サクサクさせる、ポロポロにするという意味をもつ「ショートニング」。パンやクッキー作りで使用すると口当たりのよい軽い食感に仕上がるので、製パンや製菓の現場では欠かせない油脂のひとつです。今回は、そんなショートニングの特徴やレシピ、代用できる油脂をご紹介します。お菓子作りやパン作りの参考にしてみてくださいね。
【ショートニング】の特徴と使い方|役立つお菓子作りの基本
- 目次
- ショートニングってどんな食材?
- ショートニングとは?
- ショートニングを使ったレシピをご紹介
- おからと牛乳のやさしい白パン
- 手ごねで作る トマトとバジルのパン
- ショートニングが家にない!代用できるものは?
- 軽い食感に仕上がる!ショートニングを使いこなそう
ショートニングってどんな食材?
ショートニングとは?
ショートニングは、主に植物油脂を原料として製造された加工油脂です。動物性のものと植物性のものを混合している場合もあり、動物性油脂には魚油、ラード、牛脂などが用いられます。
水分や乳成分を含まず、ほぼ100%が油脂成分で、脱臭・脱色されているため、白色で無味無臭です。窒素や炭酸ガスを10~20%混入させた固形のもののほか、液体状や粉末状のものもあります。
ショートニングは、もともとはラードの代用品として19世紀末のアメリカで開発されました。ラードは古くからお菓子の練りこみ用油脂として利用されてきましたが、バターと比べて自由に成形できる温度範囲が広く扱いやすい反面、品質が安定せず結晶化しやすいという欠点がありました。この点を改善したものが「サクサクした食感」という意味の「ショートニング(shortening)」です。
パンやクッキーに加えると、サクサク、ポロポロとした軽い食感に仕上がるため、製パンや製菓の用途で広く使用されています。また、常温では固形のため、揚げ物に使用すると冷めても油が溶け出さず、製造から時間が経過してもサクサク感を保つことができます。
ショートニングを使ったレシピをご紹介
ショートニングが何かを知ったところで、ショートニングを使ったパンのレシピを2つご紹介します。ショートニングは無味無臭なので、味の邪魔をせず、食材の風味をしっかりと感じられるパンを作ることができますよ。ぜひ試してみてくださいね。
おからと牛乳のやさしい白パン
おからと牛乳が入った白いパンです。砂糖の代わりに練乳を使用しているため、ふんわりとしたミルクの香りが特徴です。無味無臭のショートニングだからこそ、牛乳と練乳のやさしい風味が引き立ちます。
手ごねで作る トマトとバジルのパン
赤色がかわいらしいトマト風味のパンです。食べると中に忍ばせたチーズがとろりと溶けて、贅沢気分が味わえます。バターではなくショートニングを使うことで、バジルがしっかり香りますよ。
ショートニングが家にない!代用できるものは?
ショートニングは一般家庭では常備していないことが多い食材のため、代用できるものがあるとうれしいですよね。同じ食感を再現するのは難しい場合が多いですが、一般的な油脂類でも代用は可能なんです。以下で詳しくみてみましょう。
■バター
家庭用のショートニングは半固形タイプが多いため、同量で置き換えが可能です。ショートニングに比べ、しっとりとした食感に仕上がります。また、ショートニングは無味無臭ですが、バターには乳成分が含まれますので、風味は異なります。塩分が含まれる商品の場合は、味つけの調整が必要となります。
また、ほぼ100%が油脂分のショートニングは揚げ油にも適していますが、バターは乳脂肪が入っており揚げ物には不向きなため、注意が必要です。
■ラード
もともと、ショートニングはラードの代用品として開発されたため、同じような使い方ができます。豚の脂肪組織から精製した油脂で、動物性油脂特有のコクがあります。製菓ではバターやショートニングの一部をラードに置き換えて、生地の練りこみなどに使用されます。
■オリーブオイル、サラダ油
液状なので量の調整が必要ですが、代用することも可能です。パンやクッキーに使う場合は、1/3~半量くらいの量にしましょう。オリーブオイルは独特の風味が加わる点に注意が必要です。
軽い食感に仕上がる!ショートニングを使いこなそう
お菓子やパンに使用すればサクサクと軽い食感に仕上がるショートニングは、実は使い勝手のよい油脂です。無味無臭なので、ブラン系のパンなど素材の味を活かしたいときにも向いています。バターやマーガリンの乳成分の風味が欲しいときと、使い分けるのもおすすめですよ。また、基本的に乳成分を含まないため、乳成分を控えている方が利用することも多いようです。
便利なショートニングを使いこなして、お菓子作りやパン作りを楽しんでくださいね。