするとおいしいですよ。
それ以外にも、薄くスライスしてすき焼きやしゃぶしゃぶにしたり、ローストビーフを作ったりするのもおすすめの食べ方です。
お店でイチボを買うときは、お肉にツヤがあって赤身の色が鮮やかなもの、サシがほどよく入り肉に沈み込むように霜降り状になっているものを選ぶといいですよ。
やわらかくてジューシー!イチボを味わってみよう
今回は、イチボの特徴やほかの部位との違い、おいしい食べ方について解説しました。ジューシーさと赤身の旨味、どちらも楽しめるイチボ。希少部位なのでお店などで見かける機会は少ないかもしれませんが、ぜひ一度味わってみてくださいね。