韓国料理の「チムタク」をご存知でしょうか?鶏肉ともちもちとした食感の韓国春雨を甘辛いタレで煮込んだ、韓国では定番の人気メニューです。この記事では、チムタクの特徴のほか、タッカルビやタットリタンとの違い、おいしく作るポイントを解説します。記事の後半では、おすすめのレシピもご紹介!ぜひ最後までご覧くださいね。
韓国の肉じゃが?!「チムタク」って何?特徴や日本との違いに「知らなかった...!」
- 目次
- 韓国の定番料理「チムタク」とは?
- チムタクの具材と味の特徴
- 現在はアレンジチムタクも人気!
- チムタクの発祥には諸説ある
- チムタクと日本の肉じゃがの違い
- タッカルビ、タットリタンとの違いは?
- チムタクを作るときのポイント
- チムタクのレシピをご紹介
- おうちでもチムタクを味わってみよう!
韓国の定番料理「チムタク」とは?
チムタクは、韓国で広く親しまれている鶏肉料理です。
「チム」は「蒸し煮」、「タク」は「鶏」を意味し、ぶつ切りの鶏肉とじゃがいもなどの野菜、タンミョンと呼ばれる韓国春雨をしょうゆと砂糖をベースにした甘辛いタレで煮込んで作ります。大皿に盛りつけて数人で取り分けて食べるのが一般的なスタイルです。
チムタクの具材と味の特徴
チムタクに使われる具材は、ぶつ切りの鶏肉とじゃがいも、タンミョン(韓国春雨)が定番です。ここにお好みで玉ねぎやにんじん、きのこなどを加えて、しょうゆと砂糖がベースのタレに唐辛子をたっぷり入れて蒸し煮にします。
しょうゆと砂糖で作るタレをベースにしているので甘辛さも感じますが、唐辛子の辛味が強め。ただ、辛さに関してはお店や家庭によって異なります。ごはんのおかずにも、お酒のお供にもよく合いますよ。タレをたっぷり吸ったタンミョンのもちもちとした食感も楽しく、人気が出る理由も頷けるおいしさなのです!
⭐️クラシルシェフのアレンジポイント⭐️
深みのある味わいにするため、タレにインスタントコーヒーや黒砂糖を加えるとこともあります。気になる方は、ぜひ試してみてくださいね。
現在はアレンジチムタクも人気!
2000年頃、ソウルにチムタク専門店がオープンすると、あっという間に話題となり、韓国各地にチェーン展開されました。その成功に続いて多くのチムタク専門店が次々とオープンし、テレビでも取り上げられるほどの人気となったのです。
近年では、チーズをトッピングした「チーズチムタク」や、コチュジャンと生クリームを合わせたロゼソースで仕上げた「ロゼチムタク」など、現代風にアレンジされたチムタクも登場し、人気を集めています。
チムタクの発祥には諸説ある
チムタクは、韓国の慶尚北道・安東(キョンサンプクド・アンドン)発祥の郷土料理で、「アンドンチムタク」の名前でも知られています。
チムタクの発祥は諸説ありますが、1つ目は市場で生まれたという説です。安東の旧市場には、当時丸鶏を揚げたものを販売するお店がたくさん集まっており、この場所でさまざまな鶏肉料理が開発されていたのだとか
そして1980年代になると今日本でも人気のある韓国チキン(フライドチキン)の専門店が増え始め、それに対抗してチムタクが生まれたと言われています。このように市場で生まれたという説もあれば、安東の家庭で代々受け継がれてきた伝統料理だという説などもあります。
チムタクと日本の肉じゃがの違い
チムタクは「韓国の肉じゃが」と呼ばれることがあります。ここでは、なぜそのように言われるのかを確認してみましょう。
| チムタク | 肉じゃが | |
|---|---|---|
| 具材 | ・【定番】鶏肉、じゃがいも、タンミョン |
・【定番】牛肉や豚肉、じゃがいも、玉ねぎ、にんじん |
| 使う調味料 | ・しょうゆと砂糖がベース |
・しょうゆ、みりん、酒、だし、砂糖 |
| 味わい | ・しょうゆと砂糖の甘辛さもあるが唐辛子の辛味が強め |
・しょうゆやみりん、砂糖で煮込んだ甘辛い味わい |
確かにチムタクと肉じゃがは煮込み料理であること、具材などは共通点が多いですが、チムタクは唐辛子が効いた辛い料理である点が大きく異なります。
また、チムタクは鶏肉を使用するのに対して、肉じゃがは牛肉や豚肉を使うのが一般的です。このようにチムタクと肉じゃがは似ているようで違う料理ではありますが、どちらもそれぞれに魅力があります。
タッカルビ、タットリタンとの違いは?
