お菓子作りに欠かせない「コーンスターチ」の効果とは？

お菓子のレシピでよく見かける「コーンスターチ」。なにを原料としているのか、使うことでどのような効果があるかご存じですか？今回はコーンスターチの特徴や効果について詳しく解説します。見た目や質感が似ている片栗粉との違いや、コーンスターチを使ったレシピもご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてくださいね。

コーンスターチの「コーン」はとうもろこし、「スターチ」はでんぷんを のことを指す言葉です。つまりコーンスターチは、とうもろこしを原料としたでんぷんということになります。

見た目は、カタクリやじゃがいものデンプンから作られる片栗粉と似ていて、粒子の細かい白い粉で、触るとキュキュッとした質感をしています。

原料となるとうもろこしは、私たちが普段食べているスイートコーンやポップコーンに使われる品種とは異なり、でんぷん含有量の多いワキシーコーンやデントコーンといった品種を使います。

でんぷんを多く含むコーンスターチですが、どのように使うのでしょうか？効果とあわせて見ていきましょう。

コーンスターチは、片栗粉のようにとろみをつける効果があります。特にカスタードクリームを作る際に加えると、なめらかな舌触りに仕上がりますよ。また、でんぷんが多いため、薄力粉を使った場合に比べて早く固まり、ぷるんとして形が保ちやすいのも特徴です。

クッキーなどの焼き菓子は薄力粉を使って作ることが多いのですが、その一部をコーンスターチに置き換えて作ることが可能です。コーンスターチは薄力粉と違い、水と混ぜてもグルテンを形成しないため、軽やかでサクッとした食感が生まれます。

天ぷらの衣にもコーンスターチを使ってみましょう。焼き菓子のところで説明したのと同じく、グルテンが形成されないためサクサクとした食感の天ぷらができあがります。

さて、ここまででもちょこちょこと出てきていますが、コーンスターチと似たものに「片栗粉」があります。どちらも同じような見た目と質感ですが、先ほど軽くご説明したように原料が異なるのです。コーンスターチはとうもろこし、片栗粉はカタクリやじゃがいもを原料としたでんぷんから作られています。 それではこの2つにはどのような違いがあるのでしょうか。以下で確認してみましょう。

コーンスターチと片栗粉はどちらもでんぷん質のため、とろみをつける効果がありますが、とろみの性質が異なります。

片栗粉は温度が下がると同時に粘度も下がる性質を持っているため、エビチリやあんかけなど、温かいまま食べる料理のとろみづけに適しています。

一方コーンスターチは、冷めても粘度を保つ性質を持っています。そのため、先述の通り、冷やして食べるカスタードクリームなどにはコーンスターチが適しているのです。

また、片栗粉でつけたとろみは透明であるのに対し、コーンスターチは不透明になります。色味にも違いが出るので、用途に合わせて使うようにしてくださいね。

コーンスターチの使い方がわかったところで、続いてはレシピをご紹介します。どれも見栄えがよく、おもてなしにもぴったりなので、ぜひお試しくださいね。

ハートのサクサクメレンゲクッキーです。しっかりと泡立てたメレンゲにコンスターチを加えることで、より一層サクサクとした食感に仕上がり、時間が経ってもベタつきません。メレンゲ自体も薄いピンクに色づけしていますが、絞り袋の内側にもアイシングカラーを塗ることで絞リ出したときに濃い色がつき、グラデーションのような見た目に仕上がります。ぜひ試してみてくださいね。

ザクザク食感がおいしい、ココアビスケットクリームサンドはいかがでしょうか。生地にコンスターチを混ぜ込むことで、ザクザクと食感のよいビスケットに仕上がりますよ。ココア風味のビスケットに、クリームチーズとバターを合わせた濃厚なクリームが相性抜群！リッチな味わいがコーヒーや紅茶にぴったりなので、ティータイムにぜひ作ってみてください。

スペイン・カタルーニャ地方のスイーツ、クレマカタラーナのご紹介です。パリパリのカラメルを割ると、中にはレモンの風味が効いたカスタードクリームがたっぷり！カスタードクリームにコーンスターチを使うことで、程よいとろみがつき、なめらかな舌触りに仕上がりますよ。一見難しそうに感じますが、シンプルな材料で作ることができるので、挑戦してみてくださいね。

今回は、コーンスターチの原料や効果、さらに片栗粉との使い分け方についてご紹介しました。焼き菓子をサクサクに仕上げたり、クリームやソース類のとろみづけに使われることの多いコーンスターチ。性質や使い方を知ることで、正しく活用することができますよね。

クラシルでは、今回ご紹介した以外にもコーンスターチを使ったレシピを多数掲載しています。ぜひ、参考にしてみてください。