韓国にはチムタクと同じように鶏肉を使う料理が多くあります。ここでは、チムタクと似ているタッカルビや、タットリタンとの違いをみていきましょう。
タッカルビの特徴
タッカルビは、コチュジャンを使った甘辛いタレで味つけした鶏肉を、野菜と一緒に鉄板で焼く料理です。鉄板や鉄製のフライパンで焼きながら食べるのが一般的で、サンチュなどの葉野菜に包んで食べたり、ごはんや麺を一緒に炒めて楽しんだりとさまざまな食べ方ができます。
鶏肉の旨味とコチュジャンの甘辛さがマッチした、香ばしく食欲をそそる味わいです。溶かしたチーズをたっぷり加えてアレンジした「チーズタッカルビ」も人気があります。どちらかというと、日本では通常のタッカルビより、チーズタッカルビを食べられるお店の方が多いかもしれません。
タットリタンとの違い
タットリタンは「タッポックムタン」とも呼ばれる、鶏肉と野菜をヤンニョム(合わせ調味料)で味つけして煮込んだ韓国の代表的な家庭料理です。唐辛子粉を使うため、スープが赤い色をしているのが特徴です。
タットリタンの「タン」には「スープ」や「汁物」という意味があります。その名の通り汁気が多く、数人で取り分けて食べたり、締めにご飯や麺を入れて楽しんだりと、鍋料理のように楽しむのが一般的なようです。
チムタクを作るときのポイント
ここまでの解説を読んで「自分も作ってみたい!」と思った方も多いのではないでしょうか。ここからは、おいしいチムタクを作るためのポイントを解説しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
鶏肉に下処理をする
チムタクをワンランク上の仕上がりにするには、鶏肉の下処理がおすすめです。鶏肉をさっと湯通しするか、牛乳に30分から1時間ほど浸しておくと、余分な脂や臭みが取れます。また、肉質がやわらかくなる効果もあります。時間がない場合は、この工程を省いても十分おいしく作れますよ。
鶏肉をタレに漬け込んでおく
鶏肉は調味料を合わせたタレに10分ほど漬け込んでおきましょう。鶏肉の奥まで味が染み込みやすくなります。手羽元や手羽先を使う場合は、骨に沿って切れ目を入れておくと、さらに味が入りやすくなりますよ。
蓋をして蒸し煮にする
タレに漬けた鶏肉と野菜を鍋に入れ、水を加えて煮立ったら蓋をして蒸し煮にします。こうすることで、鶏肉がほろりとやわらかくなり、じゃがいももホクホクに仕上がるのです。煮込んでいるうちに汁が煮詰まって、照りと深いコクが生まれますよ。
タンミョンは戻してから最後に入れる
タンミョンは、あらかじめパッケージに記載された通りに戻しておきましょう。鶏肉に火が通って野菜がやわらかくなったら、戻したタンミョンを入れて軽く煮込みます。タンミョンのもちもち感を保ちながら、味もほどよく染み込みますよ。
チムタクのレシピをご紹介
ここからは、チムタクのレシピを5つご紹介します。ご家庭でも作りやすいレシピを集めてみましたので、ぜひチェックしてみてくださいね。
タンミョンたっぷり チムタク
もちもちのタンミョンがたっぷり入ったチムタクです。作り方はとても簡単で、鍋に合わせた調味料に具材を順番に煮込んでいくだけ!甘辛さと具材の旨み、ピリッとした唐辛子が調和しています。タレを吸ったタンミョンが絶品ですよ!
こってり 甘辛いチムタク
続いてはごはんがどんどん進むチムタクをご紹介します。このレシピでは、鶏手羽元だけでなく、鶏もも肉も使って旨みたっぷりに仕上げました。インスタントコーヒーやオイスターソースを入れることでコクが加わり、こってりとした味わいに仕上がります。青唐辛子のピリッとした辛さが効いていて、クセになるおいしさですよ!
もちもちトッポギのチムタク
もちもちのトッポギが入ったチムタクのレシピです。味つけにはしょうゆやみりんのほかに、ダシダや黒砂糖とインスタントコーヒーを加えてコク深い味わいに仕上げました。このレシピでは唐辛子を使わないので、お子様から大人まで家族みんなで楽しめます。手軽に作れて食べ応え抜群な、うれしい一品です。
あっさりコク旨 塩チムタク
あっさりとしているのにコク旨な味わいが新しい!塩味で仕上げたアレンジチムタクはいかがでしょうか。青唐辛子の爽やかな辛みとごま油の香りが食欲をそそります。チムタクの定番具材であるタンミョンはマロニーで代用しました。いつもとはひと味違うチムタクをぜひ試してみてくださいね。
※『マロニー』は「マロニ-株式会社」の登録商標又は商標です。
とろーりチーズの甘辛チムタク風
続いてご紹介するのもチムタクのアレンジレシピです。最後にチーズを加えて、食べやすく仕上げました。とろりと濃厚なチーズを加えることで、コチュジャンや豆板醬、青唐辛子を使った辛みの強い味わいがマイルドになります。ボリューム満点でやみつきになるおいしさですよ!
おうちでもチムタクを味わってみよう!
今回は、韓国料理のチムタクの特徴やほかの鶏料理との違い、おいしく作るポイントなどを解説し、おすすめのレシピもご紹介しました。唐辛子を入れるレシピが多いですが、韓国でも唐辛子を加えず甘辛く仕上げるレシピもあるようです。煮物のレパートリーを増やしたいときにもおすすめなので、ぜひチムタクをご自宅でも作ってみてくださいね。